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「キャリアの8割は偶然で決まる?」計画的偶発性理論についての実体験

ブレインパッドの人事部で、新卒採用と社内のエンゲージメント向上を担当している木原です。この記事は、BrainPad Advent Calendar 2023の12/6分の記事となります。
当社Advent Calendarの他記事では、データサイエンスやエンジニアリング関連の内容が多いかと思いますが、人事である自分は、少し趣向を変えて、これまでの自らのキャリアで感じた話を書きたいと思います。

計画的偶発性理論について

皆さんは「計画的偶発性理論」という言葉を知っていますか?
"Planned Happenstance"とも呼ばれるこの言葉は、スタンフォード大学のクランボルツ教授によって提唱されたキャリア理論です。この理論のポイントは以下のとおりです。

  • 変化の激しい現代において、キャリアの8割は偶然の出来事によって形成される

  • 偶然の出来事を利用して、キャリア形成に役立てる

  • 自ら偶然の出来事を引き寄せるよう働きかけ、積極的にキャリア形成の機会を創出する

出典:日本の人事部 「プランド・ハップンスタンス」

「計画的偶発性理論」と検索すると様々な解説記事が出てきますので、理論の詳細は割愛しますが、大まかにお伝えすると、「偶然の出来事によってキャリアが決まる部分もあるため、その偶然を前向きにとらえて、キャリアの形成に役立てていこう」というのが、私なりの理解です。
ご興味をお持ちの方は、ぜひクランボルツ教授の著書「その幸運は偶然ではないんです!」もお読みいただければと思います。

それでは、本題として、私自身がこの「計画的偶発性理論」をキャリアの中で感じた例を2つ紹介したいと思います。

人事からのキャリアチェンジの話

2012年に素材メーカーに新卒入社した私が、2015年11月に転職したのが前職のIT企業でした。
現役の就活生時代から人事を志望している稀有な学生でしたが、幸いなことに1社目のメーカーでの希望通り人事に配属されました。1社目の退職が決まった後も、自分が親和性が高いと思う人事ポジションで転職活動を行い、転職後もやりがいを感じながら、人事の仕事に取り組んでいました。

そんな入社から2年が経とうとする2017年8月頃のある日。自分を採用してくれた上長である人事部長から、突然会議室に呼ばれました。
そこで言われた言葉は「君さあ、マーケティング部に移る気ない?」でした。
部長いわく「採用サイトに載せる原稿書いてるよね。社内報も書けるよね。」「採用の説明会はイベントだよね。マーケのやってるセミナーもイベントだよね」「マーケと親和性あるんじゃない?」と。
ちょうどそのときにマーケ社員の退職が決まってしまい、社内での異動をさせて、新たに採用担当をとるほうが、採用難易度が低い…ということで部長から白羽の矢が立ったようでした。
この時の自分は、採用パンフレット制作でマーケの方に協力してもらったり、採用の相談に乗る中でのマーケの困り具合を感じ取っていたりもしたので、その場ですぐに考えて、部長からの異動打診を受け入れました。

その後、2018年7月からブレインパッドに転職する2022年4月まで、広報・マーケティングに携わりました。業務においては、社外向けの講演資料・リーフレットのチェックや、社内向けの全体会議資料などを確認する機会が非常に多く、元々文章を読んだり書いたりすることが好きだったのも相まって、資料や文章を見たときに、誤字・脱字にすぐに気づいたりする能力が磨かれたように思います。今も幸い、他の方の書いた文章を校閲したりする機会に恵まれており、もし打診を断って人事キャリアのみの道だったら、今ほど文章にこだわりを持っている自分はいなかったのかなと、ときどき思い返します。

打診を受けたときの心境としては、「必要とされるのであれば…」というのと、人事以外のキャリアを築くのであれば、ある意味高い評価をしてもらえている今なのではと、直感的に思った記憶があります。実は打診時には、まだ「計画的偶発性理論」を知らず、打診を受け入れたすぐあとに記事などでその考え方を知ったので、あとから自分の行動に妙に納得したことも覚えています。

