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【カンヌライオンズ/Cannes Lions】ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門歴代グランプリまとめてみた

こんにちは、あおきかい(@onakaitaiyurui)です

この記事ではカンヌライオンズ(正式名称:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)の「ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門」のグランプリをすべてまとめています。

※カンヌライオンズについては以下公式サイトをご覧ください

それでは早速紹介していきましょう!

2012年ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門グランプリ:「BACK TO THE START」

■Brand
CHIPOTLE
■Agency
CREATIVE ARTISTS AGENCY Los Angeles, USA

アメリカのメキシコ料理チェーン「チポートレ」が作成した2分20秒のアニメーション映像。

チポートレは持続可能な農業の実現をミッションに掲げており、効率を重視した生産への問題提起を継続的に行っている企業。

作品では、生産効率を高めるために、工場畜産を取り入れたある農家が、化学薬品の使用等に疑問を抱き、より持続可能な農業のあり方に原点回帰(=Back to the Start)する、というストーリーを描くことで、農業のあり方について問題提起しています。

また映像の中で使用されている楽曲はColdplayの「The Scientist」を、カントリーミュージックの大御所ウィリーネルソンがカバーしたものであり、iTunesでこの曲を購入すると、チポートレと提携している農場の環境整備に寄付が行われるようになっています。

コンテンツを作るだけでなく、ブランドのミッションの実現に繋がるような仕組みをつくったことが評価された事例です。

2013年ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門グランプリ:「The Beauty Inside」

■Brand
Toshiba laptop with Intel inside
(Intel + Toshiba)
■Agency
Pereira O'Dell

IntelとTOSHIBAのがコラボして作成した、全6話からなるWebムービー。

作品の中では毎朝、⽬覚めるたびに顔も体も違う人物になってしまう主人公アレックスと、アンティークショップで働くリアとの不思議な恋の様子が描かれています。

作品の中で主人公アレックスは自身の変わりゆく姿を日々記録するため、TOSHIBAのPCで毎朝自身の姿を動画に納めます。

この日々姿が変わってしまう主人公役の出演者は、Facebookを通じて世界中からオーディションで募集しており、ソーシャルメディアを活用し、ユーザーを巻き込むことで共創していく、といったコンテンツのソーシャル性の高さも評価されました。

2014年ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門グランプリ:該当なし

2015年ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門グランプリ:該当なし

※2016年からブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門は、音楽に焦点をあてたエンターテイメント・ライオンズ・フォー・ミュージック部門を共に、カンヌライオンズと別立てのライオンズエンターテイメントというフェスティバルにて審査されるようになりました。この記事ではライオンズエンターテイメントのエンターテイメント部門を引き続きまとめていきます。

2016年エンターテインメント部門グランプリ:「THE DISPLACED」

■Brand
THE NEW YORK TIMES/NYT VR
■Agency
VRSE.WORKS Los Angeles(USA)

「The Displaced」は同年のモバイル部門グランプリを獲得した、世界中で起きているニュースをVRで体験することができるモバイルアプリ「NYT VR」を使用したコンテンツ。

「NYT VR」を使用することでユーザーは「文字」としてだけでなく、360 °の空間としてニュースを体験することができ、「The Displaced」は、紛争で故郷を追われた難民の子どもたちの生活をVRによって体験できるというもの。

さらにニューヨーク・タイムズ紙は「NYT VR」上にコンテンツを用意すると共に、前年にモバイル部門グランプリを獲得した簡易型VRヘッドセット「Google Card Board」を紙面に添付し、100万個配布することで、「新聞」を"体験可能なメディア"に昇華させた。

2017年エンターテインメント部門グランプリ:「Beyond Money」

■Brand
SANTANDER BANK
■Agency
MRM//McCann

スペインの銀行「SANTANDER BANK」が制作した「お金」をテーマにしたSF調のショートフィルム。

自身の記憶を売り物として売ることができるようになった近未来の世界を舞台に、ある買い物依存症の女性が、自分の記憶を代償に裕福な生活を続ける姿を描いたストーリーです。

裕福な生活を維持するために、大切な思い出を売り続けてしまう彼女の姿を通じて、「お金より大切なものは何か(=Beyond Money)」を問いかける作品です。

コアアイデアの「Beyond Money」について、本来お金を第一義に扱っているはずの銀行がメッセージを発信する、という発想がハイコンテキストだ評価されています。

スペインでは若者の失業が深刻な社会問題であり、若者にリーチするために主人公役に人気女優アドリアーナ・ウガルテを起用、さらにブランドムービーではなく映画館で配給されるなど、全体の設計も巧みだったと評価されています。

その結果、若者や様々なメディアにおいて議論や論争も呼ぶと共に、銀行へのネガティブイメージが24%ダウンするなど、大きな結果も残しています。

2018年エンターテインメント部門グランプリ:「EVERT_45」

■Brand
KPN Mobile
■Agency
N=5

通信会社KPNが戦争の悲惨さを若者にも伝えることを目的に実施したプロジェクト。

戦争体験者が少なくなり、若年層に戦争の悲惨さを実感を持って伝えることが難しくなっているという背景から、13歳の男の子を起用し、1945年当時の実際の暮らしを再現したコンテンツを制作し、YouTubeやSNSで発信するというプロジェクトを実施しました。

コンテンツは、第二次世界大戦中の1945年にEvertというオランダのある少年が遠く離れたところにいる兄弟に会いにいくために行った旅の実話をもとに制作されています。

Instagramにおいては、EvertのInstagramアカウントが作成され、彼の旅の様子を投稿していくことで、若者によりリアルに、身近に戦争の悲惨さを訴求しています。

2019年エンターテインメント部門グランプリ:「」

■Brand
Johnson & johnson

Johnson & johnsonが制作したサンフランシスコ総合病院“5B”のスタッフの姿を収めたドキュメンタリームービー

AIDSは1980年代初頭に爆発的なスピードで広がり、HIV感染患者は当初偏見と恐怖の対象として隔離されており、その偏見や非難に立ち向かい、患者への献身を尽くしたスタッフたちによって作られた世界で初めて設立されたAIDSケア専門病棟が"5B"です。

一方Johnson & johnsonは、ベビーブランドとして様々な製品を生産している一方、 HIV / AIDS の蔓延防止や、感染予防ワクチンの呼びかけを 25 年以上に渡り推進している。

ベビーブランドではなく、世界最大級のヘルスケア・カンパニー としての認知を獲得するためにJohnson & johnsonが制作したドキュメンタリームービー「5B」は、フランス・カンヌ国際映画祭で上映され、カンヌ国際映画祭で上映された初めてのブランド・フィルムとなりました。

その後、様々な映画祭でも上映され、米国の配給会社による配給が決まり、全米14の映画館での上映がなされました。

まとめ

今回は「ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門」をまとめました。

下記マガジンにて他のカンヌ歴代グランプリをまとめているので、チェックしてみてください!


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