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ケイスリーにおけるファシリテーションって何だろう?(研修参加レポート)

ちまたで「リモートワークになってから会議が増えた」という声をよく耳にします。会議をファシる(ファシリテートする、の意)機会が増えた方も少なくないかもしれません。コンサルティング事業を行う中、多様な関係者と対話を行う弊社では、ファシリテーション能力は社員が重視すべき能力の一つとして挙げられます。レクチャーやワークショップ等の実践をとおし、ケイスリーにおけるファシリテーションとはどうあるべきか、弊社内でも議論を重ねてきました。

そんな中、1月下旬に株式会社ミミクリデザイン(通称ミミクリ)さんによるファシリテーション研修を社員全員で受講させていただきました。「ファシリ以外にも(学んだことを)活かせそう」など、社員の中で多様な反響がありました。今回は本研修で得た学びについてご紹介します。


研修の概要

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今回はお二人の講師が、「問い」のデザインをメインテーマに研修を設計・実施してくださいました。オンラインでのレクチャーとワークショップを組み合わせた形式で4時間、盛りだくさんの内容でした。

● 目的
(コンサルタントを中心とする)社員がワークショップの中でステークホルダーと合議し、創発していく場をファシリテートするための基礎概念を、組織として学習する。
● テーマ
対立から対話を促す問いのデザイン

研修はケイスリーにとってのファシリテーションとは何か?という問いから始まり、次いでミミクリさんの考えるファシリテーションについてのレクチャーが行われました。その後に実際に「問いのデザイン」を行うための二つのワークに取り組みました。

私たちの学び

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研修後、社内で振り返りをしてみると社員それぞれ多様な学びがあったことがわかりました。その中で、複数の社員に共通して得られた学びとして、ファシリテーションにおける問いそのものの重要性、対話に向けた事前準備の必要性、ファシリテーター以外がファシリを意識することの3つが浮かび上がりました。

① ファシリテーションにおける問いそのものの重要性

一つは、新しい価値を模索する対話の場におけて、問いこそがファシリテーションのカギになる、ということ。ミミクリさんは、

ファシリテートする側も他の議論の参加者も、問の答えがわかっていない状態で話し合う「対話」において、本当にそれが説くべき課題なのかを疑いながら、各自があるべき方向に進もうとするエネルギーをまい進させること

がファシリテーションと定義します(ただし、これが絶対的な答えではないとのこと)。

ケイスリーのコンサルティング業務でも、AかBかの二項対立的なディベートではなく、まさに互いに新しい価値を模索する「対話」の場面がほとんどです。対話では、問い方次第で最終的に導かれる対話の答えが左右されます。そのため、相手や対話の目的に合わせた良い問いを行う必要があります。良い問いを立て対話を先導していくことこそが、コンサルタントとして求められる価値の一つでもありますが、だからこそ「問いを立てることを日々の業務で積み重ねたい」という社員の声もありました。

② 対話に向けた事前準備の必要性

また、いくらクリティカルな問いを出しても、その問いが場に対して唐突すぎると、問われる側に問いの意図が伝わらず、創造的対話が起こりにくいことを学びました。対処の一つとして、どの場面でどのような問いを対話の参加者に投げかけるか、事前に場を設計・計画する、ということがあります。この「問いの場の事前設計の大切さ」が、2つ目の学びです。

本研修では、議論の各段階における効果的な問いかけについて構造的に設計する「問いのプロセスデザインワーク」を行いました。その中で、今はどの段階(前提をすり合わせる段階、アイデアを発散・収束させる段階など)かを見極め、問いの内容や問いかけ方を模索する必要性を学びました。研修後の社内の振り返りでは、「どんな場を設計したいかから逆算で考えることを学んだ」という声もありました。

③ ファシリテーター以外がファシリを意識する

ファシリテーター以外もファシリテーションを意識することが必要だ、という気付きを得た社員もいました。研修で講師の方が強調したことの一つが、「ファシリテーターとファシリテーションは違う」ということでした。ファシリテーターは役割を表すのに対して、ファシリテーションは、問いを用いながら対話の中で新しい価値の創出を促進する行動を表します。この行動を、ファシリテーター以外も参加者一人ひとりが意識することで、よりよい対話の場に繋がります。

他にも、研修で学んだことを今後どう活かしていくかについては、「実際の議論の場で実践する」ことはもちろんのこと、「問いの考え方は、物事の分析やエンジニアリングにおける要件定義にも活用できそう」という声もあり、今回の研修を通じて、コンサルティングや営業だけでなく、エンジニアリングやデータ分析といった業務にも良い影響がもたらされそうです。

これから

ケイスリーのValue(大事にしている価値観)には、

● Impact First(世のため人のためを追求する。)、
● Be the Change(起こしたい変化に自分自身がなり、主体的に世界を切り開く)
● Respect(それぞれの視点・価値観を尊重し、違いを超えて新しい世界を創り上げる)


があります。これらの価値観は、「対話の中で問いを投げかけ、新しい価値の創出を促していく」ファシリテーションと共通する部分があります。
ケイスリーはこれからも、社会と対話し、良い問いをクライアントや関わる人々に投げかけるファシリテートで、ビジョンである「一人ひとりが自分らしくあれる社会」を目指します。

(文責 インターン・土屋優介)


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