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【STP分析・マーケティング4P】マーケッターの卵がまず読むnote

マーケティングを勉強する中で日々感じることがあります。

それはズバリ!!

「マーケティングって難しいネ」


という事です。

いやぁ、本当にむずかしい。

そこでタイトルから見て取れるように、このnoteでは同じような悩みを持った、

「マーケティング学び始めたけど、何がなんだかさっぱり、、」
「とりあえず全体的な構図だけでも理解したいな、、、」

という方に向けて基本概念である「STP分析」、「マーケティングミックス(4P)」について説明していこうと思います。

またこのnoteは
『マーケティング戦略第5版』(有斐閣アルマ 出版 、和田充夫、恩藏直人 、三浦俊彦 著)
に基づいて執筆しています。


・・・

マーケティングとは「○○」である


まず質問です。

「マーケティング」という言葉の意味をどう捉えていますか?

「えっと....なんか企業が....製品を売るために...◎$♪×△¥●&?#$!」

「なんか広告とかバーンってだして、ドーーンって売るみたいな??」


読者の方にもこういう方、実は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

(自分は少し前までもっとひどい認識をしてました)

そこで!!

まずは、この問いを考えるために「なぜマーケティングが生まれたのか」という歴史をザーーーっと振り返ります。

マーケティングの起源はアメリカにあると考えられています。

アメリカにおいて、

1902年には、マーケティングという言葉
1905年には、マーケティングの講座
1910年には、マーケティングの方法論の講座
が誕生しました。

(実はマーケティングって20世紀に入ってから盛り上がった学問なんですね)

ではなぜ、20世紀においてマーケティングの学問化、さらにマーケティングの方法論の学問化が進んだのでしょうか。

それには下の2つの理由が関わってきます。

理由①
ゴールド・ラッシュ、西部開拓、全北米大陸的な市場の誕生
理由②
その後の供給過剰市場における販売の必要性

       
これらの理由から、20世紀初頭のアメリカでは、ただ商品を作るだけでは売れなくなりました。

そこで「モノが売れる仕組みを作ること」が必要になったのです。

そして、この「モノが売れる仕組みをつくること」を「マーケティング」と呼びます。


マーケティングは企業のどこに位置しているか?

マーケティングの定義や歴史はわかりましたが、実際にマーケティングは企業の中でどのような立ち位置にあるのでしょうか。

マーケティングの立ち位置を考える上で、「企業理念」「企業目標」「企業戦略」「事業戦略」を意識する事が大切です。

企業の構図

( 『マーケティング戦略第5版』
P55図2-3 を参考に作成 )

上の図のように、

マーケティング
→企業全体を「モノが売れるように」方向づけるための概念
マーケティング戦略
→企業戦略、事業戦略といった上位の概念と結びついた「マーケティングの方法論」

と考えられます。

すなわち「マーケティング」や「マーケティング戦略」を考える上で企業理念、企業目標といった上位の概念が源泉にあることを忘れてはいけないのです。

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングでSTP分析

ここからは、実際にマーケティングをする上で用いるフレームワークである、「STP分析」について説明します。

STP分析とは「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング」「ポジショニング」のことで、それぞれ以下のような意味を持ちます。

「セグメンテーション」
市場を特定の性質を軸として細かく分けること
「セグメント」
セグメンテーションによって細かく分けられた市場の一部分のこと
「ターゲティング」
セグメントの中から自分たちの狙う市場を選択すること
「ポジショニング」
ターゲットの頭の中に相対的にユニークかつ優位な製品イメージを作り出していく活動のこと

