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「悩みを聞く、って特別なスキルなんだ」

なぜだか分からないけれど...僕は相談役になることがある。
話しやすい雰囲気があるのか、聞き上手なのかは分からない。
それはずっと以前からのことで、一時期「悩みを聞く」ことに耐えられない時期を経験したこともありました。

「悩みを聞く」って、実は誰にでもできることじゃないんです。
間違いなく特別なスキル。ちょっと地味だけど。

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相手の言葉を否定しない。
相手の気持ちに寄り添う。

うん、「悩みを聞く」ってそういうことなんだと思う。
実に簡単そうにみえて、実は簡単じゃない。
僕が耐えられなくなってしまったのは「相手の感情に飲み込まれてしまった」からなんだ。

人の悩みの大半は、ツラい気持ちや悲しい気持ち、理解して欲しい気持ち、憤りの気持ち。そういった感情なんだよね。

相手の感情を受け止めるには、受け止める側がドッシリと構えていないといけないんです。もしくは、受け流すぐらいのテクニックが必要だと思ってます。

僕にはそれらの準備ができていなくて、勢い良く流れ出る感情に耐えること出来なかった。溢れ出る感情は、そのまま僕の感情も一緒に飲み込んでしまった。

相談することを否定したんじゃないんです。
ただ、「悩みを聞く」って生半可な覚悟じゃできない。そう思った体験でした。

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一時期ね、相談されることが嬉しくって、誰かの力になれているって調子に乗って、心理カウンセラーや心理士になろうかと思ったことがありました。

でも、この体験を通して、それらの仕事に就くことを辞めました。
僕には誰かも知らない人の感情を受け止めることはできない。きっと、誰かの感情に自分の感情が引っ張られてしまう。そう思ったから。

自分にできることって何だろう。
自分が本当にしたいことって何だろう。
そう自問自答したとき、出た答えがあります。

自分の手の届く範囲の人たちの助けになりたい。
それができるだけの精神力というか、振る舞いというか、テクニックを身に着けたい。

守れなかった苦い経験をもうしないために。
目の前の小さな事象を取りこぼさないように、悔いのない行動を取る。

それがちっぽけな僕にでもできる、本当にしたいこと。

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「悩みを聞く」ことで、相手の感情に飲み込まれてしまう人へのアドバイスができるほどの、経験もテクニックもないのだけれど....

「悩みを聞く」って、誰にでもできることじゃない。
とても大切で、とても難しい、特別なスキル。

それが伝えたくて、言葉にしてみました。

いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。