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キルギス通信Vol.8 2015年版 再発行

このキルギス通信は、筆者が2014年~2016年にJOCV(青年海外協力隊)のコミュニティ開発隊員として、キルギスのチョルポンアタ市役所で働いた際の日本の取引先や同僚に向けた月刊通信です。少し情報は古くはなりますが、キルギスらしさを十分感じていただける内容ですので、ご笑覧ください。

Саламатсызбы?(さらまっとすずぶ? 元気ですか? キル語)
こんにちわ、かぬしゃいです。

ウィーンもようやく春の陽気になってきたところだったのですが、今日はまさかの雪です。最高気温も4度。
三寒四温とはよく言ったものですが、こちらは極寒四温です。

さて本日も、キルギス通信の再発行をお送りします。PDF版はこちら↓

КЫРГЫЗ-キルギス-通信 ~大草原の小さな国から~ Vol.6 2015.4.13発行

春まであと1歩…

あんずの花の蕾も膨らみ始め、いよいよキルギスも春まであと少し。心なしか緑も増え、日の入りも19時までに!!子供達も楽しく遊んでいます。

キルギスの春の訪れとともに、私の仕事もちょっとずつ動き出しました。
私のミッションは、「チョルポンアタ市の観光振興で地域経済を活性化する」という一見ややこしそうな指令。
しかし、自己解釈(!?)をした結果、今は、チョルポンアタ市のイベント広報や外国人観光客向けのサービスの向上、地域の女性達が作ったお土産品の販売支援などを行っています。

ようやくキルギス語や、キルギスの食事の量(危ない!?)にも慣れて来たので、キルギスと日本のためになにかできればなぁと思いつつ、日々市役所に通勤しております。

この日はキルギスの伝統的な帽子(カルパック)の日でした。
キルギス国旗の真ん中にあるのは太陽とボズウイの天窓。

さて、今回は、3月21日のキルギスのお正月「НООРУЗ(ノールーズ)」の紹介です。

ノールーズもやっぱり食欲旺盛!

キルギスでは、タジキスタン(イラン系の国家)に接していることもあり、イラン系イスラム教の新年「ノールーズ」が盛大に祝われます。
私の市役所でもイベントを実施し、子供達の出し物や、どのボズウイ(ユルタ。モンゴルでいうゲル。遊牧民の移動式住宅のこと。)が一番美しく、どのボズウイのおもてなしが一番かを競い合うボズウイの選手権を行いました。(ボズウイの特集はのちほど!)

ボズウイの中では、いつもの豪勢な料理が振る舞われ、親戚や知り合い達がお互いの健康や幸せを祈り合います。それって、2ヶ月前の新年の時と同じじゃん?という質問は受け付けません!笑

黒い液体!?これは一体?

ノールーズに欠かせないのが、スモロクといわれる飲み物。

飲み物とは思えない色…。

材料は、小麦、大麦、砂糖など、ありとあらゆる物が入っています。(もはや闇鍋…。)全て混ぜるから簡単じゃん!っと思いきや、1日中持ち回りで混ぜ続けなければならないという意外にもくせ者。

そしてお味はというと…黒砂糖を溶かしたなんだか懐かしい味。
1年に1度きりなので、みんなたくさん飲みます。ちなみに私は、3口でごちそうさま…。
ご興味のある方はスモロクづくり youtube(https://www.youtube.com/watch?v=PATpYPxasP4) を見てみてください。良い動画がロシア語しかなかったのですが、雰囲気で楽しんでいただけるかと思います。

そしてノールーズと言えば馬!!食べるのも重要ですが、大きな町では、騎馬の競技も盛大に行われます。
食べる場合は、大人4、5人ががりで屠ってから、大きな鍋で茹でて、そのまま食べたり、プロフにして食べたりという大胆なスタイル。

また、キルギス人はノールーズのトイ(宴会)を何度も開くため、みんなトイが始まる前から既にお腹いっぱい。ということで登場するのが、主婦の味方「ビニール袋」。

女性達は此処ぞとばかりに料理を詰め込みます。
食べる事よりも詰めることのほうが目的と化しているトイは、お祭りというよりもまさに女の戦場だったのでした…。

コラム1 ノールーズとは

ノールーズのイベントの様子

3月21日は日本では春分の日ですが、イラン暦ではこの日を新年(ノー=新しい、ルーズ=日)と言います。その起源はイスラム教発生よりも遥か昔と言われており、イスラム的な習慣というよりもイラン(ペルシャ)的な習慣と言えます。
イランやトルコに住むクルド人の間では、火を焚いて飛び越える儀式が一般的ですが、中央アジアの国々では「イスラム」の新年として、国家的な祝日となっています。

コラム2 キルギスの台所

中央アジアのうどん「ラグマン」

野菜が豊富なのが売りです。

中国系ムスリムが持ち込んだとわれるラグマン。野菜と肉を煮込んだトマトベースのスープに麺を入れます。こってりですが、栄養たっぷり!
手作り麺のラグマンは最高の一言!
1人前100com~(200円~)

コラム3 キルギスクイズ

乾燥地帯のキルギスですが、周辺の山々からの雪解け水で、中央アジアで最も水が豊富な国です。
キルギスを象徴する水!さて、キルギス語ではなんというでしょうか?

1,バダ
2,クル
3,スー

答えは次号で。

コラム4 大草原のひとりごと

キルギスに来てから、はや半年。あっという間でもあり、もう1年くらいいたんじゃないかと錯覚を起こすほどこの環境に慣れました。(いい意味でも、悪い意味でも。)
今まで一度も日本に帰りたいと思ったこともなく、ここまでは順調に来ているのかなぁと思っています。っと言いつつ、キルギス人の行動が理解できずにイライラしたり、油っぽいご飯に苦しめられ続けたりと、苦労もそれなり…。
全てを好きになることはできないのだろうけど、受け止めることならばできるのかなと思い、ゆっくりと成果を上げていけたらなぁとのんびりと生活しております。
пока!(パカ 露語でさようなら)


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