見出し画像

サッカービジネスは稼げるのか!?プロクラブ、メディア、スクールなど裏話も交え解説

おはようございます!kenyaです!この前、スポーツメーカーの記事を公開したばかりですが、立て続けの更新になります。

今回のタイトルは「サッカービジネスは稼げるのか?」で、これまでサッカースクールやメディア、メーカーなど様々な記事を書いてきましたが、それらをビジネスとしてやるのは、果たして稼げるのか?という点に着目してみたいと思います。私はサッカースクールをやりながら、某Jクラブやサッカーメディアに関わっているため、それらの話と様々な関係者からの話をもとに記事を書いていきたいと思います。今回も裏話や独自情報も比較的多くなっていますよ。

今回はこんな方向けの記事になります。
・サッカービジネスに興味がある
・サッカー界に就職、転職したい方
・サッカー業界について知りたい方
・プロクラブやメディアなどの裏話を知りたい方

目次
・Jリーグクラブの収入源とは?プロクラブの商品って何?
・Jリーグクラブの売上ってどのくらい?欧州ビッグクラブと比較
・サッカーメディアの収入源は?メディアは稼げるのか!?
・サッカースクールは稼げるのか?
・サッカービジネスならでは特徴やサッカービジネスが難しい理由とは?

Jリーグクラブの収入源とは!?プロクラブの商品って何?

まずは、日本プロサッカーリーグであるJリーグの収入源についての話をしていきます。1993年5月に開幕したJリーグ。それまではプロのクラブは読売ヴェルディ(現在の東京ヴェルディ)ぐらいでしたが、Jリーグ開幕後は浦和レッズや横浜・マリノス(現横浜F・マリノス)、鹿島アントラーズ、清水エスパルス、名古屋グランパス、サンフレッチェ広島など開幕時の10クラブの全てがプロ化しました。一部、社員選手という選手もいたようですが。そして、開幕時の10クラブはオリジナル10と呼ばれています。私はJリーグ開幕時はまだ生まれていませんが、いろんな業界の先輩に話を聞くと、それまで野球が圧倒的人気だったそうですが、1992年のナビスコカップ(現在のルヴァン)開幕、そしてJリーグの開幕でサッカーブームが起こり、それはもう凄かったみたいです。この話は色んなメディアでも取り上げられているので、ご存じの方は多いでしょう。

では、そんなJクラブですが、どうやってお金を生み出し、収益を上げているのでしょうか。そもそもJリーグにとっての商品は何でしょうか?これはJリーグに限らず、他のプロスポーツにも同じことが言えますが、プロスポーツビジネスの商品は試合です。プロスポーツは興行、エンターテインメントであり、入場料(チケット代)を徴収して試合を開催しています。つまり、消費者(観客)はこのチケットを買うことによって、試合をスタジアムで観る権利を手にしているわけです。

では、Jリーグクラブの収入源にはどんなものがあるでしょうか?主な収入の柱は4つあります。1つ目は先ほど、話をしたチケット収入、そしてクラブの経営を大きく左右するスポンサー収入、DAZNなどで放映されることによって貰える放映権収入、ファンがユニフォームなどを買うことによって発生するグッズ収入になります。この、入場料、スポンサー、放映権、グッズの他にも、ファンクラブは後援会の会費、選手や他のJクラブや海外のクラブに移籍する際に発生する移籍金(0の場合もあります)、スクールなどのアカデミー関連収入などがJリーグクラブの収入となります。


Jリーグクラブの売上ってどのくらい?欧州ビッグクラブと比較

ここからはJリーグクラブの売上についてみていきます。7月に2019年シーズンの経営情報が開示されました。Jリーグは全クラブのどのくらい収入や支出があって、利益がどのくらい出たのかを示す経営資料の開示が全クラブに義務付けられています。今回はこの経営資料を参考に、話をしていいます。

ヴィッセル神戸が初のクラブ単独100億円を突破!

2019年シーズン、Jリーグ55クラブの中で最も売上が高かったのがヴィッセル神戸です。同クラブは2018年は約96億円でしたが、そこから18億円売上を上げ、Jリーグ史上初の1クラブ単独で100億円の売上を達成。Jリーグの歴史に名を残しました。ヴィッセルといえば、2019年はアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、セルジ・サンペール、トーマス・フェルマーレンといった多くの外国籍のスター選手が在籍しましたね。やはりスター選手の存在はクラブの入場料収入やスポンサー収入、グッズ収入の面で効果をもたらずようです。そしてヴィッセル神戸に続く2位にランクインしたのは、82億円の売上の浦和レッズです。3位は69億6900万で川崎フロンターレ、4位は69億1200万円で名古屋グランパス、5位は67億6800万円で鹿島アントラーズでした。そして、J1の18クラブ全体の平均は約49億5100万円と惜しくも50億円に届きませんでした。

入場者数とチケット収入の関係は?チケット単価も重要?

画像1

Jリーグの入場料収入で1位は浦和レッズで、入場料収入が23億円、ホームゲームの平均は3万4000人でした。2位の横浜F・マリノスが約12億円ですから、ほぼ2倍の差がついています。全体の売上が114億円の神戸が約11億円で3位に入りました。ちなみに、1位の浦和レッズのホームの埼玉スタジアムは6万人以上、2位の横浜F・マリノスのホームである日産スタジアムは7万人以上収容できるのに対し、神戸のホームスタジアムのノエビアスタジアムは約26000人くらいです。平均入場者数だけでみると、神戸より順位が下のガンバ、名古屋、FC東京、川崎フロンターレのほうが数は多いです。ただ、神戸がこれらのクラブよりも数が少ないのに収入が高いということは、チケットの単価が高いということになります。

スター選手の多くいる神戸では、チケットの単価を上げても売れると判断したのでしょう。神戸の2019シーズンのホームゲームの平均観客数は約2万1000人でした。FC東京は1試合平均3万1000人で神戸より1万人も多く、数でいうと浦和に次ぐ2位ですが、入場料収入は4位ガンバ、5位名古屋についで6位でした。チケットの売上は、チケットの単価×客数×試合数で計算されます。そのため、数が多い=必ずしも収入が多いわけではなく、単価にも左右されることになります。チケットの単価設定は各クラブによって異なるため、クラブ側の判断になります。

スポンサー収入はクラブ経営の大きな柱?

では、次にスポンサー収入を見ていきましょう。スポンサー収入の多かったクラブのランキングは以下のようになりました。

1位:ヴィッセル神戸:74億500万円(全体順位1位)
2位:名古屋グランパス:40億7700万円(全体順位4位)
3位:浦和レッズ:38億4100万円(全体順位3位)

J1リーグの総収入に対するスポンサー収入が48億円ですが、神戸は全体の収入の64%がスポンサー収入でした。名古屋グランパスは全体の収入の約57%がスポンサー収入、浦和レッズは46%で、J1平均を下回っています。入場料収入の浦和に関しては例外かもしれませんが、やはりJクラブの経営はスポンサー収入がかなり重要ですね。


ここから先は

7,665字 / 2画像

¥ 250

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?