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洋書「UPHEAVAL」を読んだ感想と大量消費について考える

久しぶりに洋書を読んだので
感想を書いてみたいと思います。

読んだ本は「UPHEAVAL」
Jared Diamond著

GatesNotes
ビルゲイツのおすすめ図書として
2019年に紹介されていた本です。
https://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Summer-Books-2019

作者Jared Diamondとの対談動画も
https://www.gatesnotes.com/Books/Upheaval


この本のタイトル
Upheaval(激変)が示すように
過去に「激変」とも言えるべき
困難に直面した国々が
どのようにして乗り越えていったかが
書かれています。

それらの国々には
明治維新の頃の日本も含まれており、
日本以外にも、チリ、インドネシア、
ドイツ、オーストラリアが
過去に直面した困難をどう対処していったか

また、

今後日本やアメリカ、
世界全体が直面するであろう激変と、
それらにどう対処していったらよいかの
ヒントが書かれています。

まさに今
世界は「激変」の過程にいるのでは、
と思い興味深く読みました。

本書後半に
今後世界が直面するであろう課題として
以下の4つを挙げています。

1. 核兵器の爆発
2. 気候変動
3. 生活水準の不平等
4. 資源の枯渇

この4つの問題を掘り下げていく中で
資源の消費について述べているところが
とても印象的だったので、
以下に内容を簡単にまとめました。


1人当たりの石油や金属などの資源の消費や、
プラスチックや温室効果ガス等の廃棄の割合が
先進国は途上国の32倍になるそうです。

現在世界の人口は約75億人。
50年以内には95億人に
主に途上国で増えることが
予想されています。

First Worldと呼ばれる先進国の
現在の人口は10憶人。
そのほとんどが
北米、ヨーロッパ、日本、オーストラリア
に住んでいます。

グローバル化によって
受けた恩恵は大きいけど、
意図しなかった影響も。

貧しい国から新たに出現する伝染病の蔓延
テロや移民

情報化社会によって
貧しい国の人々が
世界のどこかの
贅沢な暮らしを知ると
嫉妬や不満が生じます。

テロリストになる人もいれば
それをサポートする人も。
テロの対象は先進国。

32倍の消費が存在する限り
テロはいつ起こっても
不思議ではないのかもしれません。

テロに至るに及ばなくても
そんな暮らしを楽しみたいと思う人は
合法であろうと違法であろうと
移民を試みるでしょう。

しかし世界全体で贅沢な暮らしをすると
資源はあっという間に枯渇してしまいます。

もはや75億人中10億人だけが
現在の先進国のライフスタイルを
維持することは難しいのです。

世界全体で受け入れられる状況とは
世界全体の消費や生活水準が
ほぼ同じ状況となることなのでしょう。

しかし、今存在する資源では
途上国どころか先進国でさえ
現在の先進国レベルで
持続的に維持していくことは難しい。

このままでは
いずれ大惨事になってしまうのでしょうか?


答えはNoです。


アメリカは
自ら決断しようがそうでなかろうが、
いずれは現在の消費量を
断念しなくてはなりません。
この消費量を維持していく資源は
世界にはないのです。

しかし、
消費量と人の幸福度は、
関係があるようで
必ずしも密に連動していません。

なぜなら、
西ヨーロッパの消費量は
アメリカの半分ですが
幸福度は以下の点において
アメリカより高いです。

平均寿命
健康
乳児死亡率
医療
定年後の経済的な安定
休暇
公立学校の質
芸術


ガソリン消費量は幸福度に寄与していますか?
漁場や森林を破壊的に開拓してないでしょうか?

私たちが生きているうちに
先進国の消費量が現在よりも
下がることは確実です。

問題は、
結果を導くためには

自ら選択した方法で計画的に行うか、
もしくは、
自らの選択によるものでない
不快な方法で行われるのか、

だけです。

どうしたらよいか
既に私たちは知っているけど、
一番欠けているのは
政治的な意思なのでしょう。



という内容でした。

最近
中国で大食い動画が波紋をよんでいますが、
資源であれ食料であれ世の中は
大量消費を避けなければならない流れに
なっていくのかもしれませんね。

政治的な意思ももちろん必要ですが、
個人レベルで出来ることをしていくこも
大切だと感じました。


と、
偉そうなことを言ってしまいましたが
お昼にマクドナルドを食べたときに
ポテトLサイズを頼んだけど
やっぱりMサイズでも
よかったかな…。

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