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もの思い眠れない夜 自分の内側にある深淵と 語り合うにはちょうどいい 静寂は心を澄ませて 小…
しばらくは雨が続くと ラジオの天気予報でいっていたから 今日は思い切って 街中の紫陽花を探…
伝えたいことは たくさんあるはずなのに いつも喉でつかえてしまうの わかっているけど話さな…
バスに揺られて隣町まで バスに揺られて、うつらうつら 昨日はあんまり眠れなかったの バスに…
少し遅くなった買い物からの帰り道 暗くなった空に、まん丸お月さま だいぶ寒くなりましたね…
もう今は無くなってしまった 路面電車の電停で 学生時代のわたしたちは よく待ち合わせをしていた 別々の高校に通っていたから 一緒の電車に乗って 途中まで話しながら学校へ向かう朝は 楽しいひと時だったね わたしの母校もキミの母校も 今は名前も変わり 場所も移転して 元の場所にはもう無い 銀天街は寂れてしまって 一緒によく行った本屋さんも とうとうこの前、店を閉めた こんな風に時間の残酷さを知る キミと過ごした場所が どんどん無くなっていく キミがいなくなってからはせめて
人間はその一生で 汚れや澱みを その身に重ねながら生きる 間違いもせずに 嘘ひとつ吐かない …
わたしはずっと 親であり、子でもあったのだけど 今はもう 子ではなくなってしまった 誰かの…
もう10月も終わりかけというのに 自然の中では まだまだ緑が逞しく繁っている 踏み込む足を、…
繋ぐもの 確かめるもの 想いだすもの 細かな傷がついて 色褪せて すっかり古びてしまった く…
Girl……そう呼ばれた日もあったわ 臆病をいいわけにしていたの 本当の怖さなんて知らなかった…
書いては消して また書いてはやっぱり違うと消して ダメな時はこんなもの この際全部、綺麗さ…
最後の蝉が鳴くまでは まだ少し間があるはずの九月はじめ 一匹の蝉の鳴く声が 玄関ドアの向こうから聴こえてくる まるで生きた証を知らせるように 自らの夏の終わりを惜しむように 一生のうち大半を土の中で過ごして 地上に出てきた蝉のうちの一匹 それでも、その蝉にとっては それが、それこそが命のすべて わたしは耳を傾けて じっと蝉の声を聴いていた 蝉の一生 その有り様を哀れだなどと思うのは あまりに傲慢だろう 蝉の一生も人の一生も 一匹一匹、一人一人、それぞれ ただ懸命に懸命に生