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メンバーの”声なき声”を聞いていますか?

今回は、体育会の主将としてチームをマネジメントしながら、「聴くこと」について研究していた僕がたどり着いたマネジメント手法について解説していきます。

これはかなり新しいマネジメント手法だと自分自身では思っています。

今回紹介したいマネジメントは、
これまでの

「管理する」という外から(上から)メンバーを押えこむマネジメント

ではなく、

メンバーの内発的な、内から湧き上がってくるものをうまく「コントロールする」というマネジメント

です。

従来のマネジメントの限界

従来のマネジメントといえば、いわゆるピラミッド型組織で、
ルールや制度によってメンバーの行動を外から(上から)「管理する」ことが一般的でした。

日本企業は、この徹底した管理体制のもとで1980年代繁栄してきました。

しかし、多様化が進む現代社会において、このマネジメントには限界がきています。

なぜなら、多様性が高まるにつれて、ルールや制度の解釈にも多様性が生まれてしまうためです。

僕の所属していた慶應バスケ部も多様性のある組織で、多様なバックグラウンドを持った部員で構成されています。

多様性のあるメンバーをルールや制度によって管理しようとすると、それぞれの価値観で解釈してしまい、少しずつ共通認識がズレていってしまう場面が出てきたんです。

その時になって初めて、
これまでの「管理する」マネジメントでは組織をマネジメントすることは困難になりつつあり、
多様性を尊重した「コントロールする」マネジメントが必要だと気づきました。

他者の合理性という考え方

どうやって「メンバーそれぞれの価値観を尊重したマネジメント」をするかと悩んでいた時、研究で読んでいた文献に

他者の合理性

という考え方が紹介されていました。

この考え方は、社会学の分野で生まれた考え方で、

他者から見ると非合理的な言動や行動にも、その人にとっては合理的な言動や行動である

という考え方です。

下に掲載している書籍に中に詳しく説明されていますのでぜひ!

つまり、他者の合理性とは、

その人にはその人なりの合理性(理由)があり、あなたが勝手に決めつけるものではない

ということです。

よく「あいつはだらしない」とか「あいつは真面目なように見えるけど、本当はダメなやつだ」と、こちら側の都合で人を判断してしまうことがあります。

それは、決めつける側の合理性でその人を捉えているにしか過ぎず、「あいつ」には「あいつ」なりの理由があるはずなんです。

組織内でのコミュニケーションのズレは、こうしたお互いの合理性に気づかずに、自分の合理性を相手に一方的に押し付けることによって生じてしまうのです。

多様性を尊重するマネジメントには、相手の言動や行動の背後にある、その人の合理性、つまり、”声なき声”に目を向けることが重要です。

ナラティブ・マネジメント

人には人の合理性(その行動をとる理由)が存在します。

それをルールや制度によって縛ることは明らかに不自然だと僕は考えています。

なぜなら、人は本来、利己的な生き物だからです。
利己的行動を組織の利益につながるように「コントロールする」ことが、これからのマネジメントだと思います。

このような考えにたどり着いた背景には、僕自身が大学卒業後の進路選択の際に

自分にとっての幸せはなんだろう?

と自問自答した日々があります。

そうしてたどり着いた答えは、

僕にとっての幸せのひとつは、自分のナラティブの中で生きられることである。
つまり自分の人生において、自分が主人公であること

です。

その幸福を実現するためには、

自分がやりたいと思ったことをやればいいし、間違っていることは間違っていると言えるような

安心感や安全性に裏付けされた自由のある環境

に身を置くことが重要だと思い至りました。

そして、主将となった際に、自分のそうした考え方をもとに、その環境を提供することが組織の役割であり、リーダーである自分の役割のひとつだと考えました。

そして試行錯誤を重ねた結果、

ナラティブ・マネジメント

が生まれました。

メンバーは自分の「やりたいこと」をやればいい。

その「やりたいこと」を組織の成長のためにコントロールすることがナラティブ・マネジメントです。

そのためには、構成員の”声なき声”に耳を傾けると同時に、
メンバーの自己実現のために安心感や安全性のある環境をしていかなければなりません。

ちなみに、具体的な手法はまだまだ僕自身も体系化できていません…。

まだ模索中です。

ただ、それぞれの組織に合った手法があると思います。

僕の場合はリーダーや先輩といった上の立場にいる人が聴く姿勢を常に持つことが重要でした。

こちらの意見を一方的に押し付けるのではなく、相手の意見を取り入れながらともに問題を解決しようとすることで、自然と安心感や安全性が生まれました。

正解を選ぼうとするのではなく、選んだ選択を正解にしていくことが何よりも重要だと思います。

みなさんの所属している組織はどんなマネジメントがされているでしょうか。

また、あなたにとっての幸せとはなんでしょうか。

ぜひコメントをいただけると嬉しいです!


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