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お・も・て・な・すRunの前提条件

突然のメッセは旅を走るひとでした

 自分はオンラインサロンPLNETSCLUBに地方より参加して、クラブの分科会の一つであるランニング部に所属している。

 クラブに参加して気付いたら一年が過ぎてるなと思っていた2019年10月

 「こんにちは。〜自己紹介〜 突然の連絡しつれいします。じつは今九州をたびしておりまして、明日大分県にも少し寄り、軽く走る予定です。おすすめのランスポットはどこかございますか?」

 Messengerが「ピキーン」と甲高い音を鳴らし、開くとランニング部メンバーから突然のメッセ。

 もちろん直接の面識は一度もない。しかし、クラブのランニング部スレッドやストーリーズ(Strava地図)で、頻繁にランニングデーターを更新しているのは把握していた。
 そして、なぜかそのデーターの場所は日によっては突然違う都道府県になっている事も。

 「こんにちは!いつも拝見しております(^^
お〜大分にも来るのですね!それでは別大国道横断するのはどうでしょうか?片側は別府湾!反対側は緑生い茂る高崎山もあります!時間が合えばご一緒したいトコではあるのです!」

 最後の一行はいわゆる社交辞令込みというやつである。

 と返信しながら、そういえばなぜか隣県の熊本走ってたよなとか考えてた様な気がする。

 すると

 「明日もしお時間あいましたらぜひご一緒させてください。時間は調整できますので是非!」

 なんとクラブメンバーと大分を共に走れる。そしてこれは乗り気な返事では!
これは答えなければと使命感という早退するのにふさわしい自身への言い訳を全力で肯定するとともに返事をし、段取りを付け、最終的には

 「突発リアルラン!!大分市でクラブメンバーと(^^」

 と返信し、次の日別大国道を一緒に走るという企画を立ち上げた気になる。

 この時自分の年齢がクラブでも高齢側だろうからと勝手に年下だと思い込んでいたので、メンバーのFBプロフィールはほとんど見ずにいた。(実際はクラブでも人生においても先輩なのでありますが)
 それでもなんとなく丁寧な文面からは行動とは相反してそんなに積極的なウェイ系ではないのは感じ取れていた。(そもそもPLANETSCLUBにウェイ系はいないとは思うのですが)

 せっかくなので、早速プランを練り上げる。まずは別府と言えば温泉である。とは言え今回の来県はどうやら途中下車の旅で時間もない、単純に大浴場的な施設の方が、タオルもシャンプーなどもセットなのでそちらで汗を流し、近くの海鮮系の居酒屋さんでお魚をご馳走しようと決める。

 ランニングの後に一緒に酒を酌み交わすことができる。これも初である。まだ会ってもいなくてどんな人かも分からないのにこれは最高なのではないだろうかと妄想が膨らむ。

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初めてのタンデムラン

 当日、仕事は適当に切り上げ一度帰宅し、待ち合わせ場所の大分駅に向かう。ちなみにこの時メンバーの顔はご本人のストーリーズに一瞬映っていた顔しか見た事はなかった。たぶん分かるだろうと歩いているとすぐにリュック一個というカジュアルな本人を発見し、名前を呼び確か「どうしたんですか↗︎(^^」みたいなことを言った気がする。

 そう言えば初めてクラブのランニングイベントに絡めて上京した際、初めて関東メンバーで出会ったMさんとも「クラブメンバーの方ですよね」と言われ、「はいそうです。」みたいな感じで「みんな遅いですね〜」と二人とも通りを挟んで間違ってる方のランステにいるにも関わらず意気投合するという奇跡的な事もあった。

 そうして、ご本人から今回の来県の経緯を聞いた。前日の熊本にはラクビーWORLDCUP観戦で来た事や以前九州で働いていらっしゃった事や転職が決まり有休消化中であることなどを聞き、なぜストーリーズがアップされる度に違う県で走っているのかがハッキリし、話始めればクラブメンバーだからか意気投合するのも早かった。
 というかいきなり二人とも共通項があった。二人とも元ラガーマンである。その上自分も本業とは別にずっと飲食業でアルバイトしているので、ご本人の本業が飲食業と聞き尚更親近感を感じた。それと人生においても先輩であることも。

 そんなことを移動する電車の中で話しながら、ランニングスタート場所である別大国道に入り走り始める。
 正直何を話していたかは覚えていない。ただ、走ったり歩いたりしながらこの後酒を酌み交わすということを少しだけ楽しみにしながら淡々と時間を消化した。

 走り終え浜脇温泉に到着したがまさかの大浴場定休日というリサーチ不足に申し訳ないと反省しながら急遽900m離れた有名な温泉施設へ。実はここから予定していた居酒屋さんが近かったのでここにしたのです。最悪の場合も想定してタオルを2枚リュックに忍ばせていたのもここで役に立った。

