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「無業社会」のからくり

はじめに

こんにちは!
今回は工藤啓さん、西田亮介さんの共著である
「無業社会」について図解を交えてご紹介します!

工藤さんはNPOの運営を通して若年就労支援を、
対して西田さんは情報社会論や公共政策論を専門とする研究者です。
本書では、若年無業について現場でのリアルな課題感と
それについてのアカデミックな分析が述べられています。

・若年無業とはどのような状態なのか?
・なぜ若年無業者が増えているのか
・なぜ日本は無業社会となったのか?

全体を通して上記のような課題の答えが紹介されており、
個人的には、”若年無業とはこれほど身近で深刻なのか...!”
と驚くような内容でもありました。

本記事では、個人的により興味を持ったエッセンスを紹介したいと思います!

無業社会とは?

まずは、本書で定義される”無業”や”無業社会”についての紹介です!

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理論上はクラスに1人くらいの割合で”若年無業者”がいることになります。
一方で、ある程度偏差値にも相関が出るので、中堅以上の高校や大学に行くと中々実感しづらい割合なのかもしれません...!

(総務省統計局のHPから他にも様々な労働力に関する調査結果が載っています!より詳しく知りたい方はぜひ!🤓
https://www.stat.go.jp/data/roudou/10.html))

無業社会って何が問題なの?

続いて、ではなぜ無業社会は問題視されるのかについての、説明です。

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ここまでは”無業社会”という課題をバイアスをなるべく抜きで
正しく捉えるという点に焦点が置かれた章でした。

なぜ日本は無業社会に?

ここからは実際に日本を”無業社会”たらしめている構造を捉えていきます!

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この二つの構造は、他の様々な社会学系の論文や書籍でも
よく取り上げられていますね。
経済成長期にはこの仕組みが合理的であったのですが、
様々な歪みが生じていることも否めませんね...

無業社会から抜け出すために

本書では最後に、これらの課題を解決し無業社会から抜け出すための
キーワードが提示されています。

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日本では戦後以降、GHQの社会福祉に関する提言からずっと、
”消極的”で”場当たり的”な若年支援しか行ってこなかった。

しかし前述の通り、少子化により若年の負担がより大きくなると予想される中で、改めて明確なビジョンを描くことの重要性が最後に述べられています。

以上が本書の解説でした。

さいごに

無業社会は、普段学校に行っていたり働いていたりすると
中々実情が見えてこない課題です。

しかしながら、誰でも無業になりうることはありえ、
無業となって初めて、そこから抜け出すことの難しさを感じる
というのが非常に恐ろしい所です。

本書では少子化のことが触れられておりましたが、
AIなどのテクノロジーの台頭もこの課題に拍車をかけるかもしれません。

マクロ的にこの課題へのアプローチを行っていくのと同時に、
個人としても、一直線のキャリア戦略ではなく
仮に計画通りに行かなくても再起のしやすい戦略の方が
反脆弱的かもしれませんね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!🐱

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