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『楽しく学べる「知財」入門/稲穂健市著」ビブリオエッセー

《小さな知的財産権問題を考えてみた》

2002年から、手作り雑貨販売のイベント主催を続けている。
今では、アーティストのドームツアー並みに、東京ビックサイトを先頭に地方都市のドーム級会場でも同様のイベントが開催されているが、20年前の北海道では私が主催するものが1.2を競う規模だった。
多い時で出店者数100人超え、来場者は2000人にまでになっていた。
今で言う「三密」をはるかに超え、買い物かごを頭の上に乗せなければ会場内を歩けないほどだった。

旦那子供を配下に敷く勢いの女子が100人も集まれば、御多分に洩れず噴出するのが「パクリ疑惑」だ。
雑誌などからの完全コピー(いわゆる完コピ)や、商標登録がある布地を使った物や、ディズニーやサンリオなどのキャラクターがデザインに使われている場合は即売り場から撤去してもらう。誰がなんと言おうと知的財産権を侵している。

頭が痛いのは、作り手同士の「パクったパクられた」のいざこざだ。
パクられたと騒ぎ立てる本人にしても、必ず誰かの作り方を真似ることから始めたはずなのだ。
完コピなら話は聞こう。
そうでないなら、同じ人の作品を真似たために、両者の作品が似通ってしまったとも考えられる。
もし、100歩譲ってパクられたとしても、さらにそれ以上のものを作れば作品もより良くなり価値も上がる。そもそも、真似たいと思われる存在になったんだな、と自分を褒めてやればいいのだ。

当時の私は、知的財産よりも「この場の泰平を守ってくれ」と叫びたくなったものだ。

もの書き見習いの今は、記憶力が著しく低いことが塩梅よく幸いしている。今読んだ文章すら覚えられないのだから、私の書く文章は、一度潜在意識の無限空間で撹拌されて出てくる。そのため知的財産権を侵す確率は低いとは思っている。が、所詮人のやる事だから、「魔がさしました」と首を垂れる事態にならぬ様に気をつけるに越したことはなさそうだ。

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