Boat Haus Cafe(スリランカ)
スリランカの中心都市、コロンボから車で約30分の場所にマウントラヴィニアという街がある。
マウントラヴィニアはイギリス植民地時代に英国貴族の避暑地として栄えた。
伝説では、貴族のトーマス卿がダンスパーティでシンハラ人の踊り子であるロヴィナと恋に落ちている。しかし、身分の違う二人には結婚することはもちろん、公の場で会うことすら許されなかったのだ。
やがて、トーマス卿にイギリスへの帰国命令が出される。一緒になれない悲しみから、ロヴィナは船出とともに海に身を投げてしまう・・・
マウントラヴィニアのビーチと海はとても美しい。Boat Haus Cafe の客席はこのビーチと海を独り占めできたのではないかと錯覚するほどの景色だ。
すっかりリゾート気分になった私は「パイナップルジュースをください」と注文をした。
注文を待つ間、若い旅行客がビーチでたばこを吸っていた。海風がたばこの煙をかき消しているようで、いやな気持にはならなかった。現地の人とはなして、連絡先まで交換していた。「楽しんでいるな~」と私も現地の人になったようつもりで微笑ましくなった。
このようにしばらく人間観察をしているうちにパイナップルジュースがやってきた。いつもの習慣で写真を撮る。今回は背景の方が主役かもしれない。
海を見ながら飲むジュースは儚い味だった。
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