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コンクールの出費どんくらい?① | 2023年 舞踊新人

琉球舞踊のコンクール、お金どんくらい必要?

「琉舞、お金かかるよ」とはいわれますが、じゃあ具体的にどんくらいよ、というのは案外わからないもの。

月謝と道具と稽古着と・・・・・・エトセトラエトセトラ

全部まとめようとすると宇宙をみることになりますが、ちょうど昨年のコンクールの会計簿がありますので整理してみました。会計報告、とまではいかないユルいものですが、参考になればと思います。

*コンクールについては下記の記事を参照

*道場により多少のばらつきがあるはずなので、あくまで一例としてご参照ください。

2023年 古典芸能コンクール会計
受験生・・・舞踊新人1名(合否:合格)
積立金・・・ひとりあたり月3,000~5,000円
会計期間・・・2023年1月~8月

表の見た目がジジィっぽいのは勘弁してください

収入:コンクール積立金

うちの道場では、コンクールで使うお金は受験生同士で積立をして確保していきます。
(このほうが公平性が保たれますので、私は積立に関して肯定的です)
ということで、収入の部は100%このコンクール積立金。

会計期間は、だいたい受験の前の年の12月くらいにはじまり、締めはコンクール終了時期の8月末~9月または芸能祭がある11月くらいまで。昨年はコンクールの年の1月からはじめて8月に締めました。

ちなみにこの2023年、受験生はひとり。

といっても、3月まで受ける気マンマンだった方が3月まで、稽古の手伝いあまりできないからお金だけ出しとこうという私が8月まで積立に参加しています。なので、通常より余裕のある状態で過ごせたかなと思います。

表の収入欄では、Aさんが3月でリタイアした方、Bの手伝いが私、Cの新人が受験生の子です。積立参加者が3名のときは余裕ぶっこいてたのでひとりあたり月3,000円にしていましたが、これが2名となると若干不安だったので月5,000円に引き上げました。

積立金の合計額は72,000円。

ところで、私はどうして7月分未払いのまま終わったのだろうか(オイ)。

支出:だいたい食費

積立金の用途は何かといわれれば、だいたい食費です。エンゲル係数99%なのでは。

コンクール稽古がある日の先生および受験生のごはんとお茶、あとは舞台稽古があったときの駐車料金やガソリン代に使われます。この年の月平均支出額は約6,000円。しかもこの年は道場の冷蔵庫と電子レンジが壊れていたので、食べられるもの限られているうえに氷を所望する先生のために毎回氷を購入していたため出費倍増。

いや、夏だし氷は大事なんですけどね?

雑費はだいたいレジ袋や来客用のちょっと高価な茶菓子代。

舞台稽古があった月は、ほかの月より出費が増える傾向があります。観に来た方への茶菓子とか飲み物代、駐車料金とかで。

この年の支出合計額は41,534円

積立金が72,000円でしたので、3万ちょっとはあまりました。

本来受験生ではない私の積立金が含まれているので、この3万は2024年の会計へ繰り越し。

諸費用:会計外

なぁんだ!じゃあ4~5万円あればコンクール大丈夫ってことよね?

じゃあちょっとバイトすればすぐ稼げるじゃないか!

そ ん な わ け は な い

いいかい?ここからは会計外の話だ。

会計外の出費
・施設使用料
・衣装借用代
・受験謝礼金
・受験料
・謝金
・チケット割当

上記はひとりあたりにかかってくるお金もあるので(謝礼金なんかは一人ずつ支払うので割り勘ができない)、基本的に会計からは出していない。

◆施設使用料

舞台稽古をするにあたって借りるホールの使用料と冷房代。

この年は本番で使う琉球新報ホールと地元にある自治体のホールをそれぞれ2回ずつ借りました。時間帯や使用時間によって料金は変動しますし、新報ホールは冷房代が別途です。

◆衣装借用代

コンクールで着用する紅型はホンモノ(正絹の染)と規定があります。

観光施設の貸衣装みたいなプリント紅型衣装だとその時点で失格。

といっても、正絹の紅型は新しく仕立てると70万円以上、下取りでも最低20万円以上から。なので、だいたいの受験生は先生や先輩方から借ります。中学生がそんな中古車買うみたいなお金をポンと出せるはずがない。

