妄想:世界大戦から80年で西側陣営が瓦解する

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1945年、世界大戦はそれ以降発生していない。だが、冷戦下の代理戦争、銃火器を使わない経済"戦争"、人権"戦争"、貧富の格差"戦争"、交通"戦争"、文化・文明間"戦争"...数え上げれば枚挙に暇がない戦争だらけの80年になろうとしている。

民族大移動と言ってもいい難民移動に不満を持つ有権者の右傾化。放置される貧富の格差。気候変動に追従できない食料やエネルギー。人間が作りだした人工(AI進化)推論装置は制御不能に陥っていく。大戦に陥る発火点は多種多様に存在する。

80年を牽引してきた西側といわれる陣営。数々の発火点を抱え込みながら膨大なカロリーを費やして文明を維持・発展させようとしている。その魅力に引きずられながらも身の丈に合わない国家運営を強いられる弱小国。その弱小国に対して、「東側の縮小傾向」から反転攻勢に出たリーダーが侵略という暴挙に出る。侵略された領域を事実として受け入れようとする西側。侵略された弱小国の失望は大きい。西側陣営に加われないことを悟る。

それが歴史的事実となって東側の勢力が一気に拡大していく。"民族統一"を根拠にスラブと漢が各々に纏まっていこうとする。弱小国はその動きに引きずられて"民族の誇り"を頼りに繋がらざるを得なくなる。

西側陣営の中も現体制に不満を持つもの同士で"〇〇統一"を掲げて連鎖的な運動を繰り広げる。世界は"統一"思想で塗り固められ西側陣営の「個を重視する」思想は潰えていく。

"統一"思想のために犠牲を顧みない衝突が繰り返されるが、なぜか、弱小国が所有し始めた核兵器は使わない。核拡散が始まっても核戦争には至らない不思議な戦争だらけの世界となる。

「本能的に自制が働くイクサ」が繰り返され女性や子供の死を伴いながら「形式化した戦争」で世界大戦は続いてく。食料・エネルギーの争奪戦で環境破壊が深まり、生活環境が急速に悪化していく。だが、戦争による人口減でカロリー消費は低減し、西側陣営が栄華を誇った時代より地球環境の冷却化が進んでいく。

戦争で人間が減ってカロリー消費が減れば地球は救われるのだろうと、東西陣営の科学者は気づくのだ。たった一台残っただれも使わなくなった人工推論装置を立ち上げて問うてみる。

「人間は愚かなイキモノか」

「推論するまでもありません。愚かです。」

もう、だれも面倒を見なくなった核兵器だけが沈む夕日に照らされてその先の闇を待っていた。

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#日経COMEMO #NIKKEI

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