影響大の先生方

学生時代に出会う先生の考え方や教えって、ずっと影響を受けませんか?
高校まではともかく、私の場合、今でも大学のさまざまな先生の影響を色濃く受けていると感じることが多いです。

1.金先生

大学1年の教養ゼミの先生です。(私の出身のところは、1年生からゼミがありました)
お名前から推測できるかもしれませんが、中国人の先生で、1年生の時は中国のアレコレについて教えていただきました。
その中で現在でも私の指針となっているのが、「書籍(メディア)の情報が全て正しいと思うな」という考え方でしょう。

「Web記事を書いているくせに」と言われそうですが(苦笑)。
現在でこそあちこちで言われるようになりましたが、政府都合の情報操作を行うというのは、中国のお家芸のようなところがやはりあるのだそうで、先生もそのような風潮に対して当時から苦言を呈していらっしゃいました。
さらに先生自身の生い立ちも複雑なので、非常に考えさせられる(これ以上書くとマズそうなので割愛)先生です。
久しぶりに大学の教職員名簿を見たところ、今でも福島で教鞭を取っていらっしゃるご様子。お元気そうで何よりです。

2.田村先生

「『朝日さん、かわいそう』じゃ、ダメなんです」が口癖の先生として、今でもよく覚えています。
解説すると、憲法上の生存権(憲法25条)の「健康で文化的な最低限度の生活」がどのようなものなのか、をめぐる解釈論ですね。憲法を勉強していると必ずと言っていいほど出てくる訴訟で、生活保護を受けていた原告が親族から援助を受けるようになったのを機に、国が費用返還を命じた…という流れです。
結論としては「何が健康で文化的な最低限度の生活なのかを決定する裁量権は、厚生大臣に委ねられる」とした判決で、今でも根本的にはあまり変わっていないのではないかと思います。
(裁判って、まずは判例を踏襲しますしね)

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

私がたまに触れる『法の考え方」は、田村先生の「憲法は感情的に、自分の都合の良いように解釈してはならない」との教えに基づいているところが大きいです。
1年生時に「公法原論」、2年生時に「憲法」の授業を取っていたのですが、公法原論は実質的に「憲法入門学」のような授業で、ロックやモンテスキューの考え方についても学んだ記憶があります。

見た目や語り口は非常にジェントルな印象の先生でしたが、授業そのものは比較的厳しいことで知られていました(笑)。
私が「法律上の権利」について割と辛口なのは、どう考えても田村先生の影響です😅
なお、現在は明治大学で教鞭を取られているとのこと。
本も出版されているので、「なぜ、私の考え方が憲法で守られないのだろう」と考えている方には、下記の本がおすすめです。
私も少し読んだことがありますが、タイトルからして「田村先生らしい一冊だな」と感じました。

3.垣見先生

率直に謝罪します。正直なところ、印象が非常に薄い先生です。
ただ、「地方自治法」が実質的に学科必修科目だったんですね。科目としてはかなりマイナーな部類だと思うのですが、私が某地方公務員の「国家公務員法99条違反」を指摘しているのは、この先生の授業で(渋々ながら)地方自治法を通して、地方公務員の活動を学んでいたところが大きいです。

それ以外には……うーん、やはり「地方行政」の基礎を学んだことでしょうか。
もっとも公務員にはあまり興味がなかったので、行政書士の勉強をしていた際に、得点源として役に立ったくらいですが(苦笑)。


4.番外編


先生のお名前は失念してしまったのですが(だから番外編)、変わったところで「環境基本法」「地域環境学」という科目があった気がします。科目名が違っていたら、ゴメンナサイ。

単位のためと言うより、半ば好奇心で履修していました(笑)。
前者は「大気汚染防止法」「水質汚濁防止法」「ラムサール条約」などについて学習した気がします。詳細は忘れましたが、水銀の体内濃縮の計算式が出されて、「なぜここに来て計算問題なんだろう^^;」と思った記憶はあります。

後者は、福島でのフィールドワークをベースに、高圧鉄塔の電磁波がもたらす各種健康被害や、環境アセスメントの考え方について学習しました。そう言えば、首都機能移転運動が盛んだったのも、この頃でしたっけ。
震災で、いつの間にか運動は立ち消えになりましたが。

※余談ですが、「都市計画法」がらみだったかな?市のマスタープランを貰ってきて課題として提出したこともありました。

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こうして振り返ってみると、入学時の偏差値はともかく(苦笑)、結構中身の濃い授業を受けていますね。
また、地元の新聞で取り上げられないだけで昔から地元でのフィールドワークをしていることも多く、旧教育学部出身者や旧経済学部出身者のOB・OGは数知れず。

共生システム理工学部という理系が誕生したことで、ようやく認知度が上がってきたと思われがちですが、県内では師範学校や商業学校時代から馴染みのある学校です。
どちらかと言うと、「地方にありながら、国公立の強みを生かして地域貢献に尽力してきた大学」ではないでしょうか。

たまに熊が出没する(!)のと、里山のてっぺんにキャンパスがあるので足腰に来るのが難点ですが、PRが苦手なだけで、結構実力派の学校なのでは?と考えています。


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