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【カンヌライオンズ/Cannes Lions】グラスライオンズ歴代グランプリまとめてみた

こんにちは、あおきかい(@onakaitaiyurui)です

この記事ではカンヌライオンズ(正式名称:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)の「グラスライオンズ」のグランプリをすべてまとめています。

※カンヌライオンズについては以下公式サイトをご覧ください

「グラスライオンズ」とは?

グラスライオンズとは2015年に設立された部門であり、男女差別や偏見といった社会課題を乗り越えるコミュニケーション、すなわち「性差別や偏見を打ち破るクリエイティブ」を評価するために設立されました。

昨今、数年前に比べてダイバーシティを尊重することの重要性が叫ばれており、それは企業・ブランドも例外ではありません。

「ダイバーシティ」を尊重したコミュニケションが必要とされている状況下で、優れたアクションを取っている企業を表彰し、潮流を加速させていく、そして各企業に「ダイバーシティ」について考えさせるきっかけを作る、そういった目的で運営されている部門です。

実際にどんなコミュニケションが賞を受賞しているのか、さっそく紹介していきます。

2015年グラスライオンズグランプリ:「TOUCH THE PICKLE」

■Brand
Whisper(P&G)
■Agency
BBDO India

インドの生理用品ブランドWhisperが実施した生理への意識改革を目的に実施されたプロジェクト。

インドでは女性の生理は「呪われたもの」としてネガティブに扱われており、生理中の女性はあらゆることが制限され、制限の一つに生理中の女性がピクルスの入った壷に触れると、ピクルスが腐ってしまうため、ピクルスの壺に触れてはいけない、という慣習がありました。

そこでWhisperは女性にピクルスの入った壷を触ってもらい、「生理=呪われている」というネガティブな慣習を断ち切るムーブメントを引き起こしました。

Whisperを起点に実施されたこのムーブメントはメディアやインフルエンサーも巻き込み、その結果290人もの女性が参加、Whisperへの支持率も21%から91%へと跳ね上がるなど、国家全体を巻き込んだムーブメントになりました

その活動はセレブリティやメディアも巻き込み、インド社会で大きなムーブメントになった。その結果、なんと290万人もの女性が参加し、インドにおけるウィスパーの支持率も21%から91%に上がったと言う。

商品を通じて、大きなムーブメントを巻き起こすことで、社会のネガティブな面に対して大きな変革を起こすことに繋がった事例です。

2016年グラスライオンズグランプリ:「6 Pack Band」

■Brand
Brooke Bond Red Label Tea
■Agency
Mindshare India

インドの紅茶メーカー、Brooke Bond Red Label Teaがトランスジェンダーへの意識改革を目的に実施したプロジェクト

インドにはヒンディー語で"ヒジュラ"と呼ばれている、トランスジェンダー(第3の性を生きている人たち)が多く存在する国であり、セクシュアルマイノリティーとしての差別が大きな問題になっていました。

そこでトランスジェンダーのメンバーで構成されたバンド「6 Pack Band」の結成をサポートし、歌詞の中で彼らの主張を歌に込めて訴えました。

ファレル・ウィリアムズの"Happy"を替え歌した"Hum Hain Happy"はメッセージ性制の強さと、そのクオリティの高さでも大きな話題を呼び、結果的に200万回視聴されました。

インドの伝統文化である歌と踊りを活用し、現代の社会課題を解決した事例です。

2017年グラスライオンズグランプリ:「Fearless Girl Arrives」

■Brand
State Street Corporation
■Agency
McCann Worldgroup

3月8日の国際女性デーを記念して、NYのウォールストリートのシンボルとして有名なCharging Bull(雄牛)の銅像の前に、それに立ち向かうかのような少女の像を一夜のうちに突如出現させたプロモーションです。

ビジネスの中心地であるウォールストリート、そこに設置されているビジネス社会の象徴である雄牛の銅像に立ち向かう少女は職場における男女の立場の違いを表現しました。

少女像は企業の役員会における女性比率の低さや、金融業界における女性の給与の不平等に注目を集めるための仕掛けであり、実際に多くの議論を巻き起こりました。

瞬時的なPR的な話題性とニューヨーク市に観光地として認定されるという永続性の両方を満たしたアイデアであることが大きく評価された要因とされています。

2018年グラスライオンズグランプリ:「Blood Norma」

■Brand
Libresse
■Agency
AMV BBDO

生理用品ブランドのLibresseが実施した生理現象に対する意識改革を目的としたキャンペーン。

今までCMなどの映像で生理の血を描くことはタブー視されており、青の液体で代用する、といったことが業界の暗黙の了解として続けられてきました。

しかし、本来「生理は当たり前のもの」であり、生理現象や血は忌み嫌うものではなく、ノーマルなものであるということを、自社製品のCM内に「赤い血」を描くことで訴えかけ、自社ブランドのスタンスを表明しました。

この赤い血を使用したCMは多くの人からの賞賛や、共感の声に繋がりました。

業界の慣習にあえて切り込むことで、生理へのタブー視に疑問を呈し、「生理は当たり前のもの」という意識改革を行った事例です。

2019年グラスライオンズグランプリ:「The Last Ever Issue」

■Brand
Gazeta.pl / Mastercard / BNP Paribas
■Agency
Y&R Warsaw

ニュースサイトGazeta.pl、クレジットカード大手Mastercard 、金融大手BNPパリバの協同による性教育、ジェンダー、男女平等の呼びかけを目的としたプロジェクト。

ポーランドは各国の男女格差を数値化したジェンダー・ギャップ指数において世界低位であり、男女格差の問題が社会に根強く残っています。

男性の意識改革、特に女性への性的蔑視を改善するため、3社は国内大手のポルノ雑誌「Your Weekend 」の媒体をまるごと買収し、2019年3月8日国際女性デーに内容を編集し発行しました。

3社はポルノ雑誌の「Your Weekend 」を、女性活動家を表紙に、ジェンダーや男女格差について訴える内容に編集し、「The Last Ever Issue」として発行しました。

「The Last Ever Issue」はオンライン・オフラインで販売されると思に、ジャーナリスト、インフルエンサーに配布され、ソーシャルメディア上での議論を巻き起こすことに繋がりました。

まとめ

今回は「グラスライオンズ」歴代グランプリをまとめました。

下記マガジンにて他のカンヌ歴代グランプリをまとめているので、チェックしてみてください!


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