これらのSTP分析が必要な理由には、「市場が異質な需要の集合体である」という背景があります。

たとえば車を買いたい(=需要のある)顧客 が何人か市場に存在しているとします。

想定できる顧客をイメージするとこんな感じでしょうか。

・低価格帯のファミリーカーが欲しいヤスイ君
・高価格帯のファミリーカーが欲しいタカイ君
・軽トラが欲しいトラオ君

このように考えてみると、「車が欲しい」と一口にいっても細かいニーズは異なることが分かります。

そしてヤスイ君とタカイ君にまで必死に軽トラを売ろうとしても、あまり得策ではないことは想像できるかと思います。

このように顧客の需要は異質のものであり、市場は異質な需要の集合体なのです。

そして経営資源が有限であり、効率よく活用することを踏まえると、市場全体の中でも特定の市場を狙う必要があるのです。

これがSTP分析が行われる理由です。

ここからはSTP分析をそれぞれ分けて説明していきます。

セグメンテーションにはいくつかの変数が存在する

まずはSTPの「S」、セグメンテーションについて説明します。

セグメンテーションによって市場を分ける際に使われる変数には、大きく分けて4種類あります。

それが以下の「人口動態変数」「地理的変数」「社会心理的変数」「行動変数」の4つです。

定量

定性

このような変数によって、異なる切り口から市場をセグメンテーションすることが出来ます。

またBtoB(企業間の取引)のマーケティングにおいては、以下の要素でセグメンテーションを行うことが多いです。

・企業規模
・過去の取引実績
・形態(官公庁or日系or外資系)
・予算規模等

製品をどのような顧客に売っていきたいかを考え、使用する変数を決定することでセグメンテーションを行います。

コアターゲットと戦略ターゲットを意識する

次にSTPの「T」、ターゲティングについて説明します。

ここではターゲティングの対象である「ターゲットの種類」と、ターゲティングを考える上で重要な指標である「6R」について説明します。

まずターゲットは下の図のように「戦略ターゲット」「コアターゲット」の2つに分けられます。

戦略ターゲットとコアターゲットの関係性

戦略ターゲット
・予算を必ず投下する最も大きな括り
・マスプロモーションを仕掛ける対象となることが多い
・範囲を絞りすぎないことが大切
・中長期的な視点で見定める事が大切
コアターゲット
・特にマーケティング予算を集中投下するターゲット
・複数選択することもある
・サンプリング、DM、特典プロモーションなどの対象となる


ターゲティングを考える際は、コアターゲットと戦略ターゲットを明確に分けて設定するようにしましょう。

そしてターゲティングが妥当かどうかを調べる際は、「6R」という指標を参考にします。

【6R】
Realistic scale:有効な規模はあるか
Rank:優先順位はどうか
Rate of growth:市場の成長率はどうか
Rival:競争の激しさ、競合の強さはどうか
Reach:その市場に到達可能か
Response:効果測定は可能か

6Rの各要素のバランスを検討したうえで、製品のターゲティングを行うことが重要です。

ポジショニングは「想起集合」を重視

次にSTPの「P」、ポジショニングについて説明します。

これでSTP分析は最後です。

ポジショニングの目的は、「選択したターゲットの頭の中に自社製品の優位なイメージを作り出すこと」です。

ポジショニングが必要な理由には、人の記憶の性質が関係してきます。

「消費者情報処理研究」によると、人は五感を通じて外部からの情報を得た際に、外部情報と長期記憶内に蓄えていた内部情報を、短期記憶内にて統合して購買行動などの行動を引き起こすとされています。

長期記憶のなかでブランドや製品の情報は、「知名集合」(知っているブランド・製品)に入れられます。

さらに「知名集合」の中でも「拒否集合」(買いたくないブランド・製品)「想起集合」(買ってもいいブランド・製品)に分けられます。

ここで重要なのが、外部情報を得た際に呼び起こされるのは「想起集合」だけ、ということです。

したがって製品の購買を促進するためには、ターゲットの「想起集合」にいかにイメージを構築できるか(=ポジショニング)、という点が重要なのです。

設定したポジショニングを成功させるうえで重要な要素には以下の4つが挙げられます。

【ポジショニングで重要な要素】
①相手にする顧客像が明確であること
②顧客にとって重要な提供価値があること
③既存のブランド価値と整合的であること
明快なコミュニケーションメッセージがあること

これらのポイントを踏まえ、想起集合に入り込むような製品のポジショニングを行いましょう。

「具体的な仕掛け・戦術」としてのマーケティングミックス

ここまではマーケティングの概念や、どのようにターゲットとする顧客を設定していくか、という事を説明してきました。

ここからは「マーケティングミックス」と呼ばれる「STP分析で設定したターゲットに製品・ブランドをどのように届けるかという具体的な仕掛け・戦術」について説明していきます。

マーケティングミックス
・「ターゲットに製品・ブランドをどのように届けるか、という具体的な仕掛け・戦術」

「製品政策(Product)」、「価格政策(Price)」、「流通政策(Place)」、「広告・販促政策  (Promotion)」の総称

・各要素の頭文字から「4P 」と呼ばれることも多い

そしてここからはマーケティングミックスを構成する「製品政策(Product)」、「価格政策(Price)」、「流通政策(Place)」、「広告・販促政策  (Promotion)」について順に説明していきます。

製品政策は「製品でニーズを満たすための仕掛け」

まずは一つ目のP、「製品政策(Product)」についてです。

製品政策を端的に言うと「どんな製品によって顧客のどんなニーズを満たすのか」という事です。

製品政策を考えるためには「製品単体としての価値」「製品の集合体(品揃え)としての価値」の二点について考える必要があります。

ここでは製品政策を「製品単体としての価値」を理解する上で重要な「製品の価値構造」と、「製品の集合体(品揃え)としての価値」である「製品ミックス」に分けて説明してきます。

