”エンタメ整体師＝地下アイドル”という仮説を立ててみる
最近、話題になった理学療法士が発信する”ツボ押しで視力回復”
その動画（You Tube）のコメント欄をみると地獄絵図ですが、なぜこのような状態になってしまうのか？
考察してみます。
You TubeやInstagramで見かける整体師＝地下アイドル
ジャニーズやAKBのような有名人に、一般人が接点を持つのは難しいですよね。
しかし、You TubeやInstagramでみかけるエンタメ整体師なら、すぐに会いに行けます。
なんなら、会いに行ったら喜ばれます。
この関係性は、お手頃な金額ですぐに会いに行ける”地下アイドル”と似ていませんかね？
ちなみに、地下アイドルのライブチケットの料金は1,000円～5,000円が相場のようです。
参考：地下アイドルのライブ情報
施術料金と考えると、現実的な価格帯ですよね。
発信につられる人の視点はエンタメ＞＞＞治療
エンタメ整体師の発信につられてしまう人は、以下のような特徴があると考えています。
治療院に行くほどこまっていない
正しい情報を自分で調べる気がない（ or 調べたつもり）
治療目的ではなく有名人と接点を持ちたい
そのため、You Tubeでも肯定的なコメントが多くみられるのかと。
「治る or 治らない」といった現実よりも、エンタメに参加しているのを楽しんでいると思えば、コメント欄の地獄絵図も理解できます。
エンタメ医療を求める人に正論は通じない
残念ですが、エンタメ医療を求める人に正論は通じません。
「体をボキボキ鳴らしてほしい」と思っている人に、まじめに既往歴から確認したところで、会話が成立するかどうかもあやしいはず 笑
このような人は「体をボキボキ鳴らす」という「エンタメを体験」したいだけで、治る or 治らないは深く考えていません。
残酷な表現ですが「施術に対するリスクなども確認しないリテラシーの低い人」ともいえます。
迷惑極まりないけど視点を変えると意外な一面が？
エンタメ整体師の発信を妄信している人は、治療ではなくエンタメを楽しむのが目的のため、治療メインで臨床に立っている先生とは相性が最悪の可能性もあります。
そのため、エンタメ整体師の発信は迷惑極まりないものの「エンタメ整体師がリテラシーの低い人の受け皿になっている」ともいえそうです。
もうすこし具体的に伝えるなら、エンタメ整体師の発信を妄信してしまうリテラシーの低い人が、真面目な先生の院に来ないようにしてもらっているともいえますよね。
このような思考であれば、エンタメ整体師の発信はすべてがマイナスともいえないかもしれません。
リテラシーの低い人を集めた方がお金は稼げます（短期的な話ですが）
どの業界でも、
誰でも！
スグに！
カンタン！
といった情報を発信すれば、リテラシーの低い人を集めやすいのが現実です。人を集められるので、お金を稼ぐチャンスも増えるでしょう。
治療院に例えるなら、以下のようなものがあげられますね。
改善率○○％！
地域NO.1！
医師の推薦多数！
施術者向けの集客セミナー or 教材なら、以下のものがあげられます。
問診トーク〇選
回数券の成約率を上げるクロージング手法
リピート率爆上げトークスクリプト
治療院とはいえビジネスなので、お金を稼ぐこと自体は否定しません。ただ、自分でやってみて違和感があるなら、長続きはしないでしょう。
「景品表示法など気にせず集客できればなんでもOK」なコンサルにそそのかされる前に、自分の心にしっかりといかけてみてはいかがでしょうか？
現代は”1億総反応時代”
TwitterやYou TubeをはじめとするSNSが発展した現代では、誰もが”発信者”になれるいっぽう、実際には他人の意見（コンテンツ）に反応するだけの人が圧倒的に多いのがが現実です。
エンタメ整体師の発信に対して
「参考になります！」
「ありがとうございます！」
「今度やってみます！」
がまさに反応ですね。
すくなくともSNSの発展で”1億総発信時代”ではなく”1億総反応時代”が加速しているのは間違いありません。
思考が必要な自分の意見を出せる発信者になとうとする人は少ないので、エンタメ整体師の存在が喜ばれるのも、当然の結果といえるでしょう。
このあたりは、ちきりんさんの書籍でもある”自分の意見で生きていこう”（PR）を読むとより理解度が深まると思います。
見出しの”1億総反応時代”というフレーズも、書籍より引用したものです。
書評については、以下のページでまとめています（2022年7月に公開）
まとめ
”エンタメ整体師＝地下アイドル”
エンタメ整体師の発信を追いかけている人は「治る or 治らないといった現実よりもエンタメに参加して楽しんでいるだけ」と思えば、You Tubeのコメント欄の地獄絵図も納得できるはず。
エンタメ整体師の発信は迷惑極まりないのも事実です。いっぽうで、リテラシーの低い人が、真面目な先生の院に来ないようにしてくれているともいえます。
お金を稼ぐだけならリテラシーの低い人を集めた方がカンタンですが、違和感を覚えるのであればオススメはしません。
真面目な先生の思考に共感したうえで、足を運んでいただいたいているリテラシーの高い患者さんを大事にしてください。
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