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【カンヌライオンズ/Cannes Lions】クリエイティブデータ部門歴代グランプリまとめてみた

こんにちは、あおきかい(@onakaitaiyurui)です

この記事ではカンヌライオンズ(正式名称:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)の「クリエイティブデータ部門」のグランプリをすべてまとめています。

※カンヌライオンズについては以下公式サイトをご覧ください

2015年クリエイティブデータ部門グランプリ:グランプリ無し

2016年クリエイティブデータ部門グランプリ:「The Next Rembrant」

■Brand
ING Bank
■Agency
J. Walter Thompson Amsterdam

オランダの金融会社のINGが「常に革新的な姿勢を持ち続ける」という企業理念を訴求するために実施した、前代未聞のプロジェクト。

「革新的な姿勢」を訴求するために行われたのは、300年以上前に亡くなったオランダの画家であるレンブラントの新作を、現代の技術を活用して制作するというもの

まず、レンブラント「らしさ」を再現するためにレンブラントの全作品(346作品)のデータをコンピューターに入力し、絵のモデルが選ばれる傾向や、色彩バランスなどあらゆるデータを人工知能によって分析した

その後、あらゆる分析を踏まえた上で、もっともレンブラント「らしい」新作を3Dプリンターによって制作していく。

INGはアートやカルチャーに関する投資を長年実施していたことも、この取り組みの要因の一つとなった。

データという無機なものから、有機的な芸術作品を生み出した点が非常に高く評価された。

2017年クリエイティブデータ部門グランプリ:「Care Counts」

■Brand
Whirlpool

アメリカの家電メーカーのWhirlpoolが実施した、思わぬデータから小学生の不登校を抑止したプロジェクト。

Whirlpoolが発掘したデータ、それは「汚れた衣服は、児童の引け目となり不登校につながる」、「定期的に不登校となった生徒は、通常通り投稿している児童の7倍の確率でドロップアウトする」というもの。

このデータからWhirlpoolは、自社で製造している洗濯機と乾燥機を小学校に設置することで、児童がいつでも衣服を洗うことのできる環境を整備する「Care Counts」プログラムを実施した。

洗濯機・乾燥機を使用した生徒が出席率が向上しているかを、計測するために、洗濯機・乾燥機はID入力で使用できるように設計された。

プロジェクト実施の結果、洗濯機・乾燥機を使用した児童(=衣服がきれいになった生徒)の出席率は向上、不登校は軽減した。

思わぬ要因の相関性を見つけ出し、実際のプロジェクトに落とし込んだところ、さらに横展可能であり、他の地域にも応用可能であることなどが評価された。

2018年クリエイティブデータ部門グランプリ:「JFK Unsilenced」

■Brand
The times\News UK & Ireland
■Agency
Rothco, part of Accenture Interactive

イギリスのThe Times/News UK and IrelandがALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を支援する目的で実施したプロジェクト

プロジェクトの中で行われたのは、1963年にダラスで銃弾を受けて倒れたJ・F・ケネディの「声」を再現するということ

生前行った381回のスピーチやインタビューから、声や発音をデータベース化して11万6,777種類の音声パターンを作成、生誕100周年となる年に事件当日にケネディ大統領が用意していた演説を大統領自身の声で再現した。

技術の力によって実現した「幻の演説」はその話題性から、10億以上のメディアインプレッション、Twitterでは5,100万人にリーチするなど、非常に多きなニュースとなりました

このプロジェクトの中で使用されている音声再生技術は、当時の段階ですでにAKS患者に使用されるなど実用段階に進んでおり、ALS患者の声を取り戻すのにも貢献していたとのことです。

今回用いた『音声再生技術』は、全身の筋肉が萎縮し自力での発声が難しくなったALS患者へも転用可能という社会貢献性も含めて評価されました。

2019年クリエイティブデータ部門グランプリ:「GO BACK TO AFRICA」

■Brand
Black & Abroad
■Agency
FCB/SIX

カナダのアフリカ系アメリカ人向けの旅行サイトであるBlack & Abroadが実施したプロジェクト。

いくらダイバーシティの時代と言っても、未だにTwitterなどで「GoBackToAfrica」といった人種差別・軽蔑的な言葉を投げかけるユーザーは一定数存在する。

北米地域では平均3分に1回「Go back to Africa」とツイートされているとまで言われている。

そこでAIを活用し、ヘイトを一瞬でポジティブなものに変えてしまう、あることが行われた。

それはAIが「Go back to Africa」を検知すると、アフリカの美しい風景や観光スポットなどの写真とともに、元のツイートの「Go back to Africa」のみが投稿されるというもの

テクノロジーの力によってヘイトですら、一瞬でアフリカの魅力を伝えるポジティブなものにジャックしてしまう発想の転換が高く評価された。

まとめ

今回は「クリエイティブデータ部門」歴代グランプリをまとめました。

下記マガジンにて他のカンヌ歴代グランプリをまとめているので、チェックしてみてください!


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