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1分de哲学 「脆くないということ」

日本は災害大国である。
その為、様々な災害にまつわるリスクに備えることが、
この国が抱え続けてきた重要な課題である。

では、”リスクに備える”ということはどういうことなのだろうか?

ここで、人や組織が抱えるリスクにどう向き合うかを研究した
哲学者ニコラス・タレブの「半脆弱性」について紹介しよう。

脆さとは

人や組織は常になにかしらのリスクに晒されている為、
それに負けない”屈強性”を追い求める。

しかし、ある事象を徹底的に見つめて解を探るのが哲学である。
ダレブは、”脆さ”を見つめることで、別の解を探索した。

まず、脆いというのはこのような状態だ。

脆い(Fragile)
外乱や圧力によってパフォーマンスが低下すること。

これをそのまま反対の意味をとると下記のように言える。

脆くない
外乱や圧力によってパフォーマンスが向上すること。

つまり、このような構造が潜んでいるのである。

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これが、ダレブが”脆さ”を見つめて見出した”反脆弱性”である。
外圧に対する反応に着目をして、脆くないことを説明したのである。

キャリアにおける反脆弱性

例えばこの思考の転換を、キャリアを考える際に役立つ。

VUCAとも言われ、見通しの効かない現代を生きる我々にとっては、
リスクそのものを予測するよりも、リスクに耐性の強い自分を創る方が
現実的である。

では、キャリアにおいてリスク耐性を高めるということはどういうことか。

例えば、下記のようなものだ。

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ただこれらはもちろん具体的な状況に即した例に過ぎず、
重要なのは、「リスクやプレッシャーに対しての正負の弾力性はどうか?」
を気に留めることである。

組織における反脆弱性

組織でももちろん、反脆弱性を高めることは重要だ。
組織における反脆弱性を高める上で、まず大切なことは、

脆くない=確実性の高い、屈強な組織

という考え方から抜け出してみることである。

つまり、具体的なリスクを予測し、体制を整えるのではなく、
何かしらのプレッシャーがかかった時の組織の歪みを予測し、
どう修正し向上させていくかをイメージしみてることが大切だ。

脆くない=持続する組織
と考えてみるのも良いだろう。

すると、その方法の一つとして、
意図的にストレスを与えて耐性を向上させるようなアプローチも考えられる。

ダレブはこのようにして、”脆さ”を哲学し、反脆弱性を見出したのである。


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