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「いい彼女でいよう」と努めた先の、クライシス

いまの彼氏との暮らしにはとても穏やかな日常が流れていて、私の友人たちも、彼のことを私が今まで付き合ってきた人の中で一番「いい人」「結婚に向いている人」と言います。

これまでの私の恋愛は、どちらかというと「相手のペースに私が合わせる」ことが多く、よく言えば「リードしてくれる」、それがときに強引であろうとも「引っ張ってくれる」人を好きになってきました。それが、私にとって心地いいと思える相手であり、そういう関係性を気に入っていました。

一方でいまの彼は、優しすぎる性格がときにアダとなるようなタイプで、自分を押し殺してでも相手のペースに合わせようとするような人です。なので、「本当はこういうタイミングで有無を言わせず引っ張ってほしい」というようなときでも、私に「どう思う?」と意見を求め、結局うやむやになってしまう、というようなことがよくあります。

喧嘩したときも、喉元過ぎれば熱さをすぐ忘れてしまう私に対して、彼はそのあと1週間も引きずり、余計なことに悩み、落ち込んでしまうようなタイプです。

そういった彼の性格を知っているので、ふだんのLINEのやりとりでも、彼が傷つかないように絵文字を多めに使ったり、そっけなく見えるような字面にならないようにしたりなど、今までのパートナーよりも細心の注意を払っています。

本当にガラスのような彼のメンタルをいかに綺麗で美しく傷ひとつつけないように保つか。いつしか私はそんなことに一生懸命になり、ときに言いたいことも言えずに、洗濯や掃除をこなし料理を作り彼の帰りを待つ、そんな1日を繰り返す生活が続きました。

そして、あるとき、それまでの些細な我慢が積み重なって大きくなり、私の中で爆発しました。その日は日曜で、彼と一緒におでかけをする予定でした。家を出て車に乗り、彼が運転する車の助手席で、理由のないイライラが私の胸の中に渦を巻いていくのがわかりました。話しかけられても「うん」くらいしか返答できず、空気がどんどん悪くなっていくのがわかるのに、どうも彼にはそっけない対応しかできない状況に陥ってしまいました。

いま振り返っても、なんであのときそういうムードになってしまったのかわかりません。自分が別人になってしまっていたようにも思えます。

在宅勤務をしている私は、会社勤めの彼よりも1日のスケジュールに余裕があり、仕事をしながら合間に家事もできるし、料理を作ったりもできます。はじめのうちは、そういう環境の違いから、家事の負担を私のほうが多く引き受けることを納得していたし、大丈夫だと思っていました。

でもそれがいつしか、「やらなきゃ」という義務感に変わり、毎日こなさなきゃいけないプレッシャーになっていきました。

「こっちだって仕事が立て込んで忙しいときだってあるのに、どうして自分だけ疲れたような顔して家でだらけてばっかりいるの」

家なんだから、だらけたっていいのに、彼に対してそういう感情を抱くようになっていきました。

今まで恋愛してきた中で、自分のパートナーに対して家のことで不満が募るということを経験してきたことがなかった私は、この状況に少し焦りを覚えています。これまでの人はダメンズ寄りの人が多かったので、私が自ら「やってあげなきゃ」と率先してやってあげていたし、その上、精神的にも苦痛ではありませんでした。むしろ、やってあげたことで充足感を得て、相手にイライラするようなことはありませんでした。

でも、いまの彼にはそういう「やってあげたい」感情が初めの頃から湧いたことがありません。そのことに対して、本当に彼のことが好きなんだろうかと自分を疑う気持ちもあります。それを友人に相談すると、今までの恋愛が普通じゃなかっただけで、いまの人が一番いいよというようなことを返されて終わるだけでした。

正直、いまでも彼とのこの恋愛が正しいとか、このまま結婚してもなにも後悔が残らないとか、そういう確信はまったくありません。

本当に愛した別の人のことはまだ脳内の別の部分で引きずっているような感覚があるし、このnoteをはじめるきっかけになった元彼のことも、完全に吹っ切れたかと言われたら、自信を持って「はい」と言えないし。

もしかしたら時間が解決してくれる問題なのかもしれません。いまの私にはただただ彼との生活を続ける選択肢しかなく、昔の人への愛と彼への愛の形が違う、ただそれだけのことかもしれません。

何の解決策もないけれど、何か気持ちのはけ口が欲しくて、投稿しました。

読んでいただいてありがとうございます。いつもコメント見させていただいています。



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