製品そのものの価値は3つの要素で成り立っている

まずマーケティングにおいて製品とは、消費者の課題を解決する価値の集合体である「便益の束」として捉えられます。

たとえば口紅を購入する顧客は、単に口紅が欲しいわけではなく「きれいになりたい」という課題を解決したいと考え、ドリルを求める人はドリルそのものではなく「穴をあけたい」という課題を解決したいと考えているのです。

このような「便益の束」という考え方をもとに製品は、「中核部分」、「実態部分」、「付随部分」の3つの部分に分類することができます。

製品要素の階層構造

「中核部分」
消費者の課題を解決する便益の束としての機能
「実態部分」
品質や、ブランドなどの実体的な価値
「付随部分」
保障、配達、信用貸与などの付随的な機能

ここで重要なことは保証・配達といった、「一見製品とは思えないもの」も「付随部分」としてサービスに含まれる、という事です。

例えば、持ち帰ることが大変な大きな家具を売る際は、配達サービスなどの「付随部分」を高める事が競争力に繋がるかもしれません。

一方、ブランドが重視されるような腕時計や高級車などの高級品は、高級感などの「実態部分」を高めることが競争力に繋がるかもしれません。

このように、製品の特性に応じて高めるべき価値を検討することが必要です。

製品の集合としての製品ミックス

マーケティングでは「製品の集合体(品揃え)としての価値」を製品ミックスと呼びます。

堅い言葉で定義するのであれば「企業全体が提供する製品全体としての集合」となります。

まずは製品ミックスを考える上で重要な「製品アイテムの深さ」「製品ラインの幅」という考え方について説明します。

「製品アイテムの深さ」
同一カテゴリ内で売っている商品の種類数
「製品ラインの幅」
売っているカテゴリの数


「製品アイテムの深さ」と「製品ラインの幅」について、コンビニと八百屋さんを例に考えてみましょう。

コンビニはさまざまな種類の製品ラインを用意している一方、それぞれの製品ラインにおいては基本的な製品しか置いていないですよね。

生活雑貨も雑誌も野菜も売ってるけど、野菜に関しては基本的なものしかないはずです。

すなわちコンビ二の「製品ラインの幅は狭く、製品アイテムは浅い」となります。

一方八百屋さんには、主に野菜という製品ラインのみを用意していますが、野菜においては何でも売っています。

生活雑貨も雑誌もないけれど、野菜に関しては完璧です。

陸の海藻と呼ばれる「オカヒジキ」も、美容効果で有名な「キクイモ」も、巨大カボチャとして有名な「アトランティックジャイアント」もあるはずです。(地域差はある、とだけ明記しておきます)

すなわち「製品ラインの幅は狭く、製品アイテムは深い」となります。

「深さ」や「幅」の他にも、各商品アイテムと各商品ラインの「整合性」や、製品ミックス全体の商品数を示す「長さ」という指標も存在します。

「深さ」「幅」「長さ」「整合性」の4つの指標を考慮しつつ、製品ミックスを組み立てることが必要です。

製品政策全体を考えるためには「製品単体としての価値」「製品の集合体(品揃え)としての価値」である「製品ミックス」の二点を検討することが重要です。

価格政策は「買ってもらえる価格設定の仕組み」

次に二つ目のP、「価格政策(Price)」についてです。

価格政策を端的に言うと「どのような価格で製品を市場に流すのか」という事です。

ここでは「価格の決め方」「新製品特有の価格の決め方」に分けて説明していきます。

価格は「コスト」×「需要」×「競争」で決める

まずは「価格の決め方」について説明します。

価格の決め方には大きく分けて「コストに基づいた価格決定」「需要に基づいた価格決定」「競争に基づいた価格決定」の3種類に分けることが出来ます。

「コストに基づいた価格決定」
ある一定の利益率をコストに加えて価格を設定する方法(コスト・プラス法)

