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なぜ私が最初にギムレットを頼むか

バーに行ってメニューがない!
何頼めばいいんだろう…

これバー初心者の方は誰もが陥る現象です。

でもこれに正解はなくて自分の知っているカクテルや好きなカクテルを頼むももちろんよし、バーテンダーの方におすすめを聞いてそれを飲んでみるもよし、気分を伝えてその気分に合ったカクテルを作ってもらうもよし。
別に正解のあるものではないです。

今回はあくまで私がこういったこだわりを持っているというだけの話ですので、面白いなと思えばぜひ参考にしていただきたいですが、これが正解ではありませんので、皆さん自分のお好きなようにバーを楽しんでいただきたいと思います。

私は、初めて行ったバーでは必ず一杯目に「ギムレット」を注文します。
今回はこれについて少し小話をさせていただきます。

そもそもギムレットとは

私の敬愛する東京 神楽坂のサンルーカルバーさんのギムレットを載せてみました。
詳しくは私のインスタの投稿をご覧ください。

ギムレットはこちらです。(氷がついているのは銀座テンダースタイルです。これはまた後日お話しましょう笑)

ギムレットの標準的なレシピは以下の通りです。

ショートカクテル
ジン 45ml
ライムジュース 15ml
2つを混ぜあわせてシェイカーでシェイクする。

ほんとにこれだけ。
非常にシンプルなカクテルです。
一般的にはこれにシロップを少々加えることも多いです。

ギムレット(Gimlet)とは英語で錐(きり)を表します。錐ってあの工具の錐です。錐のようにキレのあるとがったカクテルであることを示していることからカクテルの名前がつけられたとも言われています。
アルコールは約30%。これを聞いたらとがったカクテルというのも納得ではないでしょうか。

しかし、これは一説に過ぎずイギリス海軍医のギムレット卿が由来であるという説もあります。イギリスと言えばジンですが、艦内で水平さんたちはそれをストレートで飲んでいたようです。それを見ていたギムレット卿は、ライムジュースを混ぜてアルコールを低くして飲むことを考案したようです。水兵さんたちの健康を気遣ったわけですね。

いずれにせよ非常にシンプルなカクテルなのです。

なぜ私がギムレットを飲むか

きっかけはそんな大したものではなくて…
レイモンド・チャンドラーの「ロンググッドバイ」という小説でこのカクテルが出てくるのです。

「"I suppose it's a bit too early for a gimlet," 」
「ギムレットにはまだ早い」

なんとなく聞いたことある方もいるんじゃないかなと思います。

それをかっこつけで飲み始めたのがそもそものきっかけなんですよね…
なので、まったく高尚なものではありません笑


でもカクテルとして非常に好きなカクテルなので、これを自分のベンチマークにしていこうと決めました。
ギムレットを飲むことでそのバーのこだわりを知ることができます。


ギムレットは、単純ながら非常に奥深いカクテルです。
まずそもそもどのようなジンを使うのか。
定番のビーフィーターやタンカレー、ゴードンを使うのか。
香りの強いボンベイサファイアやザ・ボタニストを使うのか。
それともこだわってクラフトジンを使うのか。
ベースとなるジンが変わることで大きく味わいは変わります。

ジンと併せるのはライムジュース。
ライムジュースと言っても市販のライムジュースを使っているバーもあれば、実際にライムを絞ってライムジュースを作っているバーもあります。
ライムを絞るとなれば、そのライムの鮮度やどこまで熟しているか、絞り方はどうかなどで出来上がるカクテルは変わってくるものです。

ここからシロップをどの程度加えるか。加えればもちろん飲みやすさのあるカクテルにはありますが、ドライな感じはなくなる。

そして肝心のシェイク。
ハードシェイクをするのか、それとも緩めに行うのか。
そこまでシェイクすれば、ジンとライムジュースが混ざり合うのか。
すべてバーテンダーの腕とこだわりでひとつのカクテルが出来上がっていくのです。

ここまで様々な選択をして、バーテンダーの方は一杯のカクテルを作っています。
それを楽しめるというのがまさにバーの醍醐味なのだと思います。

さいごに

つらつらと小話をしてしまいました。

最後にお伝えしておきたいのは、決して私はバーテンダーの方を試しているわけではありません。
たまにふらっときたお客さんがスタンダードカクテルばっかり頼むと、バーテンダー側からしたら同業者だと思ったり、試されていると思ったりされることもあるようですが、決してそういうことをしたいわけではないです。

あくまで自らのベンチマークとしてギムレットを利用しているだけです。
これはあくまで主観的なもので、飲みやすいギムレットが好きな人もいれば、ドライなギムレットが好きな人もいます。
ここにギムレットはうまい!というのは、あくまで私の主観に過ぎないので、私があまり好きじゃないギムレットが出てきたからそれが悪いバーだとは思いません。

皆さんも自分の好きなカクテルをベンチマークとしていろんなバーを巡ってみてはいかがでしょうか。
最初のカクテルに迷った場合は、ギムレットおすすめですよ!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも小話を少しずつつづっていきます。




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