アドリブ(即興演奏)について
これまでにコードについての基礎的な話をしてきました。
音楽理論やコードについてわからなくて、まだ過去記事を読んでない方は
ぜひそちらもチェックしてみてください
いわゆる「音楽理論」の、「コード(及びコード進行)」にフォーカスして入門的に、かつ実用的に書いたつもりです。
コードについて理解することによって、コード譜で楽器を演奏する、DTMなどで作曲するときにコード進行を考える、既存の楽曲のコード進行を理解する、など出来ることの引き出しが格段に増えることが伝わればいいなと思っています。
そして「音楽理論」の話になるとよく出てくる「アドリブ(即興演奏)」について、今回は書いてみたいと思います。
「アドリブのやり方」の前に
アドリブとは?というところから個人的な見解も含めてお話したいのですが、「アドリブ」とはその名の通り即興で、その場で思いついたことを演奏する、ということです。
そういう意味では伴奏でもアドリブなのですが、多くの場合「アドリブソロ」のことを指していると思います。歌ものの曲であれば間奏部分でサックスだったりギターだったりがコード進行だけを見て即興でメロディーを考えて演奏する、というのがアドリブソロです。
ここで、アドリブで演奏するというとジャズというジャンルの話が絡んでくることが多いと(少なくとも個人的な経験では)思います。というのは、ジャズというジャンルの音楽は曲の大半がアドリブで出来ていて、「テーマ」と呼ばれる曲のメロディーはモチーフであって、それを各プレイヤーがアドリブによってそれぞれ違うメロディーを即興で演奏することが曲の重要な部分を占めている、からなのです。
ここでよく誤解されていることも多く感じるのですが、
ジャズ=アドリブソロ(の音楽)
と定義するのは(多少乱暴ですが)少なくとも間違ってはいないと思うのですが、
アドリブソロ(をしたから)=ジャズ
では決してない、ということです。
なぜならロックもポップスも民族音楽も、即興でソロを演奏することはたくさんありますし、即興でソロを演奏したからといってジャズになるわけではないからです。当たり前ですが。
なぜわざわざこんな回りくどいことを書いたかというと、「ジャズを演奏したい」という人がアドリブを勉強するときに、ただ「アドリブで演奏すればよい」のではなくて、「ジャズの語法に基づいたアドリブ」で演奏しないと、それはジャズの曲の中でただアドリブをした、というだけであってジャズを演奏したということではないのです。
逆もしかりで、ロックやポップスの演奏でジャズのフレーズで演奏してもそれはそのジャンルのアドリブソロではないのです。
わかりやすく言えば、演奏する音楽ジャンルの伝統やしきたり、平たく言えばルール、もっとわかりやすく言えば「雰囲気」が合っているアドリブを演奏しないといけない、ということです。
なので、ジャズを演奏したかったらジャズをたくさん聴いて、その語法を勉強してそれに基づいたアドリブをすることが必要ですし、他のジャンルでももちろん同様です。
ここを把握していないと、演奏するジャンルに関係なく
コードだけを見てアドリブで演奏しようとしてしまうことになります。
つまり、これから即興演奏について勉強しようと思ったら、自分が出来るようになりたい演奏、ジャンルなどをちゃんと把握して、それに必要な勉強をするということが必要です。
「ジャズ」を基準のように書いたのは、僕自身がジャズを通じて勉強してきたことや一般的にアドリブというとジャズという認識が多い(ような気がする)ことから、そのような書き方をしました。
ちなみに僕はジャズ以外の音楽の即興はちゃんと勉強したわけではないので、多少勉強したものでもなんとなく程度だったりしますし、
勉強してないジャンルはもちろん全く出来ません。
ジャズは出来てんの?というツッコミはなしで・・・。
以上を踏まえたうえで、アドリブソロについて、僕の場合はジャズをベースとしてのやり方として書きたいと思います。
前置きが長くなりましたが、個人的にはここが本当に重要なのにわりと話題にならない部分だと感じています。
続きは次回。
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