省庁改変:厚生労働農林水産建設通産省 新設

妄想です、はい。*****

自然由来の食糧を調達できなくなった日本。「すべての資金を調達してもいい。細胞(生物)培養産業を成長させる。オール日本 でやる!」と、国会で施政演説を行った、新総理大臣。

まず、監督官庁の再編である。医療や食品衛生を監督する 厚生労働省 と 食料生産を監督する 農林水産省 を 一本化する巨大官庁の誕生だ。

だが、組織として一本化することは困難である。総理大臣は、あたらしい「医食住大臣」を設けることにし、大臣の下に、優秀な官僚を集めるようにした。手始めの対象省庁は、厚生労働・農林水産・国土交通・経済産業 である。

はじめに「培養ありき」である。有益で安全なウィルスや菌・微生物を含む「生物培養」の研究開発を国家事業として推進する。次に持続可能な事業にするために、労働者や支援機構の(組織・団体と人工知能やロボットを含む)増産を国指導でおこなう。さらに、輸出産業へ成長させるために監督官庁である経済産業省の力を借りる。同時に、生産拠点と輸送手段を都市部に集中させる企画を国土交通省に建てさせる。

「食は医療である」。これを合言葉に、「生物培養」から抗生物質を含めた医療に貢献する生成物を監督するあたらしい医療行政を発足させる。

ここからは、科学技術庁の出番だ。量子コンピューティングや光子研究の第一人者が 「医食住大臣」の下にはせ参じ、科学技術の力で「医食住」を強力に推進していく。

20〇0年、日本の文化は大きく変わる。軌道に乗った「生物培養行政」。あの畜産で苦しんだ過疎地は日本から無くなり、大自然へきれいに還した山河や海がきらめく。十を少し超える数の大都市が点在する日本。巨大な培養漕が都市の中心部にそびえたち、そこから縦横無尽に伸びる「食料パイプ」。

「食料パイプ」にそって、大人数の労働者(経営者含む)のアバターロボットが移動する。自宅にいるニンゲンの制御(大脳直結通信)による 働く集団 である。

世界から称賛される日本人。日本人は大都市の自宅にいて、褥瘡回避を施された 快適なベッド の上で仰臥している。大脳直結通信用枕 に頭をのせて、常に微笑んでいる。ときどき、蛇のような動きをするチュウブが口に潜り込み、食料パイプから送られてきた食料を飲み込む。同じように、別のチュウブが尿管や肛門へ滑り込み、排泄物を吸い込んでいく。

その時が来た。食料パイプからニンゲンの内臓だけ液体に分解する酵素が運ばれ、水を入れた風船のようになったニンゲンは、死を迎える。だが、その顔は この上ない幸福の表情 となっている。酵素で分解される前に 大脳直結通信用枕 から「幸福の悟り」が送り込まれていたからだ。

内臓が分解され液体になった後は、あの蛇のようなチュウブに吸い取られ、都市の中心にある 培養漕 へ送られる。生物培養の栄養となるのだ。

昔で言う「骨川筋衛門」になったニンゲン。あるとき、アバターロボットが自宅を訪問し、ご遺体を 丁寧に丁寧に尊厳を失わないように、貴重な材質で作られた箱の中にしまう。世界はその生中継の映像を見て、ありし頃のニンゲンを想像し、「最期をみとられた」と納得をするのだ。

*****

さて、これは恐ろしいことでしょうか、幸福の映像でしょうか。大脳だけで生きながらえる日本。生物培養に活かされて生物培養の餌となる。循環の中で大脳の情報だけが、拡大縮小を繰り返す。

なんだか、生物の縮図 そのもの。あらためて、ニンゲンはイキモノ であるのだなぁと思った次第。

#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?