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絵本・白峰アカネの冒険/7. アカネ、強制労働の可能性に驚愕する

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アカネ:白峰山に還る途中で魔獣に襲われ封印されたのでしょうか? 私と同じように巫女の環を取り上げられていたら、とても魔獣にかないません。

アキトの示唆に驚愕するアカネ

ヤシマ国では、人も、魔祓いの巫女も、魔獣も、敵対する相手であってもその命を奪いはしない。すべての存在は、「偉大なる根源体」の分身としてこの世に出現するのであって、それを殺すと「偉大なる根源体」を毀損することになると固く信じているからだ。
その代りに、彼等は相手を封印する。手近の地面、木の洞、岩などに半永久的に封じこめるのだ。それすら、相手の活動を凍結することだから「偉大なる根源体」への冒涜だと唱える原理主義者も、この国には数多くいる。

アキト:その可能性もゼロではないが、ボクは別の仮説を立てている。これを見てごらん。ナンデモ・ネット上の「巫女フェチ市場」だ。

アキトがアカネにタブレットを差し出してきた。アカネがそれを手に取り画面を見だすと、老人ものぞき込んできた。

アキトが差し出したタブレットをのそきこむアカネたち
「巫女フェチ市場」トップページ


アカネ
:うわ、びっくり。私たちが来ている巫女服にそっくりです。でも、これはレプリカですよね。本当の巫女服は、白峰山で、わたしたち巫女の手でしか作れませんから。

老人:どういうことかね?

アカネ:巫女服の素材と染料は、白峰山にしか自生していない植物由来です。その素材と染料を扱うには特別な技が必要で、それは魔祓いの巫女の秘伝の技なんです。

老人:なるほど、巫女服の素材も作り方も、白峰山から門外不出なのだな。

アキト:では、この巫女服を着てごらん。ボクが「巫女フェチ市場」で購入したものだ。巫女の環もついている。

アキトが持参していたスーツケースから一着の巫女服を取り出した。

老人:奥の部屋で着替えるといい。

アカネ:えぇ、じゃあ...…

いったん奥の部屋に入り着替えて戻ってきたアカネは、激しく動揺していた。

「巫女フェチ市場」で売られている巫女服の品質に驚くアカネ

アカネ:この肌触り、着心地。本物の巫女服とまったく同じです。巫女の環も、巫女力こそ宿ってないけど、素材は多分同じものです。どうして、こんなものがふもとで売られているんでしょう?

アキトボクは、白峰山に還っていない巫女たちがどこかで強制労働させられ、この巫女服を作っていると思っている

アカネええーっ!

老人:なんと!

驚愕するアカネ

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