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新しい力を柔軟に受け入れる組織は、今働いている人にも優しい組織な気がする

ちゃんとした大人がすなる
【日経新聞連動テーマ企画】といふものを
いつもふざけたnoteしか書かぬ女も
してみむとてするなり。

ということで今回は、こちらの話です。

リモートワーク推進により期待すること

日本のリモートワーク化、進みましたね。
総務省の「テレワーク・デイズ」等よりなにより
コロナで推進されたのは皮肉なものですが
(「テレワーク・デイズ」は
2020年のオリパラに向けた
プロジェクトだったんですよね…)
私はリモートワークの推進、大歓迎です。

今回のテーマで求められる内容と
ちょっとずれるかもしれないのですが
私はリモートワークが推進されたことで
「いままで就労したくてもできなかった」人が
就労しやすくなる未来を期待しています。

もう少しつっこんで具体的に言うと
「就労したいけれど通勤がネックで
 就労の機会に恵まれなかった人」が
就労しやすくなるといいなと思っています。

「障害者雇用促進法」ってご存じですか?


厚生労働省による概要はこちらですが、
そんなに興味ない人は確実に読む気が
ひゅんっと失踪すると思うので簡単に説明すると

「障害者も社会の一員として活躍するために
障害者の安定した雇用を目指すよ!
つきましては民間企業や公共団体は
一定以上の障害者を雇用してね!
未達だと納付金もらうからね!
超過してるところには逆に調整金をあげるよ!」

みたいな感じのものです(相当乱暴)。

※「え?罰金取るの?」と
  思われるかもしれませんが
  障害者雇用の義務を果たしていない企業からの
  納付金を主な財源にした調整金を
  義務を果たしている企業に払うことにより
  双方の経済的な負担の不公平感を調整する、
  という目的のもので、罰金ではありません。

この法律により、
民間企業は従業員数の2.2%に当たる人数の
(2021年3月末までに2.3%に引き上げ予定)
障害者を雇用する義務が課せられています。

従業員が46人の民間企業であれば
1人は障害者を雇ってね、ということです。

この法律の基準を満たすために
「障害者採用枠」を企業は設けていますが
コロナ以前は通勤が必須、という求人が
ほとんどだったように記憶しています。
(私の検索能力が低いだけかもしれません)
「自家用車による通勤OK」など、
配慮はあっても「会社に来ること」が
「当たり前」だったのです。

当たり前にできるように思われる「通勤」、
障害者にとっては高いハードルであることが
少なくありません。

コロナによって多くの人の「通勤」に障害が生じた


私は障害者の「障害」は
「障害者」の内にあるものではなく、
社会との間にあるものだと思っています。

このコロナで、多くの人が
通勤ができず自宅作業となりました。

通勤に障害が生じた、
多くの人が「障害者」でした。

この期間、
いろいろと混乱や戸惑いはあったにせよ、
多くの人が「自宅でも仕事はできる」
となったのではないでしょうか。

通勤は難しくても
適切な設備、サポートがあれば働ける。

リモート環境が整ったことにより、
通勤が困難な障害者の採用が
しやすくなった企業は多いと思います。
実際、「初のリモート採用」と書かれた
障害者求人も出てきています。

リモートであれば能力を発揮できる人材

一言に「障害者」といっても、
その障害の種類はや程度は様々です。

私の弟には脳性麻痺という障害があります。
パッと見で「障害者だな」と
わかるレベルで麻痺があるので、
もしかしたら「働くなんて無理そう」と
思う方もいるかもしれません。

しかし、弟には確実に
私よりパソコンの知識があります。

違和感のある歩き方ながら歩行が可能で
通勤ができ、一般企業に勤務中です。

操作ミスでデータを消してしまった同僚の
データの復旧をしたり、
社内のシステムを作ったり、
楽しく働いているみたいですが
この採用も通勤が必須だったそうです。

「通勤」という条件により
働く意思や能力があるのに
就労できなかった人は少なからず存在します。

しかし、このコロナによる
リモートワークの推進により
そういった人たちが輝くことのできる時代が来た
と私は思っています。

目が悪ければ眼鏡をかけるように

例えば、職場にものすごく目が悪くて
そのせいで作業効率が落ちている人がいたら
「眼鏡作ったら???」って言いますよね。

(私はめちゃくちゃ目が悪いので
 眼鏡がなかったら、仕事どころか
 生活もままなりません……。)

そんな感じで、働く意思がある人に
「リモートなら働けるならぜひ!」
となってほしいですし、
それをきっかけにリモート以外でも
「こうしたら能力を発揮できるのでは?」と
柔軟に対応できる組織が増えてほしい、
ひいてはそういう社会になってほしいなと。

適切なサポートや配慮で、
新しい力を受け入れることができる組織は
今、組織にいるあなたにも、
きっと優しい組織です。

病気、妊娠、出産、育児、介護……
社会との間に「障害」が生じる可能性は
誰にでもあります。

そんな時に
「こんなサポートがあれば働けるのでは?」
「こういうことに困っているのでは?」と
提案、改善する下地ができている組織は
優しく、強い組織だと思います。

どんなにいい組織でも、ソフトは「人」です。
組織に大事にされる、
働いている人同士が大事にしあう、
そういう環境はモチベーションが底上げされ
成果も出やすくなるのではないでしょうか。

サポートによって「できること」は無限大


「働く」ということは、
「社会とつながる」ということだと
私は思います。

障害のある人がリモートで分身ロボットを操作し
接客する「分身ロボットカフェ」、
私は第1回開催時に見学に行きました。
(私の数人前で整理券が終わってしまって
 外から見るだけになってしまいましたが…)

寝たきりでも接客ができる。
言葉を発せなくても
視線入力で意思疎通ができる。
サポートがあればできることは無限大です。

「サポート」で助けられるだけの存在ではなく、
それにより能力を発揮し、誰かを助ける。

たとえ寝たきりになったとしても、人は助けられて生き続けたいわけじゃない。できるなら、誰かを助けて生きていたいのだ。
ALSや寝たきり患者だけの話ではない。
人はいつか外出困難者になる。

吉藤オリィさんのnote内には
はっとする言葉がたくさん出てきます。

今この状況は、私たちが、社会が、
いろいろなことを「自分ごと」として考える
タイミングなのではないかと思います。


そして私はいま、5歳の娘と
「あつまれ どうぶつの森」を楽しんでいますが
最近こんな記事も見つけました。
(日経さんの企画なのにすみません)

たぶん、この佐藤さんと
通信をつないで「あつ森」を一緒にプレイしても
相手が障害者だとはわからないと思います。

「今の時代、テクノロジーとアイデア次第で
 何でもチャレンジできる。」
その通りだな、と思いました。

組織を優しく強くするために、
障害者採用についてもう一歩
チャレンジする企業が、
そして、障害のある方が、
増えていくといいな、と思います。

いただいたサポートは娘たちとの楽しいことに使わせていただきます!