4年半勤めたSansanを退職しました。
はじめに
2022年7月31日付けで新卒から4年半勤めたSansan株式会社を退職しました。内定者時代に始めたインターンから数えると5年半在籍したこととなります。
Sansanに入社したことは、私の人生において非常に大きな転換点でした。間違いなく、ファーストキャリアにSansanを選んで良かったと心から思えます。(今は10Xにいらっしゃる濱坂さん、Googleにいらっしゃる和田さん、何者でもなかった私を採用していただき本当にありがとうございました・・・)
Sansanで出会ったとてつもなく優秀で温かみのある上司、同僚の方々、また日本/シンガポールでご縁をいただきました素晴らしいお客様とのつながりは一生の財産です。すべての出会いに感謝しています。
長文となりますが、Sansanへの感謝とこの5年半の振り返りも含めて退職エントリとさせて頂きます。
Sansanとの出会い
Sansanを初めて知ったのは2016年5月頃でした。
当時、私は大学4年次を休学し、JAC Recruitment Thailandという人材紹介会社で働いていました。日々バイクタクシーを乗り回し、バンコク中を駆け巡って新規開拓に勤しんでいました。
毎日のように名刺交換をしていましたが、机の上に大量に溜まっていく名刺を私はひたすらCRMに打ち込みまくっていました。単純作業がとても苦手な私は、、、
「も、もう名刺の手打ちはしたくない・・・」
と藁にもすがる思いで調べたところ、たまたまEight(個人向け名刺アプリ)がヒットし、早速DL。すぐさま手元にあった名刺を一気にスキャンし、圧倒的なデータ化の速さ、正確性に感動したことを覚えています。そしてタイでもEightユーザがかなりいたことも驚きでした。
そんな折、運営会社を調べてSansan株式会社の存在を初めて知りました。「名刺管理だけ突き詰めて10年以上やってるってなんか狂気的なものを感じる...」というぐらいの認識でしたが、具体的なビジネスの課題解決に向き合っていること、ユニークなビジネスモデルで一点突破しようとしていることが印象に残っていました。
そして2017年1月に帰国し、偶然WantedlyでSansanの関西支社立ち上げをきっかけとした”中途採用向け”イベントを発見。Eightを愛用していた記憶が残っていた私は「これは何かの縁かも?」と突撃してみました。
当時、関西支店長だった和田さんと直接話し、あまりにもぶっ飛んでいて面白かった&底知れぬ熱い野心を感じて、その場で「インターン応募してますか?面接してください!」と直談判し、面接を経て、3月からインターンとして働くこととなりました。インターンは募集していなかったのですが、言ってみるもんだなあと思いました。
入社初日からとてつもないスピードでビジネスが進んでいき、インターンであろうと常に自律した意見を求められ、フラットでオープンな組織文化に衝撃を受けました。「こんなにもミッション(*)に全員が真っ直ぐ向き合っていて、プロダクトの価値を信じ、世の中を変えようとしている社会人がいるのか...!」と感動し、毎日神戸から西梅田に通い、仕事にのめり込んでいきました。
関西支店で働いていましたが、社内SNSで日報や気付きを共有すると、東京本社の社員の方からコメントや成長につながるフィードバック、情報を積極的に共有してくれたことも嬉しかったです。
「自ら市場を創り出し、世の中に新たな価値を生み出したいか?」
最終面接は代表取締役の寺田さんでした。人生で経験したすべての面接の中で、寺田さんとの面接が最も記憶に残っています。オーバルビル13Fの異常に真っ暗な会議室「Sansan」(そういう演出?今は明るい部屋に改築済)で極度に緊張しながら、がっつり1時間、寺田さんとお話しました。
就活的で形式的な質問は1つもなく、私の人間性、価値観を非常に鋭い質問でひたすら深ぼられる濃厚な1時間でした。
特に印象的だった問いは「君は、伸びると分かっている市場で勝ちたいのか、それともまだ存在していない市場を自ら創りだしていきたいのか?」。
論理的に考えても分からず、答えに窮しましたが、「・・・・・。後者のほうがわくわくします。」と伝えました。実はもう1社、医療領域のメガベンチャーからも内定を頂いており、事業の作り方・経営思想がSansanと対照的だったため、今思えば、覚悟を問う質問だったのだと思います。
別れ際、寺田さんから「お前はSansanが合っていると思うし、お前はSansanに来た方が成長するよ。んじゃ、待ってるよ。」と一言声をかけられ握手をし、その場でSansanに入社することを決断しました。
当時は未上場で名刺管理一本の時代。SaaSという言葉も今ほど知名度はありませんでした。両親からも「大手に行ってほしい」と止められましたが、このときの直感を信じたことは英断だったと思います。
Sansanで経験したこと
そんなこんなで2018年4月に新卒入社しました。東証マザーズ上場のちょうど1年半前でした。当時は従業員規模が400名を超え、ARRは70億円強ほどだったと思います。toB SaaS事業も法人向け名刺管理「Sansan」のみでした。
それが2022年現在ではグループ全体で1,200名超、ARRは200億円を突破する勢いで、東証プライム市場への鞍替えも果たしています。特にBill Oneの成長が著しいですが、マルチプロダクト化も着実に進んでいます。短い期間で非常に濃い、稀有な経験を積ませていただきました。
具体的には、下記業務を経験しました。常に自分をストレッチしないと達成できないようなミッション、目標に向き合わせてもらい、周囲に助けてもらいながら、少しずつ成長ができたと思っています。決して順風満帆ではなく、常に壁にぶち当たり、もがき苦しみ、解決の糸口を見つけ出し、何とかここまで乗り切れたという感覚が正直なところです。。
THE MODELのファンクションのほとんどを網羅的に経験し、様々な役割で事業成長にコミットできたことは非常に良かったです。
他方で、THE MODELを徹底しすぎると、経験・スキルの固定化や、事業課題を俯瞰できず、個別最適に陥るリスク(*)もあるため、事業開発・経営に関わっていきたい私としてはインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、新規プロダクト推進まで全て経験できたことはキャリアの枠を広げる意味でも運が良かったと思います。
*もちろん1つの領域でプロフェッショナリズムを突き詰めていくキャリアも非常に価値あるもので、キャリアの志向性や強みによると思います。
ミッションを共通言語とした強固なカルチャー
Sansanの素晴らしい点は数え切れないほどありますが、1つ挙げるならやはり、ミッションを共通言語としたカルチャーの強固さだと思います。中にいてもカルチャーの強さはひしひし感じていましたが、外に出て一層、感じます。
寺田さん初め、経営層が全ての意思決定基準をミッション実現を起点に据えているため、大きなコーポレートアクションがあったときも大きな違和感なく事業に向き合えた環境はとても恵まれていたなと思います。
「会社は1つのプロジェクトみたいなもので、ミッションが実現されたら解散していいんです。」とも寺田さんはよく言っていました。
社員に入社理由を聞くと、ほとんどのケースで「ミッションへの共感」が挙がります。1つの方向性を向いて仕事に取り組んでいるからこそ、余計な忖度やセクショナリズムも発生しづらく、顧客への価値へまっすぐ向き合えていたのだと思います。
私のこれから
2022年8月1日から法人カードを提供する株式会社UPSIDERで働いています。拠点は暫く東京ですが、グローバル展開を視野に入れている事業なので、住む場所に拘らず、流動的に動いていきたいです。
そして入社2週間と思えないほど刺激的で濃密な日々を過ごしております。
入社エントリについては別途書く予定なので、ネクストチャレンジについては本記事では割愛します!
最後に
そして、Sansanは全方位で絶賛採用しているようです!
(決して人事の回し者ではないです!!)
私が入社した時と大きく組織・事業フェーズは変わりましたが、マルチプロダクト化へ更にアクセルを踏んでいき、国内SaaSとしては前人未到のARR300-500億フェーズにチャレンジできる稀有な環境だと思います。
ご興味ある方は是非!!!