 温泉を後にしいよいよメインイベントの開催である。本当はカウンターで並んで飲みたかったが二階に通される。早速ビールから始まり、大分名物である琉球(青物系の魚の漬け)、とり天を交えつつ飲み始める。次はお酒をとなったら、それは旅するランナーですから地元のお酒をチョイスするという粋な振る舞い。答えねばならないでしょうという言い訳を自分に加し便乗する。

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 そんなことをしているとふとあるメニューが気になる
「さつま地鶏」要は地鶏の炭火焼と自分は認識するのです。それはなぜか?
それはラガーマン時代、隣のポジションだった同級生のお店が大分市でも超有名なモモ焼きの名店だからなのです。
 そのことを話すと「それ食べたいですね〜」となり急遽別府よりタクシーで大分市に戻り入店。
 すぐに「これは良い店ですねー」とお褒めの言葉をいただき、活気あふれる満席の店内を見ながら目の前の角になってるカウンターに座りモモ焼きと今度は焼酎でやる。
 電車の時間もあり、滞在時間15分となった。同級生からも「もう帰るん」と言われてしまう。ちなみにちょい数週前にたまたま店の近くですれ違いタダで余ったモモ焼きをもらったばっかりでもあった。

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 結局そんな最高の時間もあっという間に過ぎた。同級生の店に着く前の移動中のタクシーでも新たに格闘技で意気投合し、店の活気と地鶏の旨さと焼酎の旨味も重なりこのまま別れるのがもったいないではないかと思ってしまうほど名残惜しいい時間となったが、久しぶりにそのように感じた時間が何よりも嬉しかった。

 後日クラブでの軽井沢ランで再開し、ランニング後もう一人のメンバーと3人で地ビールで乾杯した。
 定例会で上京した際は定例会後、数人で飲みに行き、ご馳走になったからと今度はご馳走になった。その時に「旅人にお金を払わせない」みたいなことを言われた。
 自分はそんなことを考えてなかったが、そう言われて今度は自分もこのセリフ使おうと思った。

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お・も・て・な・すRun

 今思い出しても途中下車での数時間の来訪者だったけど今までにこんな経験は一度もなかった。

 普段はオンラインでの活動で所属メンバーに刺激を受けつつ勝手に走っている。しかし、今回は企画でもなんでもないプライベートでメンバーが来県するという激レアパターン、それもアラフォーのおっさんの初対面。
 もちろん走るコースだけオススメするドライな対応でも全然悪くはないと思うが、こんな事は滅多にないとなる事で、それだけでは足りないなと、「もてなす」というスイッチが入ったと言えるかもしれない。
 別にドライな対応を批判するつもりは毛頭ないのでそれは念を押しておく。
 さらに、自分の場合は基本暇人である事や、育ちなのか、天然なのか、この「もてなす」という対応も嫌いではない気がしている。もちろん誰でも良いという訳では当然ない。

 そして、ここでもう一つ重要な自分のポジションとして地方在住者ということがある。
 すると、この「もてなす」という少しウェット(濃厚接触)な関係が発生してもその場限りという物理的に程良い距離感(ソーシャルディスタンス)を同時に確保できるという付録が付いているのである。

 もしもこのようなウェットな関係が毎日続いたらと思うと、極力一人でいたいとライフスタイルを形成してきた人間には逆に地獄でしかない。

 だからこそ、このバランスを維持できるという前提条件に、なおかつそこに走るという共通のバイパスも加わる事により、存分に楽しさを堪能できるのである。

 その上クラブメンバーでもあります。PLANETSCLUBのメンバーに初めてあったのは2019年年始に福岡の学習塾兼本屋で行われたPLANETS Vol.10を中心とした宇野常寛さんの登壇だった。その時のメンバーは福岡や隣県メンバーの自分も入れて5人だった。
 宇野さんの登壇が終わり、そのままクラブメンバー、イベントオーナー、宇野さんとのアフタートークがあり、イベント会場で大いに盛り上がった後、最後はそのままクラブメンバーだけで近くの公園のCAFEへ移動し、みんな初対面にも関わらず、高揚感も重なってか非常に居心地が良かったのを覚えている。

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 それから、メンバーのランニングイベントも絡めて関東に行った際も何人かの方と初対面だったが、居心地の良さを感じた。思わず、終了後のランチでは調子にのって自分一人で一杯だけ飲んだ。

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 そして、今度は自分の住んでる場所に初対面のメンバーが来た。それも今度は1対1だった。結局何も変わらなかった。クラブメンバーでなおかつ走るひとという前提条件があるだけで不思議と事はスムーズに進む。

 さらに今回は粋でいなせな旅を走るひと。

 面白くないわけがないのである。

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 書くために飲む・飲むために走る

 食べる前に飲む

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