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少し遅くなった買い物からの帰り道 暗くなった空に、まん丸お月さま だいぶ寒くなりましたね…
もう今は無くなってしまった 路面電車の電停で 学生時代のわたしたちは よく待ち合わせをして…
人間はその一生で 汚れや澱みを その身に重ねながら生きる 間違いもせずに 嘘ひとつ吐かない …
わたしはずっと 親であり、子でもあったのだけど 今はもう 子ではなくなってしまった 誰かの…
もう10月も終わりかけというのに 自然の中では まだまだ緑が逞しく繁っている 踏み込む足を、…
繋ぐもの 確かめるもの 想いだすもの 細かな傷がついて 色褪せて すっかり古びてしまった く…
Girl……そう呼ばれた日もあったわ 臆病をいいわけにしていたの 本当の怖さなんて知らなかったくせに 飛べない翼だと思っていたけど ただ気づいてなかっただけ 羽ばたきさえすればよかったのに Girl……過ぎていく歳月はあっという間 心に抱えたままの想い捨てられないまま 今では翼の朽ち果てたOld girl ヒールの高い靴も履かないまま お化粧も下手なままだったのを 後悔しているわけじゃないのよ Girl……ただね、あの時に羽ばたいていたら 少し違った景色を見ることがで
書いては消して また書いてはやっぱり違うと消して ダメな時はこんなもの この際全部、綺麗さ…
最後の蝉が鳴くまでは まだ少し間があるはずの九月はじめ 一匹の蝉の鳴く声が 玄関ドアの向こ…
人が怖くて堪らなかった時があった 思いもかけない所からの不意打ちで 怒りよりも驚愕といたた…
「あれは戦後すぐのことやった。敦子と典子は進駐軍のジープにはねられて。それがもとで死んで…
どうしても忘れられない傷があって どうしても許せない人がいて あんまり歳月が経ちすぎて 忘…
なんやかんやとありますけれど まだまだ笑えておりますゆえに 暮らしの厳しさあるにせよ 今日…
この心ほど 思うに任せぬものは無し 忘れようと 願うものほど蘇り 忘れまいと 祈るものほど零れゆく これほどに 揺れて乱れるものならば いっそ動かぬ石となり 全てを止めてしまおうか そんなことすら思いつつ できぬ自分に苦笑する 嗚呼 この心ほど 思うに任せぬものは無し あやして宥めて歩く道 わたしと心と二人連れ 浮世の旅を今日も往く 【詩集】「満月音匣」つきの より