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コロナ禍の最中、ママ捨て山にこもる

休校に登園自粛。子ども二人と家の中で頑張ってきたけど
世はコロナ禍の真っただ中にある。三日ほど前から喉の調子が悪い。ごくたまに違和感があり、ごくごくたまに咳が出る。その程度。しかも、カゼの症状なのかアレルギー症状なのか判然としない。しかし、昨夜は熱っぽかった。体温計で測ったところ、微熱と呼んでいい程度の熱があった。

大事をとって、家族と生活を分けることにした。夕食までは子どもたちと共にしたものの、就寝は別室。彼らの主だった生活スペースである1階でなく2階に布団を運び、一人で寝た。今日から五連休に入る夫に子どもたちを任せ、朝起きるときも一人。朝食も一人。昼食も一人。で、今は昼過ぎ。

宿題と体を動かす遊びの両立に明け暮れていた日々
昨日まで、小学校が提供するカリキュラム(時間割というほどではないが、ご丁寧に午前・午後でそれぞれ三科目のスケジュールを組んであり、今日は国語プリント何番をする、との指示がある)に沿って宿題するよう息子に口うるさく言っていた。

学校では優等生であるかのように自称する彼には宿題をさぼるだけの度胸がない。この休校期間中で算数、特に文章題が苦手ということがいよいよもって明らかになってきたこともあって、私は息子にカリキュラムをこなさせることから毎朝をスタートさせていた。


それが今日の息子は朝から妹と共にテレビ三昧だ。8時過ぎにようやく部屋から出てきた私に、夫は息子と娘を連れてパン屋に朝食を調達しに行くと言ってくれた。買い物は一人で、がコロナ禍の日本でのニュールールのはずだが、しかたない。というか正直ありがたい。やがて帰宅した夫が私の部屋に運んでくれたのはドーナツと牛乳だった。栄養補給のため青汁を入れて飲む。

子どもたちはふだん食事をとる部屋とは別の、テレビの前で悠々と朝ごはん。ドーナツのかすを畳にこぼすことが心配なので「あとでコロコロしなさいよ」と1メートルの距離をおいてマスク越しに命じたものの、絶対やっていない。とにかく朝からテレビ三昧。テレビさえあれば最近彼らが楽しみにしていた自転車の練習も人の少ない児童遊園に行くのもどうでもいいみたい。むろん、昨日やり残した宿題をやろうなんて発想は息子にはない。

妻が求められる役割を夫が果たすとしたら、妻の半分でいい
昼はインスタントラーメン。夫が部屋まで運んでくれる。温められた冷凍枝豆が添えられているのはありがたい。ラーメンに海苔が載っているのも。こう記すと、夫が基本的に料理できない人間のように思われるだろうが、料理はできるのだ。だから本当は、今日も料理してくれることを期待していた。でも昼食に関しては早い段階でインスタントラーメン宣言されてしまったし、がっかりしていた時点で枝豆と海苔の追加だから、それだけでもやっぱり少しは嬉しい。

私の現状。たいした体調不良でもないくせに嫁が一日家事も育児も放棄して上げ膳据え膳してもらいながら、なに言ってんだ?!と男性なら言いたくなるだろう。でも、逆の立場なら?夫が体調不良のときは?妻は栄養のあるものを用意する、という家庭が多いだろう。夫に同じことを求める妻はなぜ非難され、またそれを求める本人妻もなぜ心苦しさを感じなければならないのだろう。

母不在でも子どもは平気。むしろ平和。
1階のトイレに行くとき、食べ終わったお盆を戻しに台所に行くとき、顔を確認すると息子も娘も私がいなくて寂しそうな様子はまるでない。そうか、昨日までお母さん大荒れだったもんね。

宿題をしろと息子に圧をかけ、息子の宿題を邪魔する娘を息子から引き離した上に一緒に遊ぶでもなく放置し(わずかながら仕事があるため)、スキャナが機能しないとか子どもと関係ないことにキレて、食事中にこぼしたらにらみつけて、児童遊園に着いたときには精神的にほぼ終わっていて子どもが転んで痛いと泣いても無反応。

こんなお母さんはいない方がいいか。一所懸命やってたんだけどな。この五月の好天も関わりがないように、家でテレビを好きなだけ見て、休校と登園自粛が始まって以来初めてのような平和で穏やかな時間を過ごす子どもたち。2階のこの部屋はさながらママ捨て山だ。

ママ、お母さん、おふくろ、あるいは友人のように名前で呼んでもらっている人たちも。呼び方はどうでもいい。コロナ禍で閉じ込められた家庭という密室で頑張っている皆さん、どうかあと少し忍耐が続きますように。

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