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コロナ時代のベンチャー経営【アフターコロナ編】

5月14日に配信した「コロナ時代のベンチャー経営」はおかげさまで多くのご反響をいただきました。

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今回のNOTEはその続編の位置づけになるのですが、すでに対策方針についてはその背景含めて生々しく記載していますので、あらためて前回のように詳細レベルまで書き記すつもりはありません。今回のNOTEは別の目的で書いています。

ズバリ、「アフターコロナの行動規範」について、リブのアウトプット事例をPDFでそのままお渡ししようと思っています。というのも前回のNOTEで以下のように予告していました。

GW明けから6月以降のリブ・コンサルティングのコロナへの向き合い方を「PLAY BOOK」としてまとめており、今日、ドラフト版が完成した。5月いっぱいでデザイン化も含めて見栄えもカッコよくする予定。3週間くらいで完成するので、完成したらこのNOTEにアップして普及させていきたいなと。自社のPLAY BOOK作成の参考材料として活用したい方はぜひNOTEをフォローしておいてください(^^)/

このPLAY BOOKが完成したので、社員や顧客への説明ガイドラインのサンプルとしてぜひ参考にしてください。私のクライアントでもちょうどPLAY BOOKの作成をはじめましたが、まだ世の中に事例が出回っていないので、弊社のサンプルはとても重宝がられています。

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ちなみにコロナの状況に合わせて、PLAY BOOKはどんどんアップデートしていくので、皆様もぜひそのようにご活用ください。

アフターコロナの基本方針について

まず、今後のコロナ前提をどこに置いているかということだが、リブとしては先行きをまだシビアに見ており、第二波や第三波を見据えた慎重な対応をしている。

NEW NORMALを追求する上で、経営のデフォルトをアクセルに置くのか、ブレーキに置くのか、という点からすると、「ブレーキに置きながら少しずつ環境変化に合わせに行っている」というのが少なくとも6月度における私たちの姿勢である。

理由は、前回のNOTEでも少しお伝えした通りである。

①「命」の安全を最優先させるのが、社会の一員としての使命
②「100年後の世界を良くする会社を増やす」という自分たちのミッションを今こそ示していこうという決意
③企業内・地域内・業界内で大きな役割を果たしている経営者・経営幹部が私たちのカウンターパートであるという事実

PLAY BOOKの冒頭には、以下のように私たち自身の指針を示している。

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「ブレーキをデフォルト」といっても、経済活動を緩めるつもりは毛頭ない。私たちはまだ8年目のスタートアップなので、そこまで余裕もないし、元々オフィスにテレマブースがあるくらいの戦闘種族である。

そうではなく、ルールを決めずに中途半端にやることが最もモラルハザードを引き起こすので、ちゃんとルールブックを作ることで逆にプレイに集中できる環境を創ろうというのが趣旨である。そこからイノベーションを生み、攻勢に転じるための決め事である。

PLAY BOOKの中身としては、下記項目に沿って、12ページに亘り、私たちの具体的な行動指針を明確にし、行動の徹底を促すものとなっている。

理念・マインド
私たちの基本的行動
リモートワーク
オフィス
顧客企業等への訪問と《訪問ガイドライン》
会議、ワークショップ、セミナー
勤務時間外の行動
Appendix

5月28日に動画で代表の関よりトップメッセージを配信し、細かい文脈も含めて説明している。

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またこのPLAY BOOKに則って、下記3点の新たなガイドラインを設定しているので、それも合わせて共有したい。

オフィス出社ルール
②オフィス環境の整備
③行動履歴の管理

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オフィス出社ルール

オフィス出社については、引き続きリモート推奨ではあるものの三交代制での出社システムを組むことにした。

緊急事態宣言が解かれた後に、新聞紙上で「オフィス」か「在宅」かの二元論で論じられているところがあるが、そういう話でなくもっとイシュードリブンで緻密に考えないといけないと思うので、少し突っ込んで記載したい。

まずこのコロナ期間中に、プロジェクトベースで動くコンサルティングビジネスは在宅ベースでもそこまで支障なく進めることができることは今回あらためて実証された。

ではなぜ出社ルールを作ったのかというと、最適なハイブリッドモデルを探っていくという実験的な意味合いもあるが、主にはリブ入社半年以内メンバーのオンボーディングの位置づけが大きい。特に入社時からずっと在宅環境のメンバーがその対象である。

すべての研修内容はEラーニングやオンライン研修に置き換えられており、OJTも問題なく進んでいるため短期的に回す上では一見すると問題ない。が、中長期の課題が引き起こされるだろうと踏んでいる。

非目的なコミュニケーションを促進して、リモートワークの弱点を補完したとしても、文化的、歴史的文脈にどうしてもバラツキが起きてしまい、コンサルタントとしてのあり方や基本動作といったところの伝承に差が生まれてしまうリスクを感じている。

リブ・コンサルティングの事業成功の要因は、「コンサルタントの育成」であり、そこが脅かされることは後で必ず痛い目をみることが分かっている。今年入社の新卒が13名に加え、毎年30名強のキャリア入社を受け入れており、そのメンバーの育成状況はリブにとって「すでに起きている未来」となる。

