貧妄想:完成品一歩手前の「輸入には高関税」を充てない米国
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完成品輸入に限り関税を "大幅増加" させる。未完成だが国内で組み上げれば完成となる「未完成品」の輸入は関税を "小幅減少" させる。それで安く仕入れた「未完成品」をそこそこの労力で「国内組み上げ」して完成品にして国内流通させる。
そうすると「国内生産完成品」と「輸入完成品」は市場で「国内優勢」となって選挙公約を守ったことになる・・・のかな。
これは無形のサービス業にも当てはまるかな。個々の能力はそこそこにあるが完成されていない人材を安い労賃で合法移民(以降、未完成合法移民と呼称)にして、サービスの「国内組み上げ」で「国産完成サービスの従業員」に仕立て上げる。先端・高品質の国産サービスと輸入サービスでは「国産優勢」となってここでも選挙公約を守ったことになる・・・のかな。
それで、「国内組み上げ」労働者を多く雇った企業を減税の対象にする。雇用を増やす公約も果たせる。更に「組み上げアイディアは高学歴エリートたちに任せる」インセンティブを組み込んだ政策を施行すれば「反現政権のエリートたち」を黙らせることができる・・・かな。
こうやって「組み上げ能力の高い国民」が出来上がって国内経済はそこそこに回っていくのでしょう。それで、国内組み上げ完成品やサービスは輸出奨励対象となる。でもそれは「高額商品」であるのです。なんせ米国製を安く売るなんて発想はない、昔から。
ここで大統領の登場となります。得意のディールで「米国製の押し売り」をやるわけです。「お前んところの未完成品の関税を安くしてやっから俺んところのシナモンをきっちり高く買え」と宣うのです。
これで困るのは "旧"先進国なのでしょう。完成品を米国で売って利益を得ていた構造から、未完成品を安く売って米国産を高く買う構造に変わるのですから。そこへ、中進国が割り込んでくるのです。「未完成品なら先進国より安く提供できまぁーす」と大統領に握手を求めるのです。
中進国は資源国であったりしますから、原料輸出でそこそこ経済を回していけます。安価な未完成合法移民者を米国に輸出することにもたけています。防衛力と防衛産業は手薄ですから、米国産防衛関連完成品を無理をしてでも購入するのです。これで、取引成立です。
"旧"先進国の没落のはじまりです。自前の防衛力はそこそこに整備されたまま中進国へ遷移していきます。国内では「反米」の戦意が高揚しています。それゆえに米国は "旧"先進国を避けるようになります。「あいつら、役立たずだ」と。
"旧"先進国はそれでも米国市場をカミのように崇めるのです。「米国市場をあの頃のように占有せにゃならん」と政治家は思うのです。米国大統領が繰り出すあの手この手の不平等ディールに相槌を打ちながら戦友である国内企業に叱咤激励するのです、「米国市場をとってこい!」と。
これやあれやで大統領の米国第一主義の公約は達成されるのです。猛烈な愛国主義と現政権信奉者がかつてない盛り上がりを見せます。そして「米国に朝貢する国」を支配していきます。「組み上げアイディア」だけで世界に君臨できるあたらしい国の形を示したのです。
*****(イラストはDALL-E2が作成)
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