あと房指輪。両指にチャラチャラつける指輪です。

女古典踊りはこの房指輪を装備していなかったらもちろん失格。新規で買うと2~3万円程度ですが、学生さんだと買うより借りる子が多いかな。

◆各謝礼

受験が終わると、稽古をしていただいた先生をはじめ、協力していただいた方々へ謝礼金をお渡しする。まあ、そうよね。

先生へは各道場によって差があると思う。うちは3万円。先生に対してと考えると些か安い気もするけど・・・・・・。

あとは、当日の着付けや髪結い、太鼓(二才踊りのとき、CD音源に+で太鼓の生演奏が入る。足打ちに合わせるので)。こちらはそれぞれ5,000円ずつ。人によって違うかもしれないので参考まで。

◆受験料

新人~最高賞で料金が変わります。
まあこちらはそんなべらぼうに高いわけではない。受験料としては妥当じゃなかろうか。

舞踊新人はひとり10,000円。

また、受験するにあたって沖縄県(だったはず)の芸能連盟会費を支払う必要があるので、こちらが1,000円。ちなみに受験申込用紙が1枚100円。
申込用紙、無料じゃないんだ―――☆

◆チケット割当

コンクールに合格すると、その年の冬におこなわれる芸能祭へ出演することになります。出演者は主催である新聞社へチケット代を納める必要があり、たぶん賞ごとに金額違った気がする。新人はチケット10枚で12,000円。

さて、会計外の支出総額はここまでで187,600円

まあ、まあ。20万円いかないし、ね?

え、これで終わりだと思った???

衣装購入代

本番で着る着物や使う小道具はだいたい自前。
コンクールの前の年くらいからコツコツと揃えていきます。

受験の年になって買おうとすると手に入らないものもあったりするので、先生や衣装店と相談しながらそろえていくのがコツです。

ちなみに3月4日の三線の日は舞踊衣装や小道具のセールをしているお店がちょいちょいあるので、私はこれに合わせて買い物してます。

新人賞で買い揃えておきたいもの
・舞踊における基本的な装備
 ・・・襦袢、ステテコ、襟芯、腰ひも
・男踊り(上り口説)
 ・・・白足袋、白黒脚絆、黒衣装(化繊)、紋、茶色帯、髪差し(銀)、扇子(金銀)
・女踊り(綛掛け)
 ・・・赤足袋、胴衣、裙子、紫、前花、ヌシ&バラサ、綛&枠

上記でせしめて139,382円
*お店や購入時期によって金額に差が出てきますので、あくまで凡そと思ってください。


ということで、積立金からの支出41,534円と会計外の支出187,600円、衣装購入代139,382円を合計すると、計368,516円

新人賞を受けるには最低でも40万円ほどは用意したほうが安心ということですね。カード切れないものも多いので、できれば現ナマで。

このときの受験生は未成年でしたので、ご両親が出してるんですよねぇ。すごいなぁと思います。
私が学生時代に受けたときは(落ちた)親から一切の金銭的援助がなかったので、バイト5個くらい掛け持ちしてギリギリでした。稽古してるとバイトも長い時間できないし。。

金銭的見通しは大事

私は別に「琉舞お金かかる!鬼畜!」とかいいたいわけじゃない。単に金銭的見通しってすごく大事だと思うんだけど、あまりにも道場でそういう説明をなされないので参照できるデータを表に出してみたというだけ。

先生方の説明ってちょっと大雑把感が否めない。「いくらかかるの?」の「かかる」の認識がずれていたりする。先生にとって「当たり前」の出費は「出費」にカウントされていない、だとか。けれど、やっぱりお金を出すにあたってそれなりに見通しは大切だと思うのよ。途中でお金足りなくなりましたいったら、もうどっかから借りるしかないわけだし、借金はないに越したことはない。あとからわんさか想定外の出費がかさむより、最初からある程度把握したうえで予算を確保したほうが安心だ。

ま、道場によりけりだし個人差はあると思うのだけど、一例として参考にしてもらえれば幸いです。

ちなみに、これらの出費に加えて月々の月謝も発生します。

ではご機嫌よう。

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