「灯台守」
自分さえも
こんなに思うにまかせないから
まして君には伝えきれないことばかり
もどかしくやるせないままで
けれどこれは君の人生
わたしのものではない
それでももっと伝えられることが
あったのではないかと
自問自答を繰り返す母です
寒い思いをしてはいないか
ちゃんと食べれているのだろうか
何処までいっても君の母です
他人(ひと)は愚かと言うでしょうが
手を離したとて愛情に
何の変わりがあるはずもなく
君よ、どうか
この人生の荒波を
その手で泳いでいけますように
母は、せめて
この小さな灯台で
灯火(ともしび)守っておりますゆえに
君の往く道、幸あれと
ずっと、灯しておりますゆえに
【詩集】「三日月想詩」つきの より
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