この景色、巨匠が絵にしたら/実験6
前回から、LeonardoAiに加えてStable Diffusion XLも使って私が撮影した写真をAi巨匠に絵画化してもらっています。今回は、都市の景観を題材にトライしたいと思います。
前回はこちら:
1.緑のある空間
都市の景観美は主に無機的で硬質の金属・ガラス・コンクリートで構成されていますが、そこに有機的で柔らかな緑の要素が加わることで、さらに美しさが増すことが多いと感じています。という意味で、緑をまじえて撮影した写真が、こちらです。
これを誰に絵に描き直してもらいましょうか? どちらかと言うとこじんまりした空間なので、 まず、Aiユトリロにお願いすることにします。
※Prompt = Maurice Utrillo
※Negative Prompt なし
※Style 指定なし
※Strength[元写真による縛りの強さ]
= 0.5( 0~1.0幅 )中程度
※Prompt Guidance[Promptによる縛りの強さ]
= 18( 0~35幅 )中程度
Quality & Details[出来上がりの質]
= 25 ( 0~50 幅 ) 中程度
※CLIP Preset = Default
※Sampler = Default
うーん......なんか、写真のまんまという感じです。元写真縛りを少し緩めてみます。0.5を0.4にするとどうなるでしょう?
いい感じになりました。写真縛りを少し緩めるだけで、ずいぶん、巨匠の画風に近づくものです。
次に、LeonardoAiで同じ写真をユトリロ風に変換してもらいます。設定は、SDXLの第1回変換と同じく元写真縛りと巨匠縛りの中間にしています。
あれ、写真からかなり離れています。写真のどこが手前の造形のようになったのかも謎です。
設定を変えてもいいのですが、ここはSDXLに軍配を上げて、次の風景に行くことにします。
2.高層ビル
都市の景観美といったら、高層ビルを外すわけにはいきません。そこで、次は、無機的で硬質そのものの高層ビルでいってみます。
さて、画伯の選択ですが、Aiモネにお願いすることにします。モネというと睡蓮の印象が強いのですが、キャリアの初期から中期にかけては大規模建築物の絵も描いています。
では、まず、SDXLから。設定条件はユトリロ/第1回と同じにします。
うーん......お願いしておいてこんなことを言うのもなんですが、パッとしないですね。Aiモネ画伯も苦しかったのでしょうか?手前の看板に署名などして、ごまかそうとしているみたいです。
LeonardoAiだとどうなるのでしょう?
うん、気持ちはわかる。わかるけど……解体中のビルか廃墟みたいです。
どうも写真の選択が悪かったようです。私が知っている巨匠は19世紀から20世紀前半までの人たちですから、現代剥き出しの高層ビルはお願いすることに無理があったようです。
そこで、レトロなビルを含んだ景観でAi巨匠に腕をふるってもらうことにします。
3.レトロ建築のある風景
日本橋高島屋の旧館、正確には高島屋日本橋店。重要文化財に指定されている昭和の名建築です。写真を撮ったときは高層ビルの新館とのコントラストが面白いと感じたのですが、これをAi巨匠に絵にしてもらうと、どうなるかです。
印象派の中で都市の情景を描くことが多かったカミーユ・ピサロにお願いしてみます。
旧館はほぼ写真のままです。背後の高層ビルがなんとも味気ないですね。
LeonardoAiではどうでしょう? と思って写真をアップロードしたのですが、ハネられてしまいました。どうも、何かしらセキュリティ・ロック的なものがかかったようです。残念です。
どうも、今回はスカでした。ここまでお付き合いくださったみなさんには、本当に申し訳ありません。
ただ、わかったことがひとつあって、それは現代的な無機質でのっぺりした感じの高層ビルは、19世紀の絵画の巨匠の目で見ると、絵画的ではなさそうだということです。文明の構成要素が違うのですから、これは優劣の問題ではありませんが、面白い発見ではあります。
4.Aiピサロ版・全シーン
最後に、これでお詫びになるかどうかわかりませんが、風景1~3について、SDXLの写真縛りを0.3まで緩めてAiピサロに描いてもらったものを添えます。写真縛り0.3まで緩めると、ほとんど写真が無視されてしまうことに、びっくりです。高層ビルが樹木に置き換わってしまったのには、度肝を抜かれました。
今回の中では一番気に入った「1. 緑のある空間/ユトリロ/第2回」をトップ画像にして、この投稿を締めくくります。
次回は、もう少しマシな絵をお見せできるよう頑張りますので、これに懲りずに、またお付き合いください。よろしくお願いいたします。
次回はこちら:
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