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びっくりのインド ● 10 ● 朝食と菓子

日本のビジネスホテルに泊まるとき、わたしは朝食を付けないことが多い。
レストランまで食べに行くのが面倒だし、前日の夜にコンビニでサンドウィッチと飲み物を買って、翌朝に部屋で食べることにしている。

家にいるときは朝食をとらないが、そもそも、朝食をとる/とらない を決めれるのは 日本だからできる贅沢 なこと。
何か食べたくなったら いつでも徒歩で食べ物が調達できる国 はそんなに多くないのではないかと思う。

インドでは朝食べておかないと昼まで空腹かもしれない。
朝食をどこで食べるかも分からないし、彼らがどんな食事をするのかも見当がつかないから、ホテルでビュッフェスタイルの朝食が提供されていたのは非常に助かった。

これが、ある日の朝食に選んだものだ。
『 ○○らしきもの 』 が多い。

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真ん中にあるのは、実はドーナツではない。全く甘くなくてショックだった。
右にある薄緑色のスープらしきものは味がなく、野菜をミキサーにかけたようなドロドロな舌触りで、はっきりと記憶していないが、もしかすると ドーナツらしきもの をこの スープらしきもの に浸して食べるのかもしれない。
ジュースは ココナツらしきもの だったと思う。

毎朝違うものを選んで食べてみたが、味のぼやけたものが多かったから、その後はパンと玉子とジュースだけにした。

街で普通に生活している人たちを観察したところ、お菓子屋さんがあちこちにあり、人だかり (なぜか男性ばかり) ができていて、どうやら朝食にお菓子を食べているようだった。

ショーケースには、1.0 ~ 1.5 ルピー ( 2008 年当時で 2 ~ 3 円) のお菓子が並んでいて、大きさは和菓子くらいだ。

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胸の下くらいの高さの小さな丸テーブルが店の前に幾つか置かれていて、買ったばかりの菓子を皆、立ち食べしていた。
どうやら彼らは菓子を 2 つか 3 つ食べてから仕事に行くらしい。
何を話しているのかは分からなかったけれど、ジェスチャーを見ると、「じゃあ、また」 な感じで、一人、また一人と何処かへ消えていき、仕事を始める頃になると朝のお菓子屋さんから人がいなくなる。

菓子を近くで見ると色鮮やかなものもあって美味しそうだから 2 ~ 3 個買ってみた。
期待を膨らませて夕食後に食べると、味は美味しいが、とにかく 恐ろしく甘い
日本人がよく言うように 「ついつい手が伸びて、もう 1 つ食べてしまった」 なんてことは絶対にない。
1 日 1 つ、小動物のように少しずつかじりながら食べた。

昼や夕方にお菓子屋さんに行くと、女性も菓子を買っていたので、朝に菓子を食べてから出勤するのは男性だけなのかもしれない。
或るインド人夫婦に招待されて夕食をごちそうしてもらったことがあって、そのときは手作りのお菓子もあった。

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これはグラブジャムンという菓子。私が見たのはシロップに浸かっていて、それはもう、1 つ食べたら、その前に食べたカレーの味など何処かへすっ飛んでしまうほどの甘さだった。
極度に甘いものを食べると鳥肌が立つことも、このときに知った。
「普段は甘いものを食べないので...」 と嘘をついて 2 つ目を断った。

街のあちこちにお菓子屋さんがあるということは、インドの人はそこそこの量の菓子をかなりの頻度で食べているはずなのに、痩せている人が多いのは、カレーの中に入っている香辛料に秘密があるか、あるいは砂糖の量と肥満は関連性が低いとしか考えられない。

わたしは甘いものが大好きで、コンビニに行くとダメだと分かっていても最後にスイーツを見て 「これは 180 キロカロリーだから大丈夫」 と自分を納得させて買ってしまうが、インドで菓子を買ったのは 1 回だけだ。
日本でも ダイエット菓子 という名前で 一度食べると最低 1 か月は忘れられない強烈な甘さ のスイーツをコンビニで販売すると意外にもヒットしそうな気がする。


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