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2020年振り返り — 何度も聴いたアルバム10枚まとめ

2020年に出会えて何度も聴き、良かったと思うアルバムを、10枚挙げてみました。

仕事のときは音楽を聴くことはわりと少なく(TBSラジオリスナー)、夜や週末など限られた時間が多いのだけど、2020年はやっぱりキラキラとした音楽より、音数の少ない穏やかで暖かなサウンドを求めて再生する傾向があったと思う。
特にシンプルな「歌声」に救われたというか、声によって気持ちに希望を与えてくれたり、平穏を取り戻させてもらう事が多かった一年だったなという印象。この感覚はなんとなく多くの人とも共有できるような気もしています。


Purnamasi Yogamaya / Oh My Beloved

リトアニア語と英語が入り混じり、ややくぐもった歌声で繊細に歌われる楽曲は、聞き手を鎮ませ、癒やす祈りのような印象があった。
詩的さと同時に静かなスケール感もあって、2020年に何度も繰り返し聴いたアルバム。


Hania Rani / Home

一音一音が澄み渡って聴こえてくるさまが、分からなすぎる日々の不安のなかで平熱に戻すような作用をもって心地よく響いた。ポーランドのポスト・クラシカルのピアニストとしてはこれまでスワヴェク・ヤスクウケ一択だったのだけど、そこにハニャ・ラニが新しく加わった。
特に「Leaving」は2020年、自分にとってのテーマソングの一つといってくらい繰り返し聴いた曲。


Maë Defays / Whispering

2020年は「より歩くこと」を意識した一年だったのだけど、歩く際このアルバム特にアルバム内の「Balcony」で響き渡る歌声は、ただただ気持ちよく、音楽の持つポジティブな力を受け取れる素直な喜びがあった。
大抵歩く時最初かけるアルバムはこの一枚で、それによって何度気持ちが前向きに変われたことか。


Bruno Major / To Let A Good Thing Die

ブルーノ・メジャーのこのアルバムも何度も繰り返し聴いた。一言で言えば「グッド・ミュージック」で、誰にとっても親しみと温かみを感じるメロディーと現代性のバランス。それって理想的なアーティストの姿だなと思う。


Caoimhin O Raghallaigh & Thomas Bartlett

バイオリンとピアノとが組み合わさる響きがとても心地よく、気持ちを平熱に戻してくれるようなアルバム。ジャケットはソール・ライターの写真で、その組み合わせ方もセンスとして素敵。違和感のない視覚の満足感と相まって、音楽の深みや豊かさをただただ味あわせてくれた。


Arvo Part / Alina

このアルバムが出されているECMレーベルは「静寂の次に美しい音楽」というコンセプトがあるのだけど、それを一番象徴するアルバムがこの作品じゃないかと思う。ストイックに最小限の音で作られた音楽なのに、聴く者にはただただ小さく、優しい。
2020年は「より小さくあること」にとても敬意を感じたし、それがこれからの自分のテーマになるんだろうなと予感した。


Holy Hive / Float Back To You

フォーキーな質感と暖かみのある音と、ソウルフルな甘さとメランコリックな歌声が気持ちよくて、音楽の気持ちよさを味わうに最適なアルバムだった。特に『OH I MISS HER SO』のゆったりした甘さと暖かみに癒やされた。夏によく聴いた一曲。


Lianne La Havas / Lianne La Havas

フォーキーでソウルフル、と言えばリアン・ラ・ハヴァスの新譜もすごく良くて、さっきのホーリー・ハイヴの延長線で何度も聴いたアルバム。ジャケットの笑顔も素敵。


Derrick Hodge / Color Of Noize

デリック・ホッジのこのアルバムは、音楽に備わっている芸術的な深みや重さ、そして自由さが相まって表現された数少ない作品だと思う。
ただただ音楽の格好良さと芸術性が凝縮されていて、自分にとっては一度ライブで直に聴いてみたいと願う一番のアーティスト。


Slawek Jaskulke / Park.Live

2020年、一番何も考えず、ただ何度もリピートで流し続けていたスワヴェク・ヤスクウケの公園で開催されたライブアルバム。
公園で遊ぶ子どもたちの声や、小鳥やカモメの鳴き声など周囲のサウンドが、美しいピアノの音色と合わさって、楽園的な想像力を高めてくれ、いつ掛けても心を落ち着かせてくれた。
今穏やかな気分にさせたいと思う人には、このアルバムを自分は一番おすすめします。何も考えず耳も集中させず、リピートで流し続けるだけで良いと思います。音楽への意識をさせない音楽。

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