したがって、そのオンボーディング対象メンバーとその教育担当になっているトレーナーメンバーについてはオフィス勤務を推奨するというのが帰結点となった。

そのトレーナー&トレーニー集団を鑑みながら、全社員をこのタイミングでX、Y、Zの3グループに分けて、オフィス出勤のタイミングをずらすことでリスク分散を行うことにした。

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細かい内容ではあるが、グルーピングにおいては以下の4点に基づいて行われている。

①トレーナー&トレーニーのペア
②事業部単位のグルーピング
③役員は管轄範囲に準じてバラバラに
④人事部もカバー範囲に合わせてバラバラに

また、大前提として感染リスクのある方については申し訳ないが、この3グループのいずれにも所属させず、オフィス勤務を禁ずることとした。

そのリスク分類は以下のマトリクスに準拠させ、CおよびDに該当する6名の社員がその対象となっている。

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シビアに受け止められるかもしれないが、本人にとっても周囲のメンバーにとっても、その先の顧客や社会的な責任のためにも必要な措置だと判断している。

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オフィス環境の整備

前述の通り、リモート推奨ではあるもののオフィス環境も6月1日に合わせて以下のように整えている。

①入退社および会議室の入退室における非接触環境
②非接触の体温計を常備し、必要に応じて順次確認
③入退室簿の記録管理
④ソーシャルディスタンスの席配置
⑤アクリル板の設置

<オフィス風景>

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行動履歴の管理

6月1日から行動履歴も全社員記載することをルールとした。コロナが長期戦になることを想定すると、中国モデルや韓国モデルのように事後対応への準備を進める必要がある。

まずは社内外における感染対象者の範囲を特定するための接触履歴を調べるだけで十分なので、アプリ導入とかではなく、以下の通りにエクセルの単純なフォーマットで管理することにした。

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ルールは下記の3点である。

・万が一の感染に備え、社内外問わず接触者の名簿を記録
・接触者=同じ場で面談・会議等で同席した方々で、時間基準は30分以上
・過去2週間分を記録し、必要な場合は会社に提出

感染しない・させない工夫はあたり前のことだが、万が一の備えをすることも社内外のエチケットとして求められることになるだろう。

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おわりに:PLAY BOOKの活用

ベンチャー経営の観点から、2回にわたってリブ・コンサルティングのコロナ対策をできるだけ具体的に書き記した。

ただこれで万全ということではなく、また終わりということでもなく、実際には今からが本当のスタートであり、PLAY BOOKも常にアップデートする必要がある。その先にNEW NORMALがあり、イノベーションがあると考えている。

コロナの行く末は一向に分からない。新興国でパンデミックになったらどうなるのか、変異はするのか、ワクチンは本当に開発できるのか、再感染しないのか、、、未だに分かっていることは少なく、仮説の域を出ない。

予測できる範囲を超えている以上、経営指針としてはアジャイル対応をしなければいけないのだが、だからといって状況に応じて右往左往するだけでは環境に依存しているだけである。いつも重要なことは環境変化の中から、自社が何を選び取るのかということに尽きる。

急激な環境変化には必ず揺れ戻しがあり、常に「進化」と「回帰」の2つの選択肢が与えられる。

緩和されるとまた同じ満員電車に揺られてオフィス勤務に戻り、自粛モードになると、家に籠ってzoomモードになる、という繰り返しを選択することがコロナショックからの教訓ということならば、人類の未来から振り返ったときに、ただの悲劇としてしか語られないだろう。

そうではなく、ここから進化を選び取るためにはどうするかという視点から引き続き模索していく必要があると考える。

未来に想いを馳せて、ベストシナリオを考えるのならば、

あの時、人類が選択したのは進化への道だった。
そして、その進化に貢献したのは日本人たちであった。

と将来世代が語っている姿ではないだろうか。

そのためには、個社ができることは限られている。ナレッジやノウハウを相互に共有しながら、全体でフロンティアを追求していくことだと考える。

リブ・コンサルティングとしては、今後もできるだけ社内での取り組みを惜しみなく伝えていこうと思う。ぜひ皆さんの取り組みもFBいただいて、循環してどんどんその輪を大きくしていければいいなと考えている。

前置きがだいぶ長くなってしまったが、リブのPLAY BOOKは(→こちら)からダウンロード下さい。

あくまでも第一弾であり、リブとしては、会社の進化に合わせてPLAY BOOKもどんどん進化させていくつもりである。ぜひ皆様の進化に少しでも貢献し、さらに進化を共にすることができればこれ以上嬉しいことはない。

最後になるが、リブのコロナ対策については便宜上、私が代弁しているが、関を代表とする経営陣、経営管理チーム、プロジェクトチーム、一人一人の社員の尽力、そしていつも支えていただいているクライアントやパートナー企業の多大なるご協力の賜物である。あらためて心から感謝申し上げたい。
「いつも有難うございます。」




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