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経済発展の裏で起きていること 探究学習塾ナミカゼ#8_経済回①

日付(所要時間):2023年9月19日(計90分)
場所:気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ
学年(人数):1〜3学年有志(計2名)
概要:探究学習塾ナミカゼ2023 第8回目 経済回①
コーディネーター:加藤・成宮・渡邊・三浦・永峰

今回の探究学習塾ナミカゼ#8では、前回までの「テクノロジ―」回が終了し、今回からは新しいテーマ「経済」回に突入しました!

「経済」って、またなんだか難しそうな響き…。
高校生にとっては親しみのある分野とは言い難いかもしれません。
今回のナミカゼは経済回1回目ということで、そもそも「経済とはなにか?」というお話からスタートしました。

経済といえば、よく耳にするのは「資本主義」と「社会主義」。 
資本主義とは、個人が自由に土地やお金・道具などの資本を持ち、商売できる経済のこと、社会主義とは、生産手段を社会全体の共有として、個人が私有することを認めない経済のことです。

貧富の差が拡大し続ける資本主義経済に対して、社会全体を国が保障していこうと生まれたのが社会主義。しかし、競争が生まれない社会主義経済において人が働かなくなってしまい、結果として生産性の低下が起きました。

…どちらが良いとは一概には言えませんが、いま世界で主流とされる資本主義経済も、今まで通りの形では「持続可能的な社会は作れない」と言われています。

なぜそのように言われているのか?
今回のナミカゼでは、その背景が分かる”経済が地球に及ぼしてきた影響”について特集された、NHKスペシャルの動画を視聴しました。

ヒューマン・エイジ 人間の時代 第1集 人新世 地球を飲み込む欲望https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/26X685NG38/

~~ 特集内容を一部ご紹介 ~~
1950年以降の地層においてはプラスチックと重金属等が多量に検出されるようになり、エネルギーの過剰消費が地層にすら表れるようになりました。脊椎動物の7割近い個体数がこの数百年で減少していることが分かっており、地層学においては“人の欲望がつめられた時代”として、「人新世」という名前をつけることが検討されています。
なぜ社会はそれほどまでに、過剰な消費と発展を遂げてしまったのか?
その答えは、人間特有の欲望「課題解決欲」によるものなのではとささやかれています。課題が解決された時、人間の脳には快感や多幸感を得る「ドーパミン」が放出されています。必要以上の開発が進んでしまう背景には、人間特有の“欲望”が隠れているのでは、と考えられているのです。
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動画の視聴後にみんなで感想を話し合いました。

  • ドーパミンの存在自体は知っていたけれど、経済の話とドーパミンの話が繋がるとは思わなかった。

  • これだけ生き物の個体数が減ってきてしまっている世の中で、生態系ピラミッドの一番上の階層に人間がいるのだとしたら、ピラミッドの一番上にいる生き物の個体数が多いのは、おかしな現象だなと思った。バランスが崩れてしまいそう。

  • 経済というシステムは人間独自のものなのだから、エネルギーの過剰消費や経済の過剰発展の問題も、人間が解決していかなきゃいけないことだと思った。

  • 「豊かさ」とはなんなのか?課題解決欲があるということだったが、その「課題」をどう設定していくのかが、これから問われていくところだと思う。

過剰な資源消費や発展を遂げてきた経済のしわ寄せが、いま様々なところで問題となってきています。途方もない大きな問題に思わず「どうしたらいいんだろう…」と頭を抱えてしまいそうになりますが、ヒントになる意見も出てきていました。

今回、人間特有の欲として「課題解決欲」という言葉が出てきましたが、欲のベクトルを少し変えてみるだけで、軌道修正が出来る可能性があるのかもしれません。例えば、課題を「限られた資源のなかで何を優先的に守っていくのか?」というものに置き換えてみる…などなど。

この場で明確な解は出なくとも、課題に向き合って議論し続けることの大切さを、身を持って体感する第1回目の経済回となりました。

(文・気仙沼学びの産官学コンソーシアム 永峰苑佳)

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