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ベンチプレスのフォームが安定しない時はフロアプレスから始めてみては

ベンチプレスの理想は、横から見たときにバーベルの真下に肘がある状態でプレスをすること。前腕は床から垂直にバーベルに向かっているポジションが力のロスなく持ち上げられます。

ベンチプレス○

ところが、どう指導をしても腕が開きすぎてしまったり脇を絞りすぎてしまってバーベルと肘との位置関係があまり理想的にならないこともあります。

●胸椎の伸展が甘くて胸が立たない
●力の入れどころがつかめていない
●上肢のアライメント異常

などが原因として挙げられますが、そうなってくるとどれだけ意識しろと言ったところでベンチプレスだけでは変えられない部分も出てきます。

ベンチプレス×

この位置でベンチプレスを繰り返すことで、肩や手首にストレスがかかって痛めるリスクも高まります。


もちろん、こういった時には胸椎の伸展エクササイズを行う、胸椎と肩甲骨の運動パターンを学習する、滑走不全を改善するなど局所的なアプローチも必要になってきます。

それと並行してプレスの運動パターンでの力の感覚をつかむ練習もするようにしておくと、肘で押す感覚がつかみやすくなります。

その一つの代表例がフロアプレスです。

フロアプレス①

床に寝っ転がって、ベンチプレスと同じようにバーベルを胸の前にキープしておきましょう。ベンチの時ほど胸を立てる必要はありませんが、できる範囲で胸椎を伸展しておくと意識しやすくなります。

この位置で上腕部分を床につけてみてください。

しっかりと肘の真上にバーベルが乗っかっている時は、前腕や上腕に余計な力がかかっていないのがわかると思います。

では、ここから肘を支点にしてバーベルを頭の方向やお腹の方向に軽く倒してみましょう。いかがでしょうか?

フロアプレス②

肘から真上に伸ばした線を鉛直線と表現すると、鉛直線から外れるほど前腕や上腕に余計な力がかかるのがわかると思います。

ベンチプレスのように各関節がフリーの状態(空中にある)だと、空間の中のどこに自分の体があるかわからず、力の入れどころがつかみづらいです。これはベンチプレスに限らず、どの種目でもおきます。

トレーニングに慣れている人、ある程度の筋力を備えている人はボトムのポジションなどで自分なりの固定点を作りながら、位置関係を修正することが可能です。

ただ、筋力が弱かったり、トレーニングに慣れていなかったり、間違った運動パターンがすでに刷り込まれている人(アライメント異常なども含む)の場合には、それが難しくなります。


フリーの状態で難しいのですから、まずは床に寝っ転がってみて固定点(支点)を作ってみたらいかがでしょうか。支点があれば、支点から上の操作をすることでバーベルの重みを実感しやすく、バーベルと前腕との位置関係を掴みやすいです。

バーベルが床に対して垂直になっているポジションを見つけられたら、その位置から天井に向かって押し出してみてください。鉛直方向にプレスするという感覚があればOKです。


このあたりの細かいポイントはストリーム配信で解説しています。

特に女性のクライアントの指導をするときに、フォームの修正が難しいと感じる方にオススメです。

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