「需要に基づいた価格決定」
価格に対する買い手側の知覚に基づいて価格を設定する方法

「競争に基づいた価格決定」
競合の製品の価格(実勢価格)に、市場での力関係やブランド・イメージなどを加味し、価格を設定する方法

少しわかりづらいので、車の価格設定を例に挙げます。

「コストに基づいた価格決定」
車の材料費、工場の維持費等コストを先に計算し、そこに求める利益を加算し価格を決める。

「需要に基づいた価格決定」
発売予定の車の製品コンセプトを顧客に提示し、顧客が感じる価値を調査によって把握することで価格を決める。

「競争に基づいた価格決定」
他社が販売している車の価格を調査し、自社の市場における立ち位置を踏まえたうえで価格を決める。

このように価格の決定方法は、視点によって大幅に変わります。

3つの視点を上手く組み合わせて価格を決めることが重要です。

新製品で短期利益を狙うか、長期利益を狙うか

次に「新製品特有の価格の決め方」について説明します。

新製品の価格の決め方には「上澄み吸収価格戦略」「市場浸透価格戦略」の2つのものがあります。

「上澄み吸収価格戦略」
・新製品に高価格を設定する戦略
短期間に利益を上げ、新製品開発に要した費用を迅速に賄う
競合が低価格戦略で参入するのが難しいことが前提
独自性が高く、競合による模倣が困難な事業において行われる

「市場浸透価格戦略」
・新商品に低価格を設定する戦略
長期的利益を見据えた、市場シェア獲得が目的
競合の模倣・参入が容易である事業において行われる


自社の新製品の特徴・性質に応じて、2種類の価格戦略を使い分けることが必要です。

価格政策を検討する際には、「コスト」、「需要」、「競争」といった要素を踏まえて検討することが重要です

流通政策は「製品を消費者に届ける仕組み」

次に三つ目のP、「流通政策(Place)」について説明します。

流通政策を端的に言うと「どのような方法で製品を消費者のもとに届けるか」、となります。

ここでは流通政策について、「チャネルについて」「チャネルの選択について」「チャネルの段階について」「チャネルコンフリクトとカバレッジ」に分けて説明していきます。

チャネルはギャップを埋めるもの

まずは「チャネルについて」説明します。

チャネルとは「商流」「物流」「情報流」から成り立ち、「製品が消費者の元まで届く経路のこと」を指します。

最も大きな役割は生産者と消費者の間に存在する「所有」「情報」「空間」「時間」のギャップを埋めることです。

またマーケティングミックスの中でも、「ヒト・卸・小売り」といった外部環境の影響を大きく受けやすいです。

したがって模倣されにくい一方、自分の力で変更するのも難しいとされています。

チャネルには3つの選択方法がある

次に「チャネルの選択について」説明します。

「 自社製品をどのようなチャネルに流すのか」、というチャネル選択には大きく分けて3つの種類の方向性があります。

①開放的チャネル政策
できるだけ多くの小売店・卸業者に活用し広範囲に流通する方法。置けば置くほど売れる商品に用いる。
例)食品、日用品などの最寄り品

②排他的チャネル政策
小売店を限定し、管理する方法。コントロールが最も効きやすい。
例)高級ブランド品、車

③選択的チャネル政策
開放的チャネル政策と排他的チャネル政策の中間
例)化粧品、家電製品

製品の特性、どのように顧客に届けたいか、という事を踏まえてチャネルを選択することが重要です。

チャネルは「段階」で数える

次に「チャネルの段階について」説明します。

「生産者から消費者までの流通経路内に業者が何個介在しているか」、ということを「チャネルの段階」と呼び、チャネルが何段階で構成されているかという構造を「チャネル構造」と呼びます。

たとえばメーカーと消費者の間に小売店のみ介在している場合には、「1段階チャネル」となり、メーカーが消費者に直説販買している場合には「ゼロ段階チャネル」と呼ばれます。

チャネル構造

一般的にチャネル構造の段階数が多いほど市場のカバー率は高くなる一方、段階数が少ないほどチャネルコントロールがしやすいと考えられています。

1つの商品でもターゲットによって複数のチャネルを使い分けることで、費用帯効果を最大化することが必要です。

「ただチャネルを拡大すればいい、、」とは限らない

最後に、「チャネルコンフリクトとカバレッジ」について説明します。

チャネル選択をする上で重要な要素に「チャネルコンフリクト」「チャネルカバレッジ」が挙げられます。

「チャネルコンフリクト」
目標の不一致・利益配分の不満等によって発生する、同一チャネル内に存在する業者同士の対立。

「チャネルカバレッジ」
流通経路ごとの市場配荷率
(※市場配荷率:「どれだけ多くの店頭で扱われているか」を示す割合)

カバレッジとコンフリクト

すなわちチャネルコンフリクトが発生することを考えると、「ただチャネルを拡大すればいい」とは限らないのです。

「チャネルコンフリクト」と「チャネルカバレッジ」はそれぞれトレードオフであるため、最適なバランスを見つけ出すことが重要です。

広告・販促政策は「認知してもらうための仕組み」

最後に四つ目のP、「広告・販促政策(Promotion)」について説明します。

広告・販促政策を端的にいうと「製品をいかに顧客に認知、購買してもらうか」となります。

ここでは広告・販促政策について、人のコミュニケーションがどのように発生しているかを表す「コミュニケーションモデル」、情報の受け手の変化の流れを表す「態度変容モデル」、コミュニケーションの組み合わせである「コミュニケーションミックス」について説明していきます。

