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#case001-2

私Aの話は、もう少しだけ続きます。

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当社の営業部はこんな感じになっています。

★アパレル用繊維部
★産業用資材部

このように、大きく「服を作るための生地を担当する部門」と「土木や建築の現場で使用されるものの材料となる生地」にチームが分けられています。

この前、社内で社長とすれ違った時にそれとなく「社長、今回募集する営業は、2つのうちどっちに入れようと考えているんですか?」と聞いてみたところ、今回はまず産業用資材のチームで増員をすることがわかりました。

また、このコロナでアパレル系から産業用系にシフトすること、アフターコロナを見据えて海外営業に出られる準備をしておくことの2点も、今後のビジョンとして社長の頭の片隅に置いてあったようです。聞いといて良かった…(笑)。



次に、現状把握。

<アパレル用繊維部>
52歳/男性/既存客とのネゴシエーションが得意。新しいデバイスの使用能力向上には興味がない
47歳/男性/クライアントが欲しい情報を事前に準備して受注するタイプ。新規開拓向きではない
43歳/男性/ここ数年で値付けを一人でできるようななり仕事が楽しくなってきたようだ
35歳/男性/3年くらい前に転職してきたばかり。業界の流れを追うので精一杯だが、ガッツある

<産業用資材部>
41歳/男性/いつでも需要がある製品を扱っているため仕事が面白いようだ。ウチのエースの一人
38歳/男性/2人目の子どもが生まれたらしい。製品のポテンシャルを理解している
30歳/女性/既存クライアントとの交渉が上手い。こちらに有利な条件を持って行くのが得意なようだ
25歳/男性/当社は既存中心だが、新規開拓への興味も強く馬力がある。将来のマネージャー候補
24歳/男性/入ったばかりのポテンシャル採用。25歳の先輩を兄貴のように慕っている


こちらはざっくりでいいと思います。
どのポジションに、どんな人が入るとどうなるか。これは採用してみないとわからないですが、想像することはできます。


今回は産業用資材部を増員するわけですから、私はこんな人が入ってくることをイメージしました。

★年齢差が開いている38歳のスタッフと30歳の女性スタッフとの間に経験者を迎えて、最短でエースの数を増やす。しかしこの場合、海外出張ができる世の中になったとしても、「●●さん、来週からちょっと東南アジアに行ってきてよ」と気軽にお願いしにくいかもしれない

★25歳の若手は仕事に対する意欲が高く、周りからの評判も良い。将来的にマネージャークラスに育ってほしいが、近い立場にライバルを置けば成長スピードは速くなるかもしれない。25~27歳のレンジで未経験者を採用し、メンターを25歳の彼に任せてみる。ここで後から入社した人がメキメキ実力をつけられたら、若年戦力の層が厚くなるというメリットもあるな


というわけで、上記のような簡易型調査結果と、それをもとにした仮説を資料にまとめたうえで社長とのミーティングをセッティングしました。


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この会社さんは、たくさんあるケースの中の一部にすぎません。ですが、「単なる腰掛け人事」から「社長と同じ目線で採用戦略を考えられる人事」に一歩近づいた好例だと思います。

まずは「なぜ採用するのか」「誰を採用するのか」を決めたうえで、「どのように採用するのか」を専門のコンサルタントに相談してみるという順序を踏んでいくのがいいと思います。

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