よく聞かれる音楽の質問(厳しいよ) 1

NPO法人Music Planz にて、いろいろと音楽にまつわる質問を受けることがあります。大体においては、私の経験則にて想定内の質問にて回答可能な「テンプレート質問」が多いです。

そこで、よく受ける質問をここにて載せておけば参考になるのではないか、わざわざ何度も私が同じ回答を書かなくとも済むという利点もあると思いました。

一番多いのが

どのくらいの期間でプロになれますか?

【回答】

 こう聞く人間はプロになれません。


上記の質問をする人間は、そもそも音楽が死ぬほど好きなのではなく、

「この世知辛い世の中で、2流以下の大学で適当に卒業して、中小企業くらいの就職で社畜コースな人生なんてやだな。それならば自分は音楽が大好きだから、DTM/作曲への自分の才能に賭けて、ちょっとやればプロ作曲家か、音楽業界内に就職できるかもしれない」

とめちゃくちゃ音楽舐めきって考えている人がほとんど。

音楽が好きで好きで好きでたまらないから、勝手に自分でありとあらゆるところをいろいろ調べて作曲法や音楽理論や各種情報を漁りに漁って、それでもあまりにも自力でたどり着ける情報が浅すぎるからMusic Planzのようなところに相談してくるというルートはうなずけるんですよ。そういう方には私の持ちうる全情報を惜しみなくフル活用して全身全霊で相談いたします。

しかし、そもそも音楽が好きかもわからず、音楽を金儲けの良い道具くらいに思っている人では可能性なんてあるはずもありません。

なので、もし本人が高校/大学生ならば

「プロを目指す、もしくはそういった制作会社に入りたいんですよね。普通に大学出て一般企業に就職することがないのだから、早く学校を辞めて音楽の勉強をできるだけ早くやることが一番時間が短く済みますよ。プロになりたいならばそれがベストですよ。なにせ、音楽業界は学歴が全く関係ないですから。」

と捕捉で答えます。すると、100%これで諦めたふりをするか、別の答えを求めに他の正しくない情報を提供する団体の扉を叩きに行きます。定番行動ですね。

だいたい、今の20代で音楽制作のみの報酬/印税だけで自立生活が成立できている人が日本で何人いるかと思っているのかと?!

確かに、私の師匠である穂口雄右は超有名曲にて夢の印税生活だし、その時代の作曲家の偉大なる諸先輩方はほとんど同じです。ですが、それはザッツ芸能界の良き時代、昭和50年台だったころのお話。今の時代は、楽曲をただ作るだけでは無理、コンペに通るだけでも無理、コライトで生産性あげようとしても結局作曲もしない元締めがクレジットに名前連ねて謎分配で金なんか入ってこないので無理。日本の音楽のクライアントは全然音楽にお金払おうとしないからそもそも製作案件の予算的に無理。(その点大陸案件は素晴らしいですね) 「日本」では、どうやってもこうやっても無理無理無理無理案件のオンパレードで、「作曲で一山当てて夢の印税生活だ!」なんてこの御時世で考えている人は、一度、脳内洗浄を行って思考方法をリセットするか、謎の洗脳を解いてもらうか、Music Planzのように本当に正しい情報だけを流す音楽制作支援団体にて音楽制作の楽しさを再確認して頂くかしか、救う方法はありません。

そして、まず考えてほしいのが、音楽はそれだけで楽しい。すごく奥が深い。一生をかけて学ぶ価値がありその連続した時間全てが充実する。それほどのものなはずです。いつの時代からかわかりませんが「音楽で一山当てる」という考えはもういまの「日本」では通用しません。ほんの小山ならば当てられるかもしれません。金儲けの手段で音楽を考える時代は完全に終わっています。

(しかし、一生をそこそこのお金で、稼ぐくらいでよい、というのでよければ、むしろ師匠の時代よりも割りと確率がたかく、明らかに多くのチャンスが今の時代にはあります。)


ここまで斬り捨ててもあまりに酷でしょうから、先程の【回答】には捕捉を入れます。


【補足回答】

仮に、音楽経験が全くのゼロからだとして、私がかつて教えた生徒の経験則で言えば、最短で2年でプロ領域のタスクをこなすまでになっている。


音楽は一生懸命やるしかなく、そうでなければなにも生まれません。努力なくしてリターンは何もありません。逆を言えば「正しく努力していれば」かなりの高確率でリターンがあります。

ここを、賢く分析してもらいたいと思います。

【再補足】

あと「上から目線」にやたら抵抗のある人も無理ですね。そもそも競争社会だから、「音楽はみんななかよく楽しく!」なガラスのマインドのかたは、そういううわべの言葉上優しい(けど詐欺師でいっぱい)人達のクラスタで傷を舐め合いながら生きていくしか無いです。

この辺のお話はコロナ禍とも関連するところですね。

また続けると思います。


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