見出し画像

OPEN LAB #1を開催するにあたっての経緯について

トレーナーとして現場に出ながらも体の中でどんな変化が出ているか、という興味が絶えず、仕事をしながら大学院に通うことにしたのが2007年。

そこから文献などを調べるクセもついて、大学院の修士課程が修了した後も自分なりに研究っぽいことをするために筋電計や足圧計を購入しました。

仕事もだいぶ落ち着いてきたので、3月から少しずつ実験をスタート。今回のテーマは「足関節の不安定性を有する方へのエクササイズ指導前後における筋活動や足圧の変化について」。


今回、実験をしようと思った経緯は、妻の足を見てから。昨年末にかるい捻挫をして、もう痛みなどは全くないけどなんとなく違和感があるという状態です。

元々、片方だけ内股傾向にあったのでそれが原因だろうとは思っていたのですが、たまたま手元に筋電計と足圧計があったので長腓骨筋に筋電計をつけて測定してみました。

ここで特に面白そうなデータが出てこなかったら、今回は実験などやっていなかったでしょう。左右で明らかに波形のパターンが違い、足圧変化もかなりの違いが表れました。

私が運営しているコンディショニング施設には、足首の不安定性に悩んでいる方も多く、それが原因で他の部位に影響を及ぼしていると感じる方も何人がいらっしゃっています。

そういった方のためにもデータを取っておきたいなと思ったからです。


というわけで、3週間かけて7名の方にご協力いただきました。とっても興味深いデータが取れたので、これは皆さんと共有してディスカッションなどしたいなとの思いからOPEN LAB #1を開催することにしました。


オープンラボでは研究室の壁や仕切りをなくし、1つの大きな部屋の中に複数の研究者の机や実験機器などを配置。「お互いに研究の様子が目に触れるようにし、実験の進捗などについて自然と情報交換が行われるようにする狙いがある。

日本経済新聞より引用

おかげさまで最近は講座やセミナーの講師を担当することが多く、どちらかというと教えるという立場が増えてきました。そうなってくると、なかなかディスカッションをして自分の考えをブラッシュアップする機会も少なくなってきます。

今回オープンラボという名称にしたのは、教えるというのではなく実験データや実験をおこなった背景などを共有して、ディスカッションをしたいと思ったからです。

自分の考えが固まってしまうのもイヤだったし、参加されている方もたくさんの経験をされている方ばかりだと思うので、他にどんなアイデアがあるのかを知りたいのです。


今回は統計処理をしないので、学術的にどこまで意味があるのかと言われればおそらく意味のないデータになると思います。

実験プロトコル自体は全員に統一したものを行っていますが、介入方法は人それぞれに合った方法を選択しました。これは実際に自分が店舗で行っていることを行っています。

本来であれば介入も含めて全員が統一したやり方をするのが一般的です。ただ、自分は論文として発表したいのではなく、自分が行っていることの成果を確認したいということもあるので、特に介入に関しては統一しないことにしました。

初めての試みなので、どんな人が集まるのか、どういった会になるのかも想像はつきません。が、リリースから2日で26名の方にご登録いただいたことを考えると、意外と興味を持ってくださっているのかなと感じます。

研究室で行っていることほど堅苦しくなく、かといって適当というわけでもない。聞きにきてくださった方々と有意義な時間を過ごせれば、この上ない喜びです。

いただいたサポートは実験や研究、その他勉強のために使わせていただきます!