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いまの作業が何とつながっているのか

たいていの仕事というのは、上流から下流へ流れていきます。どこから来て、どこへ行くのかということが、とても良く分かりやすいです。

工場などのベルトコンベアーなどをイメージすると良いかもしれません。

ベルトコンベアーは、上流に原料があって、中流で加工して、下流で商品になります。少し意訳しすぎかもしれませんが、ざっくりとはこのような流れでできているはずです。

もちろん、この上流から下流への流れは、さらに別の上流から下流への流れに合流します。例えば、ベルトコンベアーで完成した商品は、トラックなどで小売店などに運ばれます。その小売店で人が商品棚に陳列して、多くの人が手に取ることができるようになります。

このときには、ベルトコンベアーのある工場が上流になって、商品を運搬することは中流になります。そして、小売店は下流になります。

ここまでは、仕事というのは、別の場所から流れてきて、別の場所に流れていくということの例示です。1つの例に過ぎませんが、ほとんどだというのは、つながっているということを意識しておいた方が良いと感じます。

いまの作業が何とつながっているのかということを考えながら仕事をした方が良いということです。

理由は効率的だからです。

いまの作業が何とつながっているのかを把握しておくというのは、仕事の前提条件を把握しておくことと同じです。

要するに、大きな目標や目的のために、いま何をしているのかということを把握しておくということです。そして、その大きな目標や目的を達成するために、どれだけの人が関わっているのかを知っておくことも大切かもしれません。

大きな目標や目的というのは、意外と共有されていないか、共有されていても、日常的に意識することはあまりないかもしれません。

実際に、小売店で勤務している人は、工場でどのように商品が生産されているかを知らないことが多いはずです。

もちろん、知らなくても十分に仕事は回ります。これはお互いの信頼関係に基づいているからです。信頼関係というよりは規模が大きくなってくると、人が仕組みを回すというよりも、仕組みが人を回すようになります。

仕事の上流とか下流とか、作業のつながりなどを考えなくても、仕事というのは結果が出てしまうか、結果が出ていなくてもやった気になってしまうということです。

あくまで、知っておくことで、知らない人よりも有利になることがある程度のものです。

有利になるというのは、具体的には判断に困ったときの判断材料になる場合があります。あくまで一例ですが、いま手元の作業でAという選択か、Bという選択かで悩んだとき、どちらを選んでも、あまり結果が変わらない場合があります。

どちらを選んでも同じという状況です。

ただ、そのようなときは自分の作業を俯瞰してみて、自分の作業の前後でどのようなことが起こっているのかということを把握するだけで、どちらが正解か分かることがあります。

だからこそ、自分の作業の前後は把握しておいた方が良いのです。そして、そのためには作業の目的と理由が説明できなければいけません。

作業の目的と理由を具体的に説明できるというのは、1つの能力です。何となく仕事をしている人と、仕事を理解した上で仕事をしている人は、違うということです。

仕事の目的と理由が説明できるというのは、具体的に説明できることが前提です。抽象的ではあまり意味がありません。

また、分かりやすい方が良いです。あいまいでは説明したことになりません。

説明が苦手な人は、話が抽象的であいまいという特徴があります。説明をするのであれば、具体的に分かりやすく説明しなければいけません。

また、仕事がどこから来てどこへ行くのかということも説明できた方が良いです。

これは、訓練することでほとんどの人が身に着けることのできる能力です。この能力を身に着けておくことができれば、様々な場面で応用ができるので便利です。

仕事の上流と下流を意識しておくことは大切なのですが、そこで気を付けておきたいことは、目の前のことに集中するということです。

仕事の上流と下流を意識することと、目の前の仕事に集中するということは、反対のことを指しているようにも感じるかもしれません。実際にそうだと思います。

ただ、上流と下流を意識しておけば、いま配慮する必要があるのか、後で配慮すれば良いのかという、優先順位をつけることができます。

そのため、目の前の仕事の優先順位を上げるために、上流と下流の仕事を知っておくことで、割り込みの仕事をできる限り排除するということです。

そもそも、目の前の仕事に集中するというのは、どういうことなのかを突き詰めてみると、全力を出すことにつながるのかなと思います。

全力というのはすごく抽象的なのですが、手を動かすだけでもなく、頭を動かすだけでもありません。どちらも目の前の仕事のために使うということです。

手だけとか頭だけということではありません。おそらく、手を動かすことと、頭を動かすことというのを切り分けるという考え方もあるように感じるのですが、どちらも同時に動かした方が効率的であるとも感じます。

このように目の前のことに集中した方が良いというのは、言われなくても分かっていることです。おそらく誰もが一度は小さい頃に言われているはずです。

「目の前のことに集中しなさい」と言われているにもかかわらず、なぜ目の前のことに集中するのが難しいのかということを考えると、理由は単純で、余計なことを考えるからです。

余計なことを考えるから、目の前のことに集中できなくなってしまいます。目の前のことに集中する方法は簡単で、割り込みをできる限り排除することと、余計なことはすべて書き出して一度は忘れるようにすることです。

そうすることで、自然と目の前のことに集中できるようになります。

仕事の性質によって、必要な集中力の量は変わってくるはずです。極端な例ですが、新しいアイデアを生み出すことは、0から1にすることです。ここには大きな集中力が必要だと感じます。

ただし、1から100にすることに、新しいアイデアは必要ありません。

既存のアイデアを並び替えたり組み合わせたりすることによって、1から100にすることはできるからです。

ただし、100にするためには、たくさんの物事を知っていなければいけません、浅くても良いのでとにかく広く知っていることが大切です。

1つのすばらしいアイデアよりも、すばらしくはなくても100のアイデアを知っておく方が大切だということです。

アイデア自体に価値を生み出すことができるかどうかは、使う人によります。アイデアというのはただの考えでしかありません。そこに実態が伴わなければ、机上の空論とも言えるはずです。

そのため、どれだけすばらしいアイデアであったとしても、それだけで何かが変わるということはほとんどありません。

すばらしいアイデアはたくさんの行動によって実態を伴うからこそ、世の中が変わるのです。

たいていはそんなにすばらしいアイデアはなくても、いくつかのアイデアを並び替えることや組み合わせることで、目の前の問題の解決策を導き出すのです。

これは普通の人ができる戦い方とも言えます。特別な人でもできる戦い方だからこそ、きちんと自分の仕事が説明できることと、仕事のつながりを説明できるということだけで、十分な武器になるのです。

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