コミュニケーションは8つの要素で成り立つ

まずはじめに「コミュニケーションモデル」について説明します。

広告・販促政策は「製品をいかに顧客に認知、購買してもらうか」という事であるため、まずは人のコミュニケーションの発生プロセスを考えることが重要です。

コミュニケーションモデルとは、送り手がコミュニケーションを発信し、それを受け手が受け取るまでのプロセスをモデル化したものです。

コミュニケーションモデル

【コミュニケーションモデル】
( 『マーケティング戦略第5版』
P225 図10‐1 を参考に作成 )

「送り手」と「受け手」:コミュニケーションの両極に位置する当事者
「記号化」:送りたいメッセージを記号に置き換えること
「メッセージ」:企業が発信する情報や意味の集合体
「媒体」:メッセージを送り手から受け手に伝えるチャネル
(「メッセージ」と「媒体」がコミュニケーション手段)
「解読」:送られたメッセージに対し、受け手が意味を与えること
「ノイズ」:コミュニケーションのプロセスを妨げるもの
「反応」:メッセージによって引き起こされる受け手の変化
(購買、態度変容など)
「フィードバック」:反応の一部が送り手に到達すること

受け手の反応はいくつかに分類できる

次に、「態度変容モデル」について説明します。

消費者がコミュニケーションを通じ外部情報を得た後の、反応の流れを表すモデルを「態度変容モデル」といいます。

ここでは有名な「AIDA」、「AIDMA」、「AMTUL」、「AISAS」、「AISCEAS」について説明します。
またモデル内の黄色い文字は、そのモデルの特徴となる要素を表しています。

「AIDA」

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「AIDMA」

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「AMTUL」

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「AISAS」

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「AISCEAS」

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このように購買する製品の種類や、購買方法によって人の反応プロセスは異なります。

したがって自社の製品の特性を踏まえて、ターゲットの反応プロセスを予想することが重要です。

コミュニケーションをどう組み合わせるか

ここまでは、コミュニケーションとその反応の流れをザっと説明しました。

ここからは、どのように企業は消費者に対してコミュニケーションを組み合わせるべきか、という「コミュニケーション・ミックス」について説明します。

コミュニケーション・ミックスとは、「各コミュニケーション(広告、セールス・プロモーション、人的販売、パブリシティ)の整合性を意識しながらコミュニケーションを行っていくこと」を指します。

コミュニケーション・ミックスの決定要因には「製品のタイプ」「戦略の選択」があります。

消費財と生産財でコミュニケーションミックスは異なる

まずはコミュニケーションミックスの決定要因である「製品のタイプ」について説明します。

見出しで言っている通り、消費財と生産財の間で各コミュニケーションの重要性は異なります。

したがってそれに応じてコミュニケーションミックスも異なるのです。

【財による各コミュニケーションの重要性】
・消費財
広告>SP>人的販売>パブリシティ
・生産財
人的販売>SP>広告>パブリシティ

このように製品の性質によって、コミュニケーション要素の重要性は変わるので製品の性質を考慮したうえで、コミュニケーション要素の相対的ウェイトを考える必要があります。

プッシュ戦略をとるか、プル戦略をとるか

最後に、コミュニケーションミックスの「戦略の選択」について説明します。

コミュニケーションの戦略の方向性は以下のように「プッシュ戦略(地上戦)」「プル戦略(空中戦)」に分けることができます。

プッシュ戦略
人的販売SPなど
・購入に直接的なプロモーション
・メーカーが自社製品を卸へ、卸が小売へ、小売が消費者へ売り込む
プル戦略
広告パブリシティなど
・購入に間接的なプロモーション
・消費者の需要を発生させ、自社製品への注文を高めさせる

広告・販促政策における目的に合った戦略を取ることで、より効果的にコミュニケーションを行うことができると考えられます。

「製品のタイプ」「戦略の選択」を考慮して、コミュニケーションミックスを組むことが大切です。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

知識も経験もまだまだなマーケターの卵による記事でしたが、この記事を読む前よりも「マーケティング」に関する理解は深まりましたでしょうか。

「モノを売る仕組みを作ること」であるマーケティングと、その仕組みを作るプロセスとしての「STP分析」「マーケティングミックス」というフレームワークについて、少しでもマーケッターの卵の皆様の理解をお助けできていたら何よりです。



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