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『香道』という日本の文化

『香道』とは

「香道」というと聞いたことがないという人が多いだろうが、実は、茶道・華道に並ぶ日本の三大芸道の1つである。茶道ならお茶、華道なら花、と同じように、香道はその名の通りお香の香りを楽しむ伝統芸能である。

香道では、香りを「嗅ぐ」ではなく「聞く」という。東南アジアで産出される天然香木である沈香の香りを聞き鑑賞する「聞香」と、香りを聞き分けるゲームのような「組香」の2つが香道の要素である。
組香には、茶道で季節に合ったお茶菓子を使うように、季節や行事によって行う組香がある。秋には月見香、おめでたい時には松竹梅香、また源氏物語の巻と組み合わせた源氏香など、様々な種類の組香がある。

志野流香道若宗匠の蜂谷宗苾さん。お香を聞く時の形。
引用:https://www.premium-j.jp/

ちなみに、私は、高校の部活の中に香道部があったことがきっかけで香道を知った。本来は、香木やお稽古代は非常に高価なのり、かかわらず、先生のご厚意でお稽古していただいており、今思うと、とても貴重な体験だった。

香道の流派

香道には、他の芸道と同じように流派があり、私が高校時代習っていたものは「志野流」であった。他には「御家流」という流派があり、志野流は武家の流派、御家流は公家の文化である。
今回、増上寺宝物展示室で展示されているは、志野流香道の展示物である。

お花型の結びがある袋が「志野袋」である
引用:https://www.premium-j.jp/

増上寺宝物展示室での展示

展示室には、香道に使う道具や歴代の志野流家元の画像等が展示してあり、客層としては、香道が好きで来ている方というより、お寺に来たついでに寄ってみたという方が多かったように思える。(とはいえ平日だったこともあり客数は多くはなかった)

奥の展示室に入った途端、香木のとても良い香りがして、懐かしい気持ちになった。よい香りに包まれたその展示室には、61種の香木が展示してあり、香木の産地と香りの特徴から61種に分けられ、それぞれ名前が付けられている。

私が香道をやっていた時、組香に使う小さな香木のかけらでさえ100万円もするということを聞いたことがある。それが定かかはわからないが、非常に高価なものであることは確かなので、明香と呼ばれる香木が多く展示されていることに少し興奮を覚えるとともに、これらがそれぞれどんな香りなのだろうととても興味がわいた。

引用:https://www.zojoji.or.jp/takara/

現代の香道

香道は日本だけでなく海外でも人気であり、志野流香道家元継承者の蜂谷さんは、文化庁海外派遣文化交流使としてフランスでも香道を広める活動をされている。(パリにお弟子さんが30人もいらっしゃるという)

しかし現代を生きる私たちにとっては、日本に住んでいるとはいえ、気軽に香道を楽しむのは少しハードルが高い。
そんな中で、美術展のショップに、気軽に香道に触れられるようなグッズが多々あった。その中でも、志野流香道の次期家元一枝軒宗苾とコラボしたフレグランスは、香木の香りがしっかりするとともにフレグランスとしてもとっつきやすい感じがあり、非常に画期的なアイデアだと感じた。

引用:https://store.belairlab.com/collections/inspiring_kodo

最後に

「香道」は、茶道や華道よりもマイナーなイメージはあるが、都内の寺院や麻布の香雅堂等で香道の体験ができる機会が多くあるので、ぜひ多くの方に香道の魅力を知ってほしいと思う。



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