受験生と保護者(児童養護施設の場合)
受験生にとってはいよいよヤマ場となる冬休みが、いよいよやってきます。
大阪では私立高校の授業料無償化もあって、早く受験が終わることもあって、公立高校よりも私立高校に人気が偏っています。
しかし、児童養護施設に入所していると、色々なものを秤にかけてリスクマネジメントをしないといけないので、簡単に私立高校に進学させるわけにはいきません。
そして、これは児童養護施設だけの問題ではありませんが、そもそも子どもが高校生活に不安を抱えたり、進路、つまり人生の分岐点に立つことで自分の生活を考え直したりすることで、色々な葛藤をして受験に向き合えないこともあります。今、僕が関わっている男の子が1人、まさにその状況です。その子はかなり幼いので、不安も葛藤もその表現の仕方も、もう少し頑張ってほしいなあと思うんですが。
それでも僕の前ではそれなりに話もできるし、本当に最低限の勉強はするからまだマシなんですが、若い保育士さんや優しい保育士さんの前だと、なかなかそうはいきません。
保育士さんも困っています。
ただ、子どもを進学させたりそのための勉強をさせたりすることの意義や目的について、施設職員としてどんな風に考えるべきかは、大切なことだと思っていて。
その保育士さんと先輩保育士が話をしていて、
「子どもの対応に困っています」
「あなたはその子どもにどうしてほしいの?」
「勉強してほしいです」
「じゃあ◯◯したらいいんじゃない?」
というやりとりがあったようです。
その先輩保育士は、
「なんで勉強してほしいの?」
「勉強して、高校に行って、どうなってほしいの?」
と聞くべきだったのではないでしょうか。
勉強は目的ではなくて手段だし、子どもにとってあまり楽しいことではありません。上の方で書いたように、その先に待っていることが楽しいかどうかもわかりません。
先輩保育士は、「勉強の先にあるビジョンを一緒に描くためにできることは何か」を考えるように指導するべきだったのではないでしょうか。
児童養護施設だけでありませんが、受験に悩む子どもやその保護者の課題は、受験の意義が明確になっていないことに拠るところが大きいんじゃないでしょうか。
難しいんですけどね。だから焦ってはいけないと思います。