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ほうれん草カレーから学ぶ

こんにちは!りんてんです。

一家揃って風邪っぽかった週末を経て、ついに今日は娘が熱が出てしまい、保育園をお休みした。妻も調子が不安定なため、思い切って今日は私もお休みをいただくことにした。

娘はあまり食欲も無かったが、妻とお昼に何を食べるかを話していたところ、珍しく意見が一致して、カレーにすることにした。しかも、ほうれん草カレーだ。

三年ぐらい前、娘がまだ小さい頃、とあるカフェに入ったとき、メニューにほうれん草カレーなるものを見つけた。 

私はほうれん草が大好きで、カレーも大好きなので、是非とも食べてみたかったのだが、生憎そのときは昼食をとった後で、コーヒーを飲んだだけであった。 

後日、自宅でカレーを作り、ほうれん草を炒めてトッピングして食べてみると中々美味しかったが、わざわざメニューにするほどのものでもないと思った。 

それからしばらくして、実家に帰った折に、父にその話をしてみた。当時、父はカレー作りに凝っていたからだ。 

父は、カレー粉を小麦粉とコンソメスープでのばしながら、私の話をじっと聞いていた。 

「いや、ほうれん草カレーはそんなんじゃないぞ。」 

そう言うと、父はフライパンをじっと見つめながら、ほうれん草カレーについての説明を始めた。 

ほうれん草カレーとは、インドで言うところのサグカレーとかいうやつで、ほうれん草をペーストして使うのだとか。 

父も詳しくは知らなかったらしく、説明はおぼろげで、あまり食べたいとも思わなかった。 

私が再びほうれん草カレーと出会ったのは、去年の冬のこと。最初の邂逅から実に二年半が経過していた。 

妻と近所のインド料理屋に食事に行ったのだが、何の気なしに頼んだのがほうれん草のカレーだったのだ。 

それまでにもそのインド料理屋に行くことは何度かあったが、頼んだことは一度もなかったのに、そのときに限って頼んでみた。 

「美味しい。」 

ほうれん草の味と、スパイスのバランスが絶妙で具材のチーズもしっかりと馴染んでいた。 

「これ、うちで作れないかな。」 

ぽつりとそんなことを言った。

それからしばらく、家でほうれん草カレーを作る方法が話題にのぼり、また違う話題へと移っていった。 


たぶん、そんなやりとりをしたこと覚えていてくれたのであろうか、、、これまたたまたま近くに、輸入品を多く取り揃えるスーパーがオープンしたため、スパイスを一式買って、やってみようと提案してくれた。 

かくして、出会いから三年、思い付きから半年という、長期熟成されたプランを実行に移す機会が図らずもやってきた。 

とりあえず、インターネットでメニューを幾つか参考にしてみた。 

まず分かったのは、ほうれん草カレーとは、実は、ほうれん草ペースト、トマト、玉ねぎ、ひき肉を煮込んだものを、スパイスで味付けしたものだということ。 

これはかなり新鮮な発見だった。 

カレーを一から作るというのは、かなり大変な作業だと思っていたが、味付けのスパイスが多いという以外は他の料理とあまり変わりはないのだ。 

味付けのスパイスが多いというのは、気候の関係だろう。 

インドは基本的に暑いから、食材は傷みやすく、すぐに悪臭を放ちだす。その臭みをとるためのスパイスなのだ。 

日本と同じような調理法をとりながら、気候に適応するために食材で対処してきたインドの方々に思いを馳せながら、今日はレシピ作りを続けた。 

結局、三十分ほどかけてレシピを作り、作ってみた。 

改良点はまだまだあったが、美味しかったし、カレーと言っても何ら差し支えない味だった。案の定、娘は一口も食べなかったが、妻は美味しいとおかわりまでしていた。

それにしても、今回の料理は楽しかった。作るところよりも、色々と知れたことがよかった。 

文化に触れると、そこに人間の叡智を垣間見ることができる。私はそんな瞬間がすごく好きだ。

相葉マナブという番組が好きなのもこんな理由なのかなと漠然と思った。そして、英語を勉強している理由の大半はそれだ。後付けではあるけれど。

たかが料理に大袈裟な気もするが、たまには手間暇かけてやってみるのもいいものだ。

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