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詩とか

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色んな詩。たまに短歌とか。
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あなたにおかえりと言おう。あの頃の私に。迷子になって、幻のようになって、苦い薬に顔を顰めながら帰ってきたあなたに。おかえり。ここに戻ってきてしまったあなた。あなたはここにはいられない。知っている。(あなたのところに行きたい生きたい)おかえり。さよなら。わたしのあなた。

冬は匂いで始まり、春は気配で始まる。どんなに寒さが戻ってきても、そこに冬の匂いはなく、春の気配は消えない。

地球という生き物の表皮に生きている私達は、地球の瞬きにも耐えられず、僅かなあくびで塵になる。それを何度も乗り越えて、今日も地球の表皮で生きていく。明日も表皮で生きていく。

冬ざるる背筋の伸びる風の中もうお眠りと山の言う #短歌

「忘れるな」叫ぶかのよな色無き目 あの日の私 あの日の私 #短歌

今日の日の 晴れた空見て思うのは 雪舞う曇天 満天の星 #それぞれの10年 #短歌

語る事語りませぬと誓うのは何より自分素振りも許さず #短歌

貧しさの果てに母をば手にかけし男が一人夕に手を伸べ #短歌

四つ辻は 赤に囲まれ深夜2時 変わりゃせんのさ いくもかえるも
#短歌

あの花はあなたにとっても花かしら
揃えばいいの「綺麗だねぇ」が #短歌

青空の下に大きく寝転んで
笑う夢見た
社会人A
#短歌

Hello Hello

Hello!私はここにいます
Hello!あなたはどこにいますか?

お名前は?
性別は?
おいくつですか?
お国はどちら?
お好きなものは?
お嫌いなものは?
お元気ですか?
辛くはないですか?
泣いたりなさっていませんか?
幸せですか?
いつかお会いできるでしょうか?
笑顔で握手が出来るでしょうか?

Hello!世界のどこかの誰か
いつか笑顔で会いましょう
出来ることなら青空の下

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悲しみの中

明かりを消して 目を瞑る

悲しみの中にいる

微睡みの中
悲しみが乖離していくのか
私が乖離していくのか

微睡みの後の胡蝶の夢
ただ前を向いて生きる私は
眠っているのか
醒めているのか

微睡みが再び
悲しみと私を引きあわせ
前を向いて生きる私は
夜の彼方に去って行く

朝が来て 目を開ける

悲しみの中にいる
#詩

むかしむかし

むかしむかし

命萌える春が過ぎ
生命の賛歌響く夏との間

僅かな季節の隙間にだけ
聞こえる歌があるという

雨が洗った大気の間に間に
響き往く歌があるという

おおん おおん おおん

高く低く響く歌は

まるで子供の笑う声のような
まるで母の子守唄のような
まるで父の叱責のような
まるで祖父母の昔語りのような

不思議な響きであるという

命の賛歌響く夏を呼ぶ調

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