見出し画像

コロナが教えてくれた奨学金の危うさ。

コロナ蔓延が本格化してきた3月、イギリス内にいる日本人留学生の間ですぐに浮上した問題が

奨学金の支給停止

という誰も想像していなかったものだった。

もちろん奨学金の支給元によりけりだし私はあまりこの辺りに詳しくないので色々と語ることは出来ないんだけど、例えばJASSOのHP(https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/haken/gakusei2020.html)には

”外務省「海外安全ホームページ」に掲載される国・地域別の危険情報の4段階のカテゴリーのうち、以下のレベルが示されている地域には本制度の奨学金を受給して留学することはできません。”
(以下のレベル:2-4)

と書かれている。

つまり、毎月支給されるはずの奨学金が滞在国のレベルによって突如ストップするわけで。

実際、私が帰国時にエジンバラからヒースローまでの機内で一緒になったブラジル人留学生によると、彼のルームメイトの日本人が奨学金の支給停止をくらって身動き取れていないと言ってた。

奨学金の支給停止が問題というより、そのことによって収入が途絶え家賃も払えないけどバカ程高くなってしまった航空券も買えず、帰れないけど現地で生活もできない学生がいることが問題となっていた。




要は、元手のない状態で留学していた学生が一定数存在していたわけだ。

それがおかしいとは思わないが、それってどうなんや?と思う。




留学にはとーーーーーーってもお金がかかる。




特に若い内に留学する場合、その費用は家族に頼るか奨学金をかき集めることになる。

もちろん家族に頼れるのであればそれがベスト。
利子ないし、あわよくば持ってけドロボー出来るし。
まあ、その辺は必死で親子会議してもらえばいいとして。

でも、当然そうも言ってられない現状はあるだろうから奨学金っていう流れになるわけで。




ちなみに私は本格的に留学の準備を始めたのが11月でapply完了させたのが翌年3月初旬という割とバタバタのスケジュールだったのでメジャーな奨学金に応募出来るタイミングは余裕で逃し、締切直前に大学が設けているPostgraduate International Excellence Scholarshipという奨学金に

宝くじ、買わな当たらん理論

で無理矢理提出した。

ネットでどういうことを書けばいいのかを軽く調べ、もう本当にあるあるの内容で書きなぐった。
しかもPSの添削をお願いした友人はちょうど仕事が忙しく時間の余裕がないとのことで誰の目も通らず応募。

今でもなんでこれが通ったのか分からない(笑)
私より遥かに頭のイイ日本人や遥かに英語力の高いエルサルバドル人や台湾人も応募したらしいが、なぜか私だった。

エルサルバドル人が
「多分さ、応募書類をそれっ!て空に向かって放り投げてキャッチした1枚が合格ってことだったんだよ。Lynnは運がイイね!」
って言ってた。
それ、私に失礼(笑)

でも、ともかく学費が£5,000(約70万)免除になったのは大きかった。




お金を理由に留学を諦めることがあってはいけないと思う。
でも、奨学金在りきの懐事情はやっぱり好ましくない。
留学だけに限ったことではないけど、不確定要素のある収入に頼るのは本当に危ない。
出来るなら、私が取った様な一括で支給される奨学金(私の場合は減額という形だけど)が安全。
それがこのコロナで浮き彫りになったと思う。

今は簡単にバイトも見つからない。
見つかったとしても留学生は働ける時間数に上限があるから収入は微々たるものだ。
家賃を払って生活費まで賄えるだけの収入を手に出来る人はなかなかいない。


以前書いた様に、私が考える留学のタイミングは社会に出てから数年して…30代手前がベスト。
社会のことも何となく見えてきて、自由になるお金も少し手元に出来始めるそのタイミング。
もちろん20代後半で留学にポーンと自腹切れる人ってそんなにたくさんはいないだろうけど、それでも工面しなければならない額は若い人よりは少ないはずだ。


若いからこそ吸収できることもあるだろう。
でも、ある程度年齢を重ねたからこそ吸収できることもある。
どっちがいいとか悪いの話ではない。
ただ、コロナという誰もが未来を予想出来ない状況になっている今は特に

本当に「今」留学しないといけないのか?

ということを考えた方がいい気がする。


タイミングって本当に大事。

もっと大事なのは、そのタイミングを掴むこと。

「棚から牡丹餅」だって、牡丹餅が落ちてくる棚の下にいないとキャッチできない。

掴めたら、もう自分の意思とは関係なく物事は動き始めるから後は流れに身を任せればいい。


学問や専門技術を学ぶ為に渡航している「留学生」の目的は「学び」だ。
金欠はその学びを確実に邪魔する。
貴重な異国での1分1秒を目的外のことに奪われない為には、やはり綿密な計画は外せない。

思い立ってすぐ!が大事な時もあるけど、留学に関しては思い立ってから資金作りを計画して、それに数年かけてもいいんやないかと思う。




今年度以降の留学志願者は、ある意味犠牲となった去年度の学生である私達がいるからこそ分かることがあると思う。

決死の思いで帰国した私達を見て、来年度以降の留学に悩んでいる人や今年度入学を諦めざるを得なくなった人はもう一度考えてみて欲しい。

そして、自分なりのベストなタイミングで思いっきり留学を満喫して欲しいと切に願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?