社外での活動の話

またこちらは変わって、仕事ではなく社外活動の話になります。
私は現在、業務外の活動として「100人カイギ」という地域のコミュニティ活動の全体の運営事務局と、新宿区100人カイギの運営を担当しています。
100人カイギの説明はこちら

どちらも2019年からやり始めているのですが、きっかけとしては、2018年10月、あるイベントに参加した際に、「渋谷区100人カイギ」の運営の方とお会いしたことです。そこで運営の方から活動の楽しさを伺い、「自分の勤務している新宿区で始まったら絶対に行こう!」と思って、第1回を見逃してしまった自分は、2018年12月に開催された第2回に参加しました。
参加した際に「やはりとても面白い!」と思い、その想いを伝えるために運営者の方とお話ししていたら、「次回、登壇しませんか?」とお誘いいただくことになりました。その後は以下のような流れを経ます。

2019年1月:第3回新宿区100人カイギ登壇

2019年2月以降:その後もいろいろな人と会える有意義な場だと感じ、
毎回参加し続ける。

2019年4月:あまりに参加し続けているので
「受付手伝ってもらえますか?」
「一緒に運営やりましょう!」と誘われ、承諾

2019年5月以降:新宿区100人カイギの運営者になったことで、
「他地域はどんな感じなんだろう?」と想い、
色々な地域の100人カイギに参加し始める。

2019年7月:その様子を見ていた全体事務局の方から「そんなに参加してくれるのなら、全体事務局(本部)として一緒に活動しませんか?」と
誘われ、楽しそうに想い、承諾

2019年11月:虎ノ門ヒルズフォーラムでの
全体事務局のイベント
にもスタッフとして参加。

2020年4月頃:コロナにより、オフラインで開催していた100人カイギが
全て中止となってしてしまったため、
YouTubeチャンネルでのコンテンツ配信に試験的にチャレンジしてみる。Zoom→YouTubeのライブ配信や、StreamYardを使った配信など、
様々取り組んでみる。

2020年5月以降:会社でもセミナーをオンラインで開催する機運が高まり、
社外活動で知見のあった自分がシステム周りの担当となり、
オンラインセミナーの運営に携わるようになる。

ざっと流れを書いてみましたが、より詳細な2019年の振り返りもnoteに書いているので、ご興味のある方はご覧いただければ、どんな想いなのかがよりリアルに描かれているかと思います。

振り返って思うこと

この2つのケースの共通項としては、実際に決断や選択をするときには、「こうなりたい」「こうしたい」という明確な目標や目的がなかったことだと思います。
1つめの人事部からの異動の話では「親和性があるなら」「必要とされているなら」という気持ちからでしたし、2つめの社外活動の話では「参加しないよりもするほうが楽しそう!」という気持ちで、どんどん積極的に巻き込まれにいっています(笑)
それが巡り巡って当時の広報・マーケティング業務の役に立ったり、当時、オンラインセミナーの運営に取り組んだことで、現職においても社内イベントの配信をやらせてもらうなど、当初は全く予期していなかったことが、今の自分(当時からすると未来の自分)に役立ったり、繋がっているように思うのです。

誤解がないようにお伝えすると、計画を立てて、その通りにキャリアを歩むことを否定する意図は全くありません!
ですが、私にとっては、今の自分からすると「寄り道」のように思えるキャリアが、将来の自分にとっての大事な一要素を占めることになるかもしれない…と思うと、まだまだ可能性に満ち溢れていて、ポジティブに感じられます。これを読んでいただいている方は、どう感じるでしょうか?
意図しないいろいろな人や情報、体験との遭遇が、自分の人生にポジティブな影響を与えるきっかけとして働いていることが、少なからずあるのではと思います。

もし「計画的偶発性理論」をご存知なかった場合には、普段の自分の枠から一歩踏み出してみることが、自分の未来の可能性を広げるかもしれない…ということを、ぜひ考えてみてもらえると嬉しいです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!



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