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尾形亀之助詩集

数年ぶりに再会した友。
友とはいえ、じっくり話を交わしたのは今回の再会のタイミングで初のことであった。
友は、別れ際に一冊の本を私に差し出してくれた。


「私が唯一好きな詩集です」

そう言い残して、再会の美しい一日の時間を閉じた。
本のギフトは、久しぶりのことだ。
何より、読者家として知られ、図書関係の仕事で生計を立てていた友が、曲りなりにも詩の筆名を持つ私にギフトしてくれた本だ。それだけで、特別な輝きを与えてあげなければならない一冊に値する。
本の作者は、尾形亀之助。
この初めて知る作家は、宮城県大河原町出身の戦前〜戦中に筆を残してくれた詩人であるという。
大河原は、嬉しい縁がある町だ、そのこじつけ的な合致も嬉しい。
そして、詩。
読み始めてすぐに、こう感じ入ることができた。


「無理に背負おうとしていた肩の荷を、降ろすことを促してくれる作用を与えてもらえたような気がする」


大切な本。
大切な想い。
すべてが美しい。

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