中妄想:身内がスパイだったら

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大昔からある話。誰を信用するか。敵の敵が身内なら信用してよいのか。家族なら絶対的な信用が持てるのか。

疑心暗鬼が過ぎれば政治は終わる。信頼に信頼で返す人間関係以外に政治は行えない。だが、脇が甘ければ食いちぎられる。害をなすものを許してはいけない。だが、その害なすものが最も信頼していた身内なら・・・。

独裁下では必ず疑心暗鬼から政治は硬直化し、粛清に次ぐ粛清で有能な身内が少なくなり、政治が回らなくなり庶民の反乱を招き、動乱が発生する。それは、独裁完成からどのくらい先の出来事か。一代の内に起こるのか、数世代後に起こるのか、天のみぞ知る。

身内からスパイが出れば、その任命責任は重い。よって、任命したこと自体、なかったことにする工作が必要になる。存在を完全に消し去り、そもそも任命がない状態に早く落ち着かせなければ、どこかからか煙が立ち始める。

それができなければ、醜聞を広めて「自壊した」ことにする。自己責任で消えていき、任命者に責任が及ばないようにする。だが、それも、どこからか醜聞とは正反対の "真実らしい嘘" が広まり、任命者の責任を問う何かが蠢き始める。

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突然消息が途絶えるのは、独裁にとって最大限の危機があったというサインとみなしていい。ソ連を見ても、様々な帝国や君主国の歴史を見ても、そこから大きく流れが変わることがある。今回はどうか。"やはり" という妄想が止まらないのです。

#日経COMEMO #NIKKEI

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