#123 ハッピーエンドでいいじゃん。

 こんにちは、鏑木澪です。

 ハッピーエンドが似合わないシビアな内容(私の個人的な基準)の物語が、明るい終わり方をすると、主人公たちに残された未来があることに喜びを覚えつつも、「なわけねぇだろ」とツッコミを入れてしまう人間が通ります。

 見せかけのハッピーエンドってのは、残酷だな、と。

 アー。
(具体的な作品名を出しそうになって黙る図)

 おそらく、私が「見せかけのハッピーエンドだ」と感じている作品でも、一般の多くの人は「ハッピーエンドだ」と思っているのだろうと想像します。

 少なくともその展開を受け入れている人が多いでしょう。

 自分がハッピーエンドだと信じている側である場合、偏見に満ちた他人の理屈で自分の好きな作品についてくどくどいわれるのは嫌なので、具体的な話はやめておきます。
(そういう話をするのなら、時と場所と人を選んだほうがいいと思うんだ)


 そう思うなら、そういう話すなや?

 でも、話しちゃくなっちゃったから、書かせておくれ〜


 まず、「見せかけのハッピーエンド」がどういう状態を指すのかといいますと、

・表面的な問題は解決した
・根本的な問題は解決していない

 主にこれです。

 主人公が本当に向き合わなければならない問題を放置している、もしくはこれから向き合わなければならない状態になることを明確に示さないまま、「やった! 素敵な世界になった!」とゴリ押し気味にどんちゃん騒ぎで物語が終わります。

 ニッコリ笑ってハイタッチなんかし始める登場人物たちを見ていると「よかったね!」といってあげたくなりますが、「でも、この問題まだ残ってるけど、どうするつもりなん?」とツッコんでしまうのが私です。

「魔王討伐から帰ってきた勇者、どうする?」的なやつです。

 魔王を倒したことによって、世の中の全ての悪がなくなったのか
 魔王より強い力を手にしてしまった勇者は、危険な存在ではないのか
 魔王を倒して帰ってきた勇者は、正しい人間のままでいられたのか

 様々な試練を乗り越えて魔王を倒すまでがゴールならば、魔王を倒したところで大団円を迎えるのは自然なことです。

 魔王以外にも悪い奴はいるよな
 勇者は新たな脅威となりかねないよな
 敵役にも正義はあったよな

 こういったことを考えるは野暮というものです。

 しかし、この手の疑問がどうしても浮かんできてしまうのが、私の脳みそです。

 こういった「その後どうなったん系」の作品は、続編で説明がある場合もあります。(蛇足的ではあるが、おそらくもともと続編を出すつもりで書かれている←)

 一方で、「自分の力で解決しとらん系」があります。
(いずれも私が勝手にそう呼んでいるだけです←)

 主人公は主人公で何かを成し遂げてはいるものの、肝心なところが人任せ(よくいえば仲間を頼っている)であったり、主人公の預かり知らないところで何らかの力が働いたりして問題が解決しているものを指します。

 お前、それでいいのかー!

 そういいたくなります。

 こういった作品の続編で、「今度は自分で」ってことをすると違和感が強くなってしまい、「じゃあ、どうして前は自分でやろうとしなかったの」という話になってしまいます。

 だからといって、「またもや他力本願」をしてしまうと成長しない主人公の誕生です。


 難しいんだな。
(私が勝手に難しく考えているだけ←)


 一見、主人公はやるべきことをやって、表面的な問題も解決したので、”ハッピーエンド”のはずなのに問題が山積みのまま終わりを迎える物語を見た時の恐怖といったら、私にとっては凄まじいものです。

 未回収の伏線がどうのという話ではありません。

 敢えていわないだけで、「それって、つまりこういうことだよね」と想像できる主人公たちにとって良くないことを残したまま、笑顔で去っていく背中を見るとつらくなります。
(比喩的な表現です)

 まぁ、もはや妄想の域に入っていますよね。

 そのまま悲惨な現実(物語)を描かれても、やはりつらいですから、せめて楽しそうに笑って終わってくれたほうが、「少なくとも今は幸せそう」と思えるので、良いのかもしれません。


 全ての物語よ、ハッピーエンドであれ。
(無理です←)

 いいじゃん、ハッピーエンドにしてくれよ。
(無理です←)


 誰にとってのハッピーエンドかという話もあります。

 お話の流れからして歪すぎないハッピーエンドなら、わざわざ幸せになる人のいない後味の悪い物語にしないほうが、救いがあります。(私にとっての←)


 だって、救われたくて物語に触れるんだもの。

 いでよ、カタルシス!

 あれ、それだと悲劇のほうがいいのか?
(寝言は寝ていってくれ←)


 昔は、どこにも救いがない物語(ディストピア)が好きだったもので、生ぬるいユートピアもどきを見ると虫唾が走っていました。

 性格が悪いんです。。。

 いつからか、「ほら世界ってこんなに酷いんだぜ」で終わるより、「世界ってこんなに残酷だけど、やはり美しいものなんだな」と感じられるほうが良いなと思うようになりました。

 小さな幸せを拾って生きていきたいじゃない?

 そんなことを考えている今日この頃でした。

 